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「統一教会」と「安倍晋三家3代」と「自民党の為政」と「日本の衰退」など,因果がめぐる暗い話題

 最初につぎの記事の画像から紹介する。

氏神すらなれそうな安倍晋三君であるが

 そもそも,統一教会と自民党・安倍晋三とは歴史的に長く,深く,暗い因縁をもちあう間柄にあった。最近,その晋三の留魂碑が建てられたという。その意図や精神のいかんについて,しばし考察してみるのもいい。
 付記)冒頭の画像はユーチューブ動画サイト『一月万冊』から借りた。

安倍晋三は「神様」と一番縁遠い
「世襲3代目の政治屋」

 

 ※-1「『安倍元総理の魂,この世にとどまっている』 高市氏,留魂碑建立で」『朝日新聞』2023年7月4日 14時48分,https://www.asahi.com/articles/ASR744CJ9R74ULFA00D.html?iref=pc_ss_date_article

 この記事はこう伝えていた。高市早苗の弁のことであった。

 (安倍晋三元首相の一周忌を前に所感を問われ)〔2023年〕7月1日に,事件のあった奈良市で留魂碑の建立をいたしまして,除幕をいたしました。安倍(元)総理が敬愛しておられた吉田松陰先生の辞世の句なんですが

 「身はたとひ 武蔵の野辺に 朽ちぬとも 留め置きまし(置かまし) 大和魂」

というのがございました。まさに私たちは留魂碑を設置したんですが,「留め置きまし 大和魂」,つまり,日本人として日本を思う心,安倍元総理のその魂というのは,まだこの世にとどまっているんだろうなと思います。

僭越にも吉田松陰に安倍晋三を近づけたい言辞の無理っぷり

 安倍晋三の祖父岸 信介は,自分のまた祖父が「吉田和夫松陰とは知己の関係にあった」という記憶を非常に自慢していたそうである。が,しかし多分,松陰が迷惑するような「勝手な追っかけファン」だったという解釈も大いに可能である。

 ましてや,この岸 信介を敬愛していた外孫の安倍晋三となると,松陰のことなど政治理念の認識においてだが,いかほどまともに身につけていたかいえば,当人が首相であった期間が実際に,その中身の空虚さを十分過ぎるほどに実証していた。つまり,安倍にあってはその認識など皆無であったと断定していいほど,晋三は松陰とは無縁に俗界にのみ生きてきたに過ぎない。

 ともかくもやたら無条件に,あるいは生きている者の側から「死者の魂」を利用するためだけに,つまりオタメゴカシでしかありえなかった「口舌の徒」が,いくら荘厳な風を装って安倍晋三の体たらくをごまかそうと祀ろうとしたところで,結局はどこまでもみえすいた弔辞にしかなりえまい。

 高市早苗という氏名の国会議員,なんというか,最近はお年のせいか,ずいぶんお化粧のノリ具合が芳しくないオバハンが,前段の記事でのように「アベ愛」を熱く語ったわけだが,この発言が本当にそれなりにわずかでも意味をもちうるのだとしたら,

 日本のこの政治経済社会のなかに,安倍晋三的な祟りが現状のごとく,それこそ無残かつ惨憺たる現状として現象している状態になっているわけなど,絶対にありえなかった。

 それでもまだ高市のように,アベを美化して騙れる(語れる)という事実は,これをいいかえると,馬鹿正直にも「冗談にもならない極悪の狂想的な安倍信仰」が,それでも高市早苗のように脳天気に語れるという演技は,それじたいは個人の意向に沿ったものゆえ,それじたいはケッコウだとみなせるにしても,

 実際のところは,「このアベ君の為政」が維持されていた時期,「この日本という国」はみごとなまで惨憺たる顛末をもちこまれていた。さらには,その後においても日本の政治過程が記録してきた実績は,こんどは,あの幽霊みたいというか,腹話術師のあやつる人形自身みたいに「首相としての発言」しかなしえなかった岸田文雄現首相の為政によって,さらに悪化の一途をたどってきた。

