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「在特会」は「バカの壁」内側の住人だが,その外側に居ても同列と観られるべき,自民極右政権において「陣笠議員の資格さえない」3流の「選良」たち

 ※-1「統一協会味の自民党」と「創価学会の下僕公明党」の野合政権のなれのはて,2024年1月からこの日本をみると,たとえば2016年当時から変わっていないどころか,むしろ後退してきた

 昨年(2023年)12月から今年(2024年1月)にかけて進捗してきた東京地検特捜部の「パー券裏金問題」捜査は,安倍晋三亡きあと「極右保守党になりきった自民党」と「福祉と平和を騙る創価学会・公明党」との,まるで「野外キャンプ的あるいはハイキング的に野合していた政権」から逮捕者を,もちろん自民党国会議員からだが,出す段階にまで至った。

 現在は安倍晋三の第2次政権以来,満11年を過ぎた現段階にあるが,この日本国の政治と経済は,バブル経済が破綻してから30年以上も経ったなかで,その「最悪の為政」と「あいかわらず冴えない業績」を記録するようになっていた。いってみれば,国民生活の総体的な水準は,最大・最悪の状態にまで落ちこんだ。

 「衰退途上国:日本」と呼称がそれこそ自嘲的に,しかも自国の現状をあらためて確認しなおす表現としてだが,身体中のあらゆる痛点を介したかたちで,そのみじめさが骨身にまで染みてくるような「昨今のこの国」になってきた。

 以上のごとき,2024年になったこの国の現況について,この記述は8年前(の2016年4月26日)にいったん公開してあったが,その後,ブログ・サイトを移動していた関係でお蔵入り状態になっていたものを,つまりは,安倍晋三による「罪業そのものであった悪政」がまだ真っ盛りであった時期に書いてあった一文を,いまごろになったけれども復活させてみた。

 この文章は古証文にしてはまだ現実的に通じる中身を,あれこれとりあげていたものゆえ,これに今日(2024年1月上旬)的にも加筆・補正する作業をおこないながら,現段階において「日本の政治と経済」を通観できる内容にしていきたい。

 さて,「美しい国へ」と向かうはずだったこの日本であったが,安倍晋三の「幼稚と傲慢・暗愚と無知・欺瞞と粗暴」の為政のために,いまではすっかりズタボロにされきった惨状を呈しつつ,ただよろよろと「後進国体制」へとあとずさりする様相すらみせるようになっていた。

 まず次段には,『デモクラシータイムス』が最近放送した2点の動画記事から,本ブログの記述全体に関連する図解(図表)を紹介してみたい。

 安倍晋三が,「政治」と「経済」の国家運営担当者として冒してきた「大罪5点」と「〈実例としての〉半導体事業の没落」は,いいかえれば,「アベノポリティックス」と「アベノミクス:アホノミクス」それぞれの「大失政」と「大失策」の結果であった。この国はいまでは,もう先進国といえない国家にまで落ちこんだ。アベがそうしてきたのである。

 いまとなってみれば,日本はなんとも恥ずかしい国勢にまで衰弱している。いいかえれば,ここまで国力を凋落,沈下させてしまったその張本人,換言するとその仕上げをなしとげた「世襲3代目の政治屋」は,ほかならぬ安倍晋三であった。

2024年1月1日の能登半島地震では
志賀原発が未稼働であったことは不幸中の幸いであった
日本の産業経営の衰退ぶりはいちじるしい
半導体産業は花形となっている事業部門である

 つぎに,『日本経済新聞』の1面全体を使ったこの解説記事は,その後進といったらまるで,「文字どおり(?)」「前へ進むのではなく」,後方にしか走れなくなった「オンボロ車」の体となったこの日本の現状を,テイネイに説明している。

この国はまだ「経済大国」であるつもりなのか?

この下り坂がつづく現状を阻止できる
内的な活力が
いまのこの国にあるのか?

岸田文雄という「世襲3代目の政治屋」がこの国を采配しているが
「坂の上の雲」がどこにもみあたらない

安倍晋三も「世襲3代目の政治屋」であった
岸田文雄も「世襲3代目の政治屋」であった

そのあいだに菅 義偉という首相がいたが
この人は叩きあげの人物だといわれていたが
国民生活を叩いて叩いてはいちいちダメにする特技をもっていた

菅 義偉は国民に対して自助を第1に生活しろと強要した

今回の能登半島で発生した大地震に襲われて
自分の「家族全員(妻と複数の子ども)」を失った中年男性がいても
それでも自助,自助,自助・・・


彼らアベ,キシダ,スガはいずれもこの国を崩壊させる大役をはたしてきた

つぎの2点の画像も参照用にかかげておきたい


 2024年の元日に起きた能登半島地震は,震度7の激震と5メートル近い津波でもって同半島の日本海側地域を襲った。今日は1月8日,その被災者たちの気の毒な様子は,まさに菅 義偉(前首相)が以前エラそうに,国民たちに強要するために語っていた「自助⇒共助⇒公助」の順序づけによってこそ,さらにいっそう悲惨な境遇に追いやられている。

