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日記2023/11/08 不良債権のビジネスチャンス

中国の不動産危機による、碧桂園のデフォルトリスクやウィーワークのデフォルト、政府系コロナ融資のデフォルトの話など、最近何かと、きな臭い不良債権問題のニュースが飛び交っている。一見すると、これらの問題はマイナスの側面しかないように思えるが、不良債権は多様なビジネス機会を生み出す可能性も秘めている。

たとえば、これらの債権をプールして発行される証券を投資家に売り出す手法がある。さらに、債権を投げ売り価格で安く買い取り、債務者に対して法的措置を通じて利益を上げるハゲタカファンドも存在する。このようなファンドは、確実にデフォルトするであろうアルゼンチン債を購入し、法的措置を経てアルゼンチンの船舶などの資産を差し押さえ、その結果利益を得るという戦略をとっている。

また、1980年代には「ジャンクボンドの帝王」として知られるマイケル・ミルケンが、リスクの高い債権を巧みに料理し、莫大な利益を上げたことも有名だ。

数ある不良債権ビジネスの中で僕が今最も注目しているのは、転換社債だ。資産が大きく目減りする局面では、転換価格に到達することが難しい転換社債の価値も大きく下落するが、しっかりデューデリジェンスを行うと、これらの社債が株式等の資産への転換オプションを行使できなくても、社債の利回りだけで魅力的な投資になる可能性があることが見えてくる。転換社債を因数分解し、転換社債のオプション性を無視して、債券としての価値だけに注目すると、見過ごされがちながらも価値のある投資対象となることがある。

不良債権問題はネガティブな面ばかりではなく、洞察力を持って分析すれば、それをビジネスチャンスに変える可能性を秘めている。一連の不良債権問題に関してしっかりと観察していきたい。

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