 そのさい,この2人とも「世襲3代目の政治屋」である点を忘れてはいけない。特筆大書してもいい要点そのものであった。

安倍晋三を語った後藤田正晴
安倍晋三と韓鶴子
安倍晋三と岸田文雄-戴冠式にて-
 
「世襲3代目の政治屋」が壊してきたこの国

 現状の日本はいまや実質的に「国破れて山河あり」と似た状況に陥りつつある。アベノミクスというアホノミクスが,アベノポリティックスというもうひとつの悪政策との,それも一番まずい組合わせによってだったが,もはやとりかえしのつかないガタピシ国家体制を,一丁上がりにした。岸田文雄がそのあとにノコノコと登場したところで,この「世襲3代目の政治屋」にできるなど,なにもなかった。

 上に引用した風刺画には,岸田文雄がアベの「貧困政治から極貧政治へ」と追いこみ,転落させたと皮肉っている。けれども,この風刺にともなう「日本政治の事実史」は,実際に継起的に発生していた諸事実に関した指摘であった。

 しかも,現に首相を務めている文雄の難題は,もっとも深刻な「世襲3代目の政治屋」となっていた自分の立ち位置じたいを,当人がいまなお,まったく知覚しえていない点にこそあった。

 ごくふうつにかつ率直にいってみれば,「(貧乏神+疫病神+疫病神)÷ 1.5 」と形容したらよかったかのような,安倍晋三政権のとくに「2010年代における第2次政権」の時期は,この日本をとうとう断崖絶壁まで押しやったのである。

 ところが,その路線をさらにまずいことには,無自覚的にだからこそ実行できているのだが,現在の首相岸田文雄であった。この国は,いまや断崖絶壁の瀬戸際に立たされている「国家的な状況にある」。だが,この首相,実は,その深刻な実情を全然理解できていない。

 岸田文雄はただ,自分がいかに長く首相の地位に留まれるか,この1点にしか関心がない。「世襲3代目の政治屋」の精神構造からして,首相になることが自分の人生の目標なのであった。彼はそれゆえ,国民・市民・庶民のためになにかする,役にたつ,ともかく貢献するために働くという基本精神など,もともとなにひとつ披露できていない。

 岸田文雄が首相になったのは2021年10月4日であった。それからすでに1年と9ヶ月の時間を総理大臣として過ごしきたという,彼の履歴だけは記録されていても,それ以上になにをしてきたのかという印象がとても薄い。つまり,政治家として取りたてて「印象がないのがこの人の印象」だという印象。だから,そういう人物のことは政治家ではなく政治屋(のそのまた以前?)と指名できる。

 本ブログは昨日(2023年7月5日)の記述でも説明したように,経済学者の森嶋道夫が1990年代の日本の実情を分析・評価して,自著『なぜ日本は没落するのか』岩波書店,1999年を上梓し,あくまで20世紀最後の10年間におけるこの国の経過を診断したうえでの発言であったが,日本に対して重大な警告を発していた。

 なにせ,経済学が憂国するあまり,この国:日本が没落すると警告していたのである。ところが政治家のほうは,経済学者がそうして警告してくれた世紀的な意味あいがまったく理解できていなかったし,そもそも理解しようとする感性そのものをもともと備えていなかったのだから,ある意味,この国はお手上げ状態……。

 われわれはこれまで,岸田文雄の為政っぷり(拙劣ぶり)をみせつけられてきた。この首相は「世襲3代目の政治屋」としてみても,実際には人間的・人格的に空虚な資質しかもちあわせいなかった人材であった。

 2022年10月4日,自分の息子を首相秘書官にとりたていたが,たちまちこのろくでもない▲カ息子が,2022年12月末であったが,「官邸・公邸」内で忘年会「騒ぎ」を,血縁のいとこたちを集めて起こしていた。このトンデモな事実が世間に暴露されると,当然,庶民たちからヒンシュクを買った。そこで文雄,このバ▼息子をその任からはずすほかなくなっていた。

 岸田文雄という「世襲3代目の政治屋」の発想は,首相になってこの日本のためになにをするかという理念を抱き,そのための目的を提示し,自身の抱負を実現させることなどよりも,いま座っている首相の地位にしがみつき,堪能するだけに「人生の本来の目的」じたいがあった。