 「いまだけ,カネだけ,自分だけ」(政治家のほうだけは「公助⇒共助⇒自助」である)の為政がまかり通ってきたこの国であるからには,いまのところ,この「転落を止めよう」にも「どうにも止らない」

 

 ※-2 2016年4月26日当時の安倍晋三政権はこんなふうに体たらくだったという風景


 「在特会」(というヘイト活動をしてきた反社会的な集団がいた)は,「バカの壁」内側の住人であったが,その外側に居ても同列と観られるべき,自民極右政権において「陣笠議員の資格さえない」3流の「選良」たちも大勢いて,この日本の政治の中身を実際にはただ腐らせるだけの存在になっていた。

 前明石市長であった泉 房穂は最近,現在の自民党のなかでもとくに安倍派国会議員の99名は居なくても,「この日本国の運営にとってなんら支障はない」と喝破していた。

 その「居なくてもよい」自民党の特定派閥(安倍晋三が存命中は100名もの派閥勢力を誇っていた)が,この日本においてこれまでどれほど国民たちを苦しめてきたかについて,以下の記述は2016年時点における中身の説明になるが,これがいまだに妥当しているのだから,その弊害たるや甚大であった。

 1)まず「在特会並みか,それ以下の『極右:粗暴・無教養』の安倍晋三政権集団,その粗暴なる堕落形態」という視角からの議論をするが,最後の段落では「キャロル(ロックバンド)にまでたどりつく『在日特権』」という話題にまで言及する。

 2016年4月の話題であった。在特会の差別行動に対する司法判断をめぐる報道が,『朝日新聞』と『日本経済新聞』とでは一定の違いがあり興味を抱いた。

 a)「在特会の言動,賠償増額 高松高裁,『人種差別』も認定」『朝日新聞』2016年4月26日朝刊

 「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の会員らが6年前〔2010年〕,徳島県教職員組合で罵声を浴びせた行動をめぐり,県教組と当時の女性書記長(64歳)が在特会側に慰謝料など約2千万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が〔4月〕25日,高松高裁であった。

 生島弘康裁判長は「人種差別的思想の現われ」で在日朝鮮人への支援の萎縮を狙ったと判断。女性の精神的苦痛を一審より重くとらえ,倍近い436万円の賠償を命じた。

 判決によると,在特会の会員ら十数人は2010年4月,日教組が集めた募金の一部を徳島県教組が四国朝鮮初中級学校(松山市)に寄付したことを攻撃するため徳島市の県教組事務所に乱入。女性書記長の名前を連呼しながら拡声機で「朝鮮の犬」「非国民」などと怒鳴り,その動画をインターネットで公開した。

 判決は,在特会側が朝鮮学校を「北朝鮮のスパイ養成機関」と呼び,同様の言動を繰り返してきた経緯から,「在日朝鮮人に対する差別意識を有していた」と指摘。さらに,一連の行動は「いわれのないレッテル貼り」「リンチ行為としかいいようがない」とし,在日の人たちへの支援活動を萎縮させる目的があり,日本も加入する人種差別撤廃条約上の「人種差別」にあたるとして強く非難。

 昨〔2015〕年3月の一審・徳島地裁判決が,攻撃の対象は県教組と書記長であることを理由に「差別を扇動・助長する内容まで伴うとはいいがたい」とした判断をあらためた。

 そのうえで,監禁状態のなかで大音量の罵声を浴び,性的暴力まで示唆された女性の苦痛や県教組が受けた妨害の大きさも考慮し,一審の賠償額(230万円)を増額。賠償命令の範囲も2人増やし,在特会と会員ら10人とした。

 識者の寸評: “一歩進んだ判決”  表現の自由に詳しい曽我部真裕(まさひろ)京都大学教授(憲法)の話。支援者が対象でも人種差別にあたるとした点は新しく,京都でのヘイトスピーチをめぐる大阪高裁判決を一歩進めた感じがする。また,在特会の言動は表現活動と呼べるものではないと判断した。

京都大学教授・憲法専攻
  

 b) すでに「在特会側に1200万円の賠償が確定 京都のヘイトスピーチ」といった判決も下されていた(以下は『The Huffington Post』投稿日: 2014年12月10日 18時09分 JST 更新: 2014年12月10日 18時09分 JST,https://www.huffingtonpost.jp/2014/12/10/zaitokukai-hatespeech-kyoto-supreme-court_n_6299672.html 参照)。

 「在日特権を許さない市民の会」(在特会)に人種差別的なヘイトスピーチ(憎悪表現)で授業を妨害されるなどしたとして,京都の朝鮮学校を運営していた学校法人が在特会と会員らに損害賠償を求めていた訴訟で,最高裁第3小法廷(山崎敏充裁判長)は2014年12月9日付で,在特会側の上告を退ける決定をした。朝日新聞デジタルなどが伝えた。

 これにより,在特会の名誉毀損と業務妨害を認め,約1200万円の高額な賠償支払いと,学校周辺での新たな街宣の禁止を命じた一審京都地裁,二審大阪高裁の判決が確定した。ヘイトスピーチをめぐる民事訴訟では,過去に例をみない高額な賠償判決となった。

 一,二審判決によると,在特会会員らは2009年12月~2010年3月,同学園が運営する京都市の朝鮮学校の周辺で3回にわたり,拡声器で「朝鮮学校を日本からたたき出せ」「朝鮮人を保健所で処分しろ」などと発言。その様子を撮影した動画をインターネット上で公開した。

 一審京都地裁は「在日朝鮮人への差別意識を世間に訴える意図があり,人種差別撤廃条約で禁じられた人種差別に当たる」と判断し,違法性を認めた。二審大阪高裁も,同条約上の人種差別に当たると認定。「表現の自由によって保護される範囲を超えているのは明らかだ」などと指摘し,在特会側の控訴を棄却した。

 追加・出典)『時事ドットコム』「ヘイトスピーチで賠償確定=在特会の上告退ける-最高裁より」(2014/12/10 15:08)。

 在特会の組織活動としての在日朝鮮人(韓国人)に対する差別行動は,目に余るものがある。そのあからさまな,在日たちに対する激越な言動は「殺せ!」とまで街頭デモで平然と叫ぶくらいの非情さであるから,さすがの日本の裁判所(!)であっても,以上の報道の内容である判決を示さざるをえないでいた。

 c) 小宮山洋子「ヘイトスピーチ禁止法案,見送りに」
(『BLOGOS』2015年8月28日 20:00,http://blogos.com/article/130833/  http://blogs.yahoo.co.jp/x1konno/37323722.html)は,関連する日本の事情(内情?)に関して,こう語っている。

 特定の人種や民族への差別をあおるヘイトスピーチを禁止する「人種差別撤廃施策推進法案」の,この国会〔当時開催中のという意味〕での採決が,見送られることになりました。ヘイトスピーチは,在日韓国・朝鮮の人達に向けて,いまも繰り返されています。

 ヘイトスピーチは許されないという考えでは,自民・公明・民主・維新の4党で,一致していたのに,表現の自由とのかねあいをめぐって与野党の溝が埋まらなかった,と報じられています。

 野党案が,人種差別撤廃条約をもとに人種差別全般を禁じ,内閣府に審議会を置いて,調査や勧告の権限をもたせるなどの内容。公明党は,ヘイトスピーチ防止に絞った対案を準備していた。しかし,自民党が終始うしろ向きだったと報じられています。

 「在日韓国・朝鮮人を日本からたたき出せ」などと,在日特権を許さない市民の会(在特会)が,名古屋駅前でスピーチを先日もしていた,ということ。 その人たちは,法案に対して,とんでもない言論弾圧だと主張しています。しかし,とんでもない人種差別をしているのは,誰なのでしょうか。

 日本は,人種差別禁止の法整備が遅れています。主要国は,法整備をおこなっていて,昨〔2014〕年,国連人種差別撤廃委員会から,日本政府は人種差別禁止法を制定し,ヘイトスピーチを規制するよう勧告を受けています。人権を犯す言動が表現の自由とは,とうてい考えられません。世界のなかで尊重される国になるには,法整備が急がれます。

 d) つぎは2012年ころの意見であるが,いまも通用するものである。

   ◆ 人種差別撤廃-見えなくされてきた 人種主義・人種差別 ◆

 日本には人種差別が存在します。その影響は,部落,アイヌ,琉球・沖縄の人びと,朝鮮半島および中国など日本の旧植民地出身者とその子孫,そして日本にきた外国人・移住労働者などに及んでいます。