 それゆえ,彼ら(「世襲3代目の政治屋」たち)にこの日本国の現状を変革・改革・向上を期待することは望まないほうがいい。望んでもできるわけもなく,もともとできもしない連中が「彼ら」であった。

 岸 信介⇒安倍晋太郎⇒安倍晋三の系譜を,おそらくよく踏まえてだと推測されるが,だから,統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の総裁,韓 鶴子が日本に向かい,つぎにような勝手ないいぶんを放っていた。


 ※-2「旧統一教会トップ総裁「戦犯国家の日本に賠償させろ」発言に自称・保守系ダンマリのナゼ」『日本経済新聞』2023/07/04 14:00,https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/325505 

 この記事はまず「先鋭的で攻撃的なものいいは,かつてのオウム真理教を彷彿とさせる」と書き出し,つづけてこう報じていた。

このオバサンは何様?

 旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の教団トップ,韓 鶴子総裁(80歳)が〔2023年〕6月末に教団内部の集会で語ったとされる発言について,共同通信やTBSが報じた。

 ◆-1「日本は第2次世界大戦の戦犯国家で,罪を犯した国だ。賠償をしないといけない」

 ◆-2「日本の政治は滅ぶしかないだろう」

 ◆-3「岸田総理や日本の政治家を韓国に呼びつけて,教育を受けさせなさい」

統一教会,現・世界平和統一家庭連合の韓 鶴子のいいぶん

 報道された音声データによると,韓総裁とされる人物は,日本の幹部ら約1200人を前にこう語気を荒げたという。

 補注)上段の引用中で◆-1は,日本・日本人側であれば当然,大いに反発する。しかし,欧米(連合国)側で第2次大戦で日本に勝利した国々は,基本的にはそのように認識している。これまた事実。

 ドイツやイタリアそして日本に米軍基地が多く配置されている現状と,これら3国が敗戦した国々である事実とは密接に関係している。21世紀になってもその因果が生々しくその痕跡を残している。

 ただしともかく,韓 鶴子にまでそのように「語気を荒げて」いわれたら,日本政府側の立場がどう応じるかはともかく,旧大日本帝国時代の精神的な残滓を払拭しきれていない人たちが返すに違いないその反発は,並みではあるまい。

〔記事に戻る→〕 この発言が事実であれば,もはや宗教法人とはいいがたいのではないか。旧統一教会に対しては現在,解散命令の請求を視野に入れた文部科学省の調査が続いているが,いま以上にきびしい目が向けられるのは間違いない。

 ネット上でも,《旧統一教会の正体が分かった以上,さっさと解散させた方がいい》《反日組織を見逃すな》といった意見が出ているが,不思議なのは,そうした「反日組織」といわれる旧統一教会と緊密な関係を結んでいたとされる安倍晋三元首相や,組織ぐるみで選挙応援してもらっていた自民党議員らに対する批判的な投稿が少ないことだ。

 ■「嫌韓,反中はしょせん口先だけ」■

 とりわけ,安倍氏といえば,韓総裁が2005年にニューヨークで創設したNGO「天宙平和連合(UPF)」が開いた大規模集会にビデオメッセージを贈り,笑顔を浮かべて「敬意を表します」などと演説していたことが報じられている。

 「戦犯国家の日本に賠償させろ」「日本の政治家を教育しろ」と高圧的に叫ぶ人物の関連イベントに「敬意」まで表していたのだから,いわゆる保守系が多用するネットスラングで評すれば,どうみても安倍氏は「反日売国奴」では?