 1995年に日本は人種差別撤廃条約を批准しました。条約は人種差別を「人種,皮膚の色,世系,あるいは民族的または種族的出身に基づくあらゆる区別,排除,制限または優先」であると定めています。

 日本政府は部落,琉球・沖縄の人びとについて条約は適用されないという立場を貫いてきました。さらには,条約を国内で実施するために必要な差別を禁止する法律の制定や人種差別の被害者を救済する制度の設置など,基本的な条件の整備はまだおこなわれていません。

 そのため,たとえば,被差別コミュニティを誹謗中傷する書きこみがインターネット上に流されても,国籍が理由で入店拒否やマンション賃貸契約を断られても,公人が差別を助長するような発言を繰り返しても,それら行為を罰したり,被害者の尊厳や名誉を回復する制度はありません。

 「見えなくされてきた人種差別」の実態を明らかにして,適切な方策を講じることが求められています。そして,なぜ差別が起きるのか,その背景にある歴史的事実と現状に社会全体が理解を深めることが求められています。

 註記)「見えなくされた日本の人種差別」『IMADR』http://imadr.net/activity/erd/

 要するに,日本政府はこの社会のなかにいくらでも実在する差別問題の「見える化」を嫌がっている。しかし,在特会ほど差別的な活動を日常的に露出させ,しかも物理的に暴力まがいの威圧行動まで強行してきた,ある意味,きわめて単細胞的に突出したこの組織集団の存在は,そのあまりにもひどすぎる行動のためにとうとう,裁判所から強くたしなめられる判決を下されていた。

 しかしながら,安倍晋三自民党政権は「国連人種差別撤廃委員会から,日本政府は,人種差別禁止法を制定し……」といった要求を,けっして受け入れる立場・思想をもっていない。というのも,もともとこの執権党は,党内に在特会に近い,なかにはほとんど同じ体質・思考をもった国会議員たちを抱えているからである。

 

 ※-3 安倍晋三内閣の〈売り〉は極右反動性

 第2次安倍改造内閣(2014年9月3日~2014年12月24日)のときであったが,とくにひどかったのが,このとき内閣の売り物にした女性大臣たちは,実に情けない人たち(議員)であった。

安倍晋三が愛した自民党女性議員たち?

 法務大臣松島みどりは 2014年10月20日辞任(後任は女性議員の上川陽子だった),経済産業大臣小渕優子も 2014年10月20日辞任。そして,国家公安委員会委員長山谷えり子,内閣府特命担当大臣有村治子は,2014年12月24日で任務終了していた。後者の2人でも,その間,4ヶ月ももっていない。

 松島みどりはウチワ問題,小渕優子は政治資金問題のせいで,せっかく大臣になったものの,1ヶ月あまりで辞めざるをえなかった。山谷えり子はとなると,つぎのような解説もあるくらいである(ウィキペディア参照)。いやはや呆れるほかない女性大臣様たちであった。 

 a)「在日特権を許さない市民の会(在特会)」

 山谷えり子は,在特会について「在日韓国人・朝鮮人問題を広く一般に提起し,彼等に付与されている『特別永住資格』の廃止を主張するなど,『在日特権』をなくすことを目的として活動している組織と承知しています」との認識を,『荻上チキ・Session-22』がTBSラジオにおいて送った質問状に対して示していた。

 また,2014年(平成26年)10月30日の衆議院予算委員会において,在特会幹部と携帯電話でやりとりする間柄,との指摘を受けた。

 b)「写真について」

 2014年9月17日,山谷えり子が「在日特権を許さない市民の会(在特会)」の関係者と一緒に写真に納まっていたことが分かった。元在特会関西支部長の61歳の男性が運営するホームページで公開されていた。

安倍晋三君が元気に活躍していたころの画像

 男性やホームページなどによると,写真は2009年2月22日に松江市のホテルで撮られており,山谷えり子のほかに7人が写っており,うち男性ら3人が在特会関係者である。山谷はこの日,松江市内で「竹島の日」の記念行事に出席し,講演していた。共同通信は,在特会を在日韓国・朝鮮人の排斥を訴える団体と報じた。

 2014年9月18日の定例の記者会見で山谷えり子は「在特会の人であることはしらなかった。国家公安委員長なので,面会の要否については慎重に対応していきたい」と話した。

 9月25日,外国特派員協会で開かれた記者会見で英国のタイムズ紙の記者に「何年前からしってて,何回会ったのか(?)と在特会についての気持」に質問という対し,山谷えり子は「その方が在特会の関係者ということは存じ上げておりません。(在特会の主張について)一般論として,いろいろな組織についてコメントすることは適切ではないと考えております」と答えた。

 しかしその後,ヘイトスピーチについて山谷えり子は,一般論として「誠によくない。憂慮に堪えない」と懸念を示した。

 c)「献 金」

 当時『しんぶん赤旗』は,山谷えり子が在特会関係者から献金を受けとっていた事実が発覚したことを明らかにしていた。

 2010年度の「自民党東京都参議院比例区第八十四支部」の政治資金収支報告書に,在特会幹部の活動を伝える会報(2011年1月15日付)で「平成22年12月8日 新しくなった参議院議員会館を早速訪問」との説明付きで在特会幹部と一緒に山谷と写真に写っている女性が,1月18日と6月24日に各3万円,計6万円を献金していることが記載されていた。

 山谷の事務所は,『しんぶん赤旗』の問い合わせに「在特会の関係者とは承知していなかった。献金については,ご本人からの申し出があったときに,三重県の主婦ということを確認したが,それ以外のことは聞いていない」と回答している。

 以上の記述(解説など)のなかに書かれているのは,在特会が盛んにヘイト活動を実行していた時期のことがらであった。つまりそれは,冒頭で触れたごとき「在特会」の差別行動が活発におこなわれ,さらにはこれが問題となって提訴され,裁判所の判決が下される時期と重なっていた。

 安倍晋三内閣の閣僚のうち大部分が「日本会議」に名をつらねている事実もあった。日本会議については,以下のような引用をもて,説明に代えておく。

    ★ なぜ報道されない? 安倍首相も属する
         極右団体『日本会議』が政治を牛耳ってる ★

 最初に借りておく画像資料は,「日本会議」などに参加している大臣たちの一覧である。第2次安倍改造内閣で松島みどりと小渕優子が辞任したあとの時点での一覧である。このなかには,お付きあい程度での参加者もいるとは思うが,まさしく安倍晋三政権の極右反動性を如実に表現している。

この一覧表には「統一教会」の関連は
まだ出ていない

 ★-1「しらぬは国民ばかり?」  閣僚の4分の3が所属し,日本の政治を牛耳る右派団体「日本会議」の存在は,国内のマスメディアではほとんど報道されないために,その存在も一般的にしられてはいません。海外メディアが「極右」認定し,危機感を募らせる「日本会議」についてまとめます(lessthanpandaさん,更新日: 2016年03月31日)。

 ★-2「日本の政治に重大な影響力をもつ国内最大右派団体がある」  フランスの週刊誌 L'Obs(旧 Le Nouvel Observateur)に掲載された “LA FACE CACHÉE DE SHINZO ABE(アベシンゾーの隠された顔)” という記事の内容に注目が集まっている。

 ★-3「英 The Economist 紙 や仏 L'Obs 誌 など」が相次いで,日本の危険な右翼団体「日本会議」が,安倍政権の政策に大きな影響を与えていると報じている。

 出典)ナショナリズム団体「日本会議」の危険性:エコノミスト紙や仏誌が相次いで指摘(THE NEW CLASSIC [ニュークラシック] )。

 ★-4「世界第3の経済大国である日本」は,数か月前から,(総理大臣,安倍晋三も含めて)閣僚の4分の3が,歴史修正主義で権威主義の極右団体,「日本会議」と呼ばれる,目立たないが影響力のある団体に属している。

 出典)LA FACE CACHÉE DE SHINZO ABE:アベシンゾーの隠された顔,PAGES D'ECRITURE

 ★-5「大手メディアは,もともと々ローカルだったこの団体を見下していた」。 2012年12月の安倍内閣の指名と,さらに昨〔2014〕年秋の内閣改造後,日本会議所属の閣僚の数がさらに増えて,その強大さに面食らうまでは。それまでは田舎の,片隅のものと見なされていたこの極右団体が,日本の政治の中心にいたのだ。

 出典)LA FACE CACHÉE DE SHINZO ABE:アベシンゾーの隠された顔|PAGES D'ECRITURE 

 要は,在特会的な体質はもちろんのこと,その体臭も安倍晋三政権内においては充満し,外部に向けて発散している事実が理解できる。

 さて,以上とりあげてきた話題のうち,「在特会の言動,賠償増額 高松高裁,『人種差別』も認定」(『朝日新聞』2016年4月26日朝刊)は,これと同じ内容に関する報道が『日本経済新聞』になると,つぎのように半分ほどの字数でとりあげられていた(文章〔活字〕の引用も後段にある)。

 ここでは『朝日新聞』と『日本経済新聞』のとりあつかい方の違いを,視覚的にも分かりやすく対照化させておくためにも,つぎにそれぞれの記事現物を並べておいた。記述量からしてだいぶ違いがあった。