 いまの野党議員が同じことをしていたら,それこそ連日のように袋叩きにされるのは目にみえている。にもかかわらず,安倍氏に対してはそんな動きはみられず,他の自民党政治家についても厳しい意見はみられない。なぜか自称・保守系らは静観したままだ。

 《結局,日本を守れとかネットでいっている人たちって,いい加減なんだな》

 《嫌韓,反中はしょせん口先だけ。かっこだけ。プーチンと同じですぐ日和るネット保守》

 SNS上では自称・保守系らに対する冷めた見方も広がっているようだ。(引用終わり)

 愛国心を高唱し,他者:国民たちにもそれを強いる安倍晋三のごとき「世襲3代目の政治屋」にかぎって,その面相の裏側にはまさに「ヤーヌス」(Janus)の様相が隠されていた。

 安倍晋三や岸田文雄の場合,自分の「政治屋としての立場」にあってだから,その愛国心は単なる自己愛にしか翻訳できないものであった。首相として国民たちに向けて愛国心を求めるほどには……というような以前に,初めからたいしてその実がなかった立場に,彼らは立っていただけであった。

 だから,つぎの※-3のごとき意見・批判がすぐに登場していた。
 

 ※-3「日本は滅びるしかない。岸田をここに呼びつけて教育を受けさせなさい」(韓鶴子・統一教会総裁)・・・自民党の「愛国者」の皆さん,カルトが何か言ってるぞ!!」『くろねこの短語』2023年7月4日,http://kuronekonotango.cocolog-nifty.com/blog/2023/07/post-0ebccc.html

 統一教会(現・世界平和統一家庭連合)総裁の韓 鶴子が,「日本は滅びるしかない。岸田をここに呼びつけて教育を受けさせなさい」って幹部連中を前にいいい放ったってね。

 BS-TBS『報道1930』が音声を入手したそうで,これを聴いて自民党の壺議員どもはまさかダンマリを通すつもりじゃないだろうね。

  韓 鶴子総裁「岸田を呼びつけて教育を受けさせなさい」。
    ⇒ 内部音声を独自入手「日本の政治は滅びるしかないわよね」
 
補注)鶴子がこういった内容じたいは,当たっているかもしてない。

【参考画像資料】

安倍晋三が尊敬していた統一教会の教祖様たちが居た

〔『くろねこの短語』本文に戻る→〕 なんてったって,日本の総理大臣を「呼びつけろ」っていってるんだから,ここでダンマリを決めこんでいるようじゃ,壺議員どもの「愛国心」が疑われるというものだ。とくに,壺売りの萩生田〔光一〕君や壺議長の細田〔博之〕君あたりは,統一教会との関係を断つ〔ための〕いい機会なんだから,立ち上がるならいまだぞ。できないだろうけど。

安倍晋三が尊敬していた統一教会の教祖様たちが居た

 もちろん,ヘタレ総理〔岸田文雄のこと〕だって,なんらかのリアクションをするのが総理大臣としての務めというものだろう。解散命令請求が視野に入っているカルト教団から呼び捨てにされてるんだからね。

 解散命令請求するには絶好タイミングだろう。「聞く力」ってのは,こういう無礼な発言にも発揮すべきものなんだね。

 とはいうものの,韓 鶴子にすれば無礼な発言だなんて爪の先程も思っちゃいないだろう。なんてったって,これまで無料の秘書を派遣したり,選挙では集票マシーンとして八面六臂の活躍で支援してきたっていう背景がありますからね。

 感謝されて当たりまえと思ってるだろうから,このところの統一教会バッシングにはさぞかしはらわたが煮えくり返っているはずなんだね。だからこその「岸田をここに呼びつけて教育を受けさせなさい」なんだね。

 こんな発言を平気でするカルト教団に,ペテン師・シンゾーは「敬意を表します」という動画メッセージを送ってたんだから,なんとも間抜けな話なのだ。このままなんのリアクションもしないと,ヘタレ総理もまた同じ間抜けのレッテルを貼られることになりますよ。もうなってるか。

 以下の記述は,以上に引用した『くろねこの短語』の記述にぶら下げられていた『ツイート』の諸意見から,内容のみ拾って紹介するものである。

  ☆-1 堤 伸輔氏〔のコメント〕 6月28日のそれにしても強烈な発言ですが,日本政府は質問権の行使などそれなりの対応はみせてますけど,どうも岸田総理はこの問題を「じっと通り過ぎるのを待ってる」ようにも見受けられます。

 前段にかかげたユーチューブ動画サイトは最初に, 韓 鶴子「日本はとくに第二次世界大戦の戦犯酷だということ,原罪のくになのよ。ならば賠償すべきでしょう。被害を与えた国に」と発言した点から紹介していた。