『朝日新聞』の報道
『日本経済新聞』の報道

      ◆ 在特会の暴言 二審は賠償増額 高松高裁判決 ◆
       =『日本経済新聞』2016年4月26日朝刊=

 在日特権を許さない市民の会(在特会)のメンバーらに事務所へ乱入され,暴言を吐かれたとして,徳島県教職員組合と元書記長の女性(64歳)が在特会と会員ら10人に約2千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で,高松高裁は25日,「人種差別的な行為だった」と認定して計約230万円の支払いを命じた一審判決を変更,賠償額を計約436万円とした。

 生島弘康裁判長は判決理由で,会員らによる一連の行為について,「会が差別の対象とする在日朝鮮人の支援者を萎縮させる目的と効果を持つ」と判断し,「人種差別的思想に基づく行為にほかならない」と結論付けた。

在特会裁判・高裁

 

 ※-4「今,日本で一番恥ずかしい人間は安倍晋三に従う無能な自民党員だ」『Sakiの「くだらなくも忙しい人生」-女性経営者である Saki が,ヒマな時間を見つけてぶつくさつぶやきます。-』 2015年7月15日14:41:14,http://ameblo.jp/sakisakirararan/entry-12050775015.html

 以下に,今日から9年前ほど前に,この女性が語っていた文句を引用しておく。

 --明らかに違憲であるのに,戦争に参加を許す安保法案を自民党は『強行採決』しやがった」。強行採決は安倍晋三1人ではできない。多くの無能な自民党員が可決させたのだ。これが本当に法案として成立すれば,日本はアメリカに追従してどこにでも兵を送ることができる。自衛隊は本当の軍隊となるのだ。

 補注)2024年1月現在に至っては,この「自衛隊は本当の軍隊となる」という指摘は,すでに現実のものになっている。

 戦争行為は,いったん始まったら,引き返すのは簡単にはできない。ふつうは,どんどん深みにはまり,どん底になってはじめて終わる。というか,戦う者がいない状態になってからしか終わらない。始まってしまえば,負けたくないと思うのがふつうなので,半端では終われないのだ。

 その道を開こうとしているのが,この法案だ。無能な自民党議員達は国民を守ろうとはしない。自分達の党内部での立場を守るだけだ。あいつらには,この国の未来など,どうでもいいのである。

 原発も再稼働だ。これほど地震やら火山活動が多発しているというのに。国立競技場も2500億円くらいかけるそうだ。そんな金があるのなら,福島の復興に回せばいいのに。経済的弱者をもっと救う努力をすればいいのに。

 官僚の天下り先はほぼすべて復活させた。われわれがいくら血税を払おうが,ザルのごとに落ちていく。もうよくわかっているではないか。政治家と官僚は,もう完全に機能不全に陥り,国民に迷惑しかかけていないのだ。

 ああ,腹立つ。アメリカにも,知能指数の低い安倍晋三にも,普通に「NO ! 」といえる普通レベルの政治家はどこにいる? だから,男優位社会はダメなんだ。

 かといって,私は現在の女性政治家でまともなのがいるのは思えない。いるのは「芸者」のような飾り的な女達ばかりだ。本来の女性のたくましさをもった政治家は見当たらない。そういう意味では元滋賀県知事は惜しかった。

 とにかく,立ち上がれ,国民よ!! と心からいいたい。(引用終わり)

 この女性が語った「腹の立つ安倍晋三政治の現状」は,いま〔2024年1月8日!〕も,なおなにひとつ変わる気配がない。

 2016年4月14日から熊本地震が群発しだしてから4月23日,安倍晋三は首相として熊本・大分両県に視察に出向いたが,救援活動に出動している自衛隊に対してだけは優先的に,「最高指揮官」である自分の威厳を示すことを忘れていなかった。

 当初,自衛隊員は2千名しか出動させなかった安倍であったが,4月16日にもってようやく,自衛隊をその2千人から2万人に増やすことを決定したと,〈遅まきながら〉も,胸を張っていた。しかし,明らかに初動ミスがあった。

 補注)2024年1月1日に発生した能登半島地震でも,自衛隊の出動が遅く,モタモタしている感がぬぐえなかった。能登半島という地理的な位置・特性があったにせよ,今回のこの地震でも「自衛隊を〔当初の〕その2千人から2万人に増やすことを決定した」といった対応に似た逐次投入の方法が採られていた。

 また自衛隊3軍の機動力を,今回における地震災害の発生状況に合せて適宜に有効に投入して活かすための,国家単位での「指揮発動」がなされていなかった。岸田文雄は首相として自衛隊の最高指揮官であるが,緊急事態発生時に適切な指揮がとれない人物であった。
 
 

 ※-5 安倍晋三(いまでは故人だが)とこの自民党のろくでもない議員たち

 1)「結婚詐欺まがいの悪事も 不倫宮崎議員 “ゲス極まる” 女グセ」『日刊ゲンダイ』 2016年2月13日,http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/175288 

 妻の出産直前の不倫を認めた自民党宮崎謙介衆院議員(35歳)が辞職願を提出した。〔2016年〕2月12日の会見では,週刊文春が報じたFカップのグラビアタレント(34歳)とは,また別の女性との不倫関係をみずから告白。「育休宣言」で注目を集めた宮崎議員だが,本当の姿はやはり “ゲスの極み” だった。(中略) 「ほかにどれだけ女がいるんだ」

もてるんだネ


 2)「療養中にちゃっかり 甘利氏 “言い訳文” を支援者に大量送付」『日刊ゲンダイ』2016年4月19日

  “口利きワイロ” 疑惑で大臣を辞職した甘利 明・前経済再生担当相(66歳)。〔2016年〕1月28日の辞任会見後,「自宅療養中」との理由で国会を欠席しているが,ちゃっかり選挙活動に精を出していた。支援者に “言い訳文書” を大量送付していたことが分かった。

 日刊ゲンダイ本紙は,甘利前大臣が執筆し,支援者に送ったとみられる手紙を2通入手した。(後略)

 3)「『東京を不便に』 自民議員が保育園問題でまた不適切発言」『日刊ゲンダイ』2016年3月18日)

 自民党の務台俊介衆院議員(59歳)が3月17日,国会内でおこなわれた会合で不適切発言。「『保育園落ちた』との話があるが,東京を便利にすると,ますます東京に来て子育てしようとなる。ある務台俊介画像程度,東京にいくとコストがかかり不便だ,としないかぎりダメだ」といい放った。
 
 務台議員は会合を途中退席し,「保育園落ちた」のブログについて「本当に保育所に入りたくてやっているのか,安倍晋三首相が嫌いでいっているのか,よく分からない。実態を調べないといけない」と記者団に述べた。

 務台議員は,2012年衆院選で長野2区から出馬し初当選。現在2期目だ。育休不倫で議員辞職した宮崎謙介に未公開株トラブルで離党した武藤貴也議員,同僚の門 博文議員(妻子もち)と不倫路チューの中川郁子議員など,自民党の2回生議員はとんだ “タレント” 揃いだ。

 補注) 中川郁子(なかがわ・ゆうこ,旧姓:岩田,1958年12月22日生まれ)は,日本の政治家。自由民主党所属の衆議院議員(2期),農林水産大臣政務官。

 新潟県出身,1981年に聖心女子大学外国語外国文学科卒業後,三菱商事に入社。OLとして1年間勤務後,1982年に日本興業銀行行員だった中川昭一との結婚を機に退職。

中川郁子・補注

 その後,義父中川一郎の急死を受けて昭一が政界入りしたことを受け,夫の選挙区である北海道帯広市に移り,夫を支える。2007年には特定非営利活動法人「ラ・テール」代表に就任し,環境問題に関する啓蒙活動を展開。

 2009年の第45回衆議院議員総選挙で夫の昭一が落選し,その1か月後に急死すると,長らく北海道11区の自由民主党支部長の枠は空白となっていた。2011年に夫の後継として自ら志願し,支部長に公募のかたちで選出。

 

 ※-6 高野 孟(ジャーナリスト)「自民党議員も頭を抱える 首相の時代錯誤,無知無教養,幼児性…」『日刊ゲンダイ』2015年3月5日,http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/157745

 旧知の自民党ベテラン県議から連絡があって,東京に来ているのでちょっと会おうとお誘いがあった。なにかと思えば,「安倍晋三首相が国会で『日教組はどうした』などとやじを飛ばしているのをみて,こりゃあもうダメだ,こんなヤツをいつまでも総理に置いていたら日本はおしまいだと思いつめて上京し,何人かの大物幹部と会って意見交換した」のだという。

アベの本質・本性・本体
この人が日本の首相に就いていたのだから
よくなるわけがなかった


 補注)安倍晋三のこのヤジは,2015年2月19日衆院予算委員会で飛ばした「ヤジ」のことである。民主党議員が西川前農相の脱法献金を追及中,突然「日教組はどうするの」とヤジった。事後,安倍は「正確性に欠く発言だった」と事実誤認を認め,訂正に追いこまれていた。そういう経過であった。