  ☆-2「日本での教団への質問権行使の動きを念頭に日本の政府の対応を “批判” し,岸田総理や政治家を韓国へ呼びつけるよう」と指摘したのは,鈴木エイト・ジャーナリスト / 作家『自民党の統一教会汚染2 山上徹也からの伝言』(小学館,2023年)であった。

 ☆-3 内部からの情報ですが,やはり出ましたね。これが統一教会の真実です。教団トップの韓 鶴子総裁「日本は第2次世界大戦の戦犯国家で罪を犯した国だ。賠償をしないといけない」「日本の政治は滅ぶしかないだろう」と発言〔したのは〕6月末,教団内部の集会で〔あった〕。

 つぎの※-4は,韓 鶴子の発言を必死の思いで黙過しておこうとする日本政府側の思いが伝わってくる点に言及した報道である。もっとも,野党もこの件についてはおとなしいな,という感じがある。

 ※-4「旧統一教会トップ・韓鶴子氏発言に松野官房長官『報道承知もコメント差し控える』」『TBS NEWS DIG』2023年7月4日 18:33,https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/582615?display=1

 旧統一教会のトップ,韓 鶴子総裁が「岸田総理や日本の政治家を韓国に呼びつけ教育を受けさせなさい」などと質問権を行使する日本政府の対応を批判しましたが,対応を問われた松野官房長官は直接の言及を避けました。

 ◇ 松野官房長官 ◇
 「報道については承知しておりますが,韓 鶴子氏の発言の逐一について,私からコメントすることは差し控えさせていただきます」

 補注)嵐が通り過ぎる要領で韓 鶴子の発言をやり過ごそうとしている姿は,ふだんの政府の態度「対韓姿勢」に照らしていえば,ずいぶん「へっぴり腰」以前の,そもそも「腰抜けが抜けていた構え」そのものを,ともかく隠しおおそうとしているかのように映っていた。

〔記事に戻る→〕 松野官房長官はこのように述べ,直接の言及を避けました。そのうえで旧統一教会に対する質問権の行使が6回に及び,解散命令請求への判断が長期化している現状については,つぎのように述べました。

 ◇ 松野官房長官 ◇
 「(Q. 実態解明に向け,現状どのように見ているか?)具体的な証拠等を伴う客観的な事実を明らかにするための丁寧な対応を着実に進め,そのうえで法律に則り,必要な措置が講じられるものと認識しています」

 この問題の所管省庁である文部科学省が解散命令を請求するか検討を進めていますが,被害者からは救済に向けて政府の早い決断を求める声が高まっています。(引用終わり)

そうはいってみても,さらにつぎの※-5のような現況に触れておく必要もあった。そう簡単には「政府の早い決断」が実行されるとはかぎらないのではないか。
 

 ※-5「〈深掘り〉旧統一教会と安倍氏 “3代の因縁” 『一朝一夕の話ではない』」『毎日新聞』2022/9/7 19:15,更新 9/10 17:43,https://mainichi.jp/articles/20220907/k00/00m/010/314000c

 なお,この記事は1849文字の分量で長いが,以下に解説として聞く価値あり,ということで全文を紹介する。

 a) 長野県南部,天竜川が流れる秘境の山村,泰阜(やすおか)村。参院選から1カ月後の今〔2022〕年8月,新盆を迎えた「宮島家」には多くの人が集まっていた。昨〔2021〕年父を亡くした宮島喜文(よしふみ)・元参院議員(71歳)も地元に戻り,つぎつぎとお参りに訪れる来客に応対した。

 2016年の参院選比例代表で初当選した宮島氏だが,今年7月の参院選には出馬せず,1期で引退した。2016年の選挙を手伝った支援者の1人と目が合うと,再会のあいさつもそこそこに,6年前当選できた経緯をそっと打ち明けた。

 「『票がちょっと足らんかもしれんで』ということで,伊達さんが間に入って話をしてくれた」

 「伊達さん」とは,当時自民党の参院幹事長だった伊達忠一氏。2016年参院選の直後に,参院議長に就任する大物だ。宮島氏とは,同じ臨床検査業界の代表という共通点があった。

 伊達氏が選挙支援で話を付けてくれた相手とは,当時現職だった安倍晋三元首相だった。当選後,宮島氏は伊達氏と同じ清和会(現安倍派)に所属した。

 新盆には,宮島氏の事務所職員だった男性も訪れた。その場で男性は,宮島氏から「前回の選挙では『世界平和連合』の支援を受けていた」と説明された。

 この話は,宮島氏が再選断念を決めた今春,宮島氏の元秘書からも聞かされていた。「前回支援してくれた『平和さん』がダメになったから,もう選挙はできない」。

 男性は当時,その団体のことを知らなかった。ネットで調べて初めて,世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体であることをしった。

 2016年の選挙では安倍氏の差配で旧統一教会の関連団体から支援を受けたが,今回は受けられないことになり出馬を断念した。新盆は,その構図を支援者や事務所関係者に告白する場となった。

 b) 自民のあるベテラン秘書は「統一教会といえば,清和のお家芸だった」と明かす。多くの自民関係者の間では,教団側ともっとも深くつながっていたのは清和会であり,領袖(りょうしゅう)の安倍氏だったという認識で一致する。

安倍家と文鮮明の緊密な仲

  昨〔2021〕年9月。安倍氏は,旧統一教会の関連団体「天宙平和連合」(UPF)が主催したイベントにビデオメッセージを寄せた。「朝鮮半島の平和的統一に向けて努力されてきた韓 鶴子(ハン・ハクチャ)総裁に敬意を表します」。

 韓総裁は,統一教会を創設した故・文 鮮明(ムン・ソンミョン)氏の妻で教団のトップ。元首相が,教団にお墨付きを与えたようにも受けとれた。

 安倍氏は「家庭の価値を強調する点を,高く評価します」とも語った。教団に家庭を壊された山上徹也容疑者はこのビデオの存在をしり,「旧統一教会とつながりがあると考えた。殺そうと決心した」と供述している。その点でも転機となる映像だった。

 安倍氏のビデオ出演から約⒈カ月後,教団の渋谷教会。UPFジャパン議長で,旧統一教会系の政治団体「国際勝共連合」の会長でもある梶栗(かじくり)正義氏が,信者に安倍氏出演の経緯を語る映像が残っている。ジャーナリストの鈴木エイト氏が入手した。

前段の「続き」2

 「この信頼関係がいったいどうやってできてきたのか。一朝一夕の話ではないんです」

 安倍氏との関係をそう誇り,安倍氏と会食したさいには,祖父の岸 信介元首相と父の安倍晋太郎元外相がそれぞれ教団トップと写る2ショット写真を見せながら,「3代のお付き合い」「3代の因縁」と説明したというエピソードも披露した。

 そのうえで梶栗氏は,安倍氏のビデオ出演が選挙支援の見返りだったことを示唆した。

 「この8年弱の政権下にあって,6度の国政選挙において私たちが示した誠意というものも,ちゃんと本人が記憶していた」

 毎日新聞は梶栗氏と安倍氏の事務所に,この発言や安倍氏のビデオ出演の経緯について尋ねたが,期限までに回答はなかった。

 岸田文雄首相が国葬への理解を求めるため,みずから国会の閉会中審査で説明すると表明した同じ日,自民は旧統一教会や関連団体と今後関係をもった議員には離党を求める考えを示した。だが,党所属の議員からはこんな疑問の声も上がる。

 「旧統一教会ともっとも関係が深い存在だったのが安倍さん。関係を断てといいながら国葬をやるのは,最大の矛盾だ」(引用終わり)

 現在の岸田文雄が日本国の最高指導者:首相として,どのような立場に居たかは,以上の解説記事によって一目瞭然の思いにさせられる。

 岸田文雄は安倍晋三の国葬を強行した時点ですでに,采配としてはそのボロを出していた。つまり,政治屋としての「政治家不適格性」を最初から暴露させた。誤断であった。

 岸田文雄に政治家としてものごとを合理的,論理的に思考するために「頭中の志向回路」はなかった。なぜなら,首相である現在のその一瞬,一瞬の行動がすでに,「世襲3代目の政治屋」としての意識水準では,完全に以前より双六を上がっていた気分でいたからである。

 「岸田首相『全国行脚』で支持率挽回どころかさらに下落? 子どもに “空っぽ回答” 大失態の過去」『日刊ゲンダイ』2023年7月4日,https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/325480 が,こう指摘していた。

 「総理は今年3月,東日本大震災の被災地を視察したさい,子どもから『なぜ首相になったのか』と問われると『語り出すと難しいんだけど……』と戸惑いの表情を浮かべ,『一番権限の大きい人なので』と中身ゼロの回答を展開していた。

 普通,『なぜ首相になったのか』と聞かれたら,つぎつぎと言葉が出てくるものでしょう。なのに,総理は言葉に詰まってしまった。恐らく,やりたい政策も,描く日本の将来像もないのでしょう。

 アドリブが利かず “空っぽ” ぶりを露呈してしまった。複数の現場を歩いて,また同じようにボロを出さないか,同じ失敗をしやしないか,官邸周辺からは危惧する声が漏れています」(前出の官邸事情通)。

カラッポの首相

 いまさら,ああしろ・こうしろといったところで,この「世襲3代目の政治屋」には,とうてい無理な相談であった。

 はたして,日本の政治が安倍晋三から菅 義偉,岸田文雄へと進行していくうちに,この国の実体はいよいよ溶融していくばかりであった。本ブログ筆者は以前の記述のなかで,この自民党政府の為政を「21世紀のタイタニック号」にたとえてみた

 この泥船からそう簡単には脱出することなどできないまま,今日もまたこの船の中で揺られているだけのわれわれの日常生活にとっては,21世紀といってもこのさき,どのくらいこの国がまともに生きていけるのか心配でしかたがない。

 昔,日本のプロ野球の選手でえもやんと愛称された江本孟紀(えのもと・たけし)がいた。ウィキペディアにはいろいろと江本の解説がなされているが,なかでもつぎの話題が有名である。セリーグの阪神に所属していた時期の出来事である。

 江本は,ブレイザー〔監督〕の後任となった中西 太の選手起用に不満を募らせ,先発登板した1981年8月26日の対ヤクルトスワローズ戦(甲子園球場)の8回表途中に交代を命じられると,ベンチ裏で新聞記者などを前に「ベンチがアホやから野球がでけへん」と発言(後述)した。

 この発言が監督批判というニュアンスで,翌日のスポーツ紙を賑わせたことから,「チームやファンに迷惑をかけて申しわけない」と謝罪したうえで,同年かぎりでの現役引退を表明した。江本と中西はキャンプ中から対立していた険悪な仲だった。

 以上例えて話しに使うために紹介したプロ野球選手の発言・1件であったが,ひるがえってみるまでもなく,この日本国のベンチ(自民党政権)は,はっきりといって「アホ以下」。

 統一教会のオバハンに命令口調で超露骨に文句をいわれても, 「報道については承知しておりますが,韓 鶴子氏の発言の逐一について,私からコメントすることは差し控えさせていただきます」と来た。

 日本政府の対米服属的な基本姿勢それじたいも,実にみっともない実態にあるとはいえ,韓国政府じたいに対してではなくて,その国の宗教的な一団体組織の総指揮者から,それほどボロクソにいい放たれても,これにはコメントできませんと応えたのであるから,いったい「この国はどういう政府をもっている」かといぶかる人が居て当然である。

 日本全国の保守・右翼の皆だけでなく,とくに安倍晋三大好きである極右・ネトウヨの皆も,なにかいわないでよろしいのか? 結局ともかく,本当に絞まらない話に逢着した。

 本日は語るに落ちた話題であった。落ちるところまでトコトン落ちたことになる。海外にそう簡単には逃げ出せないわれわれ庶民にとっては,なんとも情けない「この国」になっている。

【参考記事】-『毎日新聞』本日朝刊から-

統一教会問題から逃げまわる自民党・政権

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