 ところが安倍晋三は,翌20日も「日教組は補助金をもらっていて,教育会館から献金をもらっている議員が民主党にいる」と答弁した。だが,日教組は国から補助金を受けとっていなければ,教育会館から献金をもらっていた民主党議員もゼロ。安倍首相は,国会でデマをまき散らしたようなものである。

 註記)この補注の内容に関しては「前掲の画像」があった。

 「だって,あれは品格とかいう以前の問題で,総理が予算委員会の閣僚席からヘイトスピーチを吐いているようなものでしょう。『日教組』という御札を突きつければ野党議員は黙るだろうと考える,その時代錯誤。しかも,日教組が国から補助金をもらっていると思いこんでいた無知,無教養。カッとなると自分を抑えられない幼児性。いまどき,うちの県議会にだって,こんな馬鹿な政治家はいないよ」と,まあボロクソなのだ。

 補注)ちなみに安倍晋三が首相を辞めた期日は,2020年9月16日であった。上記のようにケナされてからなお5年以上,この日本の最高指導者であったとなれば,この国がダメになるのは当然も当然であり,かつ必然的な経路でもあったことになる。

 彼はもともと宏池会系のハト派だということもあるが,春の統一地方選を控えて余計に危機感を募らせたのだろう。彼の怒りの言葉を浴びながら,一昨〔2013〕年6月の本欄で,安倍に「自己愛性人格障害」の疑いがあると書いたことを思い出した。

 「ささいなことでも自分のやり方に注文をつけられると,相手かまわず激しく反撃に出る」

 「気まぐれで,気分がよいとペラペラと長広舌をふるうが,機嫌が悪いとささいなことで怒鳴り声をあげ,耳を疑うような言葉でののしったり,見当外れな説教をしたりする」

 「明らかに過ちを犯しても,謝罪は口だけで,心の中では自分が正しいと思っている」等々。

 さて,それで自民党の大物幹部たちと会ってどうだったのか。

 「みなさん,あのやじで『なんとか我慢して安倍政権を支えていこうという気持がすっかりなえた』といっている。二階俊博総務会長や福田康夫元首相など親中派は本気で動き出すでしょう。

 河野洋平元議長も最近の講演で『いまは保守政治でなく右翼政治だ』とハッキリいったようだし,古賀 誠元幹事長もなにやら生々しい動きを始めていて,引退した大物OBも含めて『保守政治をとり戻そう』という流れが出てきた。ひょっとすると『9月政変』はありですよ」と彼はいった。(後略)(引用終わり)
 
 しかし,実際にはその『9月政変』(2015年のそれ)は起こらなかった。この高野 孟の発言から早,1年以上が経過していた。その政変に相当する事態は起こらなかった。それだけに,安倍晋三政治に固有である「傲慢と幼稚」「暗愚と無知」の度合だけは,より調子よく発揮されつづけ,よりいっそうどんどん悪化しつつあった。

この男は森羅万象においてこういう嘘をつきまくったあと
ある日死んだ
その男が歴代総理大臣のなかで最長の政権を誇る人物になっていたが
道理でこの国がコケた

 この※-6のなかにも出てきた「総理が予算委員会の閣僚席からヘイトスピーチを吐いているようなもので」あるといった批判を受けて,次項の記述に進みたい。

 

 ※-7 在特会的な差別と偏見の屁理屈と,在日韓国人の真実・事実としてのキャロル「論」

 1)キャロルの矢沢永吉

 本ブログは,元在日韓国人であったロック歌手矢沢永吉をとりあげいくらか議論したことがある。その関係で,いまではたいそうな古書価格がついている,龍村 仁『キャロル闘争宣言-ロックンロール・テレビジョン論-』田畑書店,1975年12月発行を,あらためて手にとってみることになった。

 この本,Amazon の古書価格はどうなっているのかと思いのぞいてみたら,本日(2024年1月8日)の値段であるが,

  ¥28,216 ¥31,180 ¥45,100 ¥36,980

などと出ていた。

 この記述が最初,2016年4月26日に公表したときにも調べてあったが,この龍村『キャロル闘争宣言-ロックンロール・テレビジョン論-』の古書としての値段は1万円台で売りに出ていたものもあった。その後,さらに高い価格付けになったようである。

 この記述は,このキャロル(⇒ CAROL;1972年にデビューし,2年半活動して1975年解散)という日本のロックバンドを構成していた4名のうち2名が,在特会の意図するところの迷定義でいえば「在日特権」の享受者である在日韓国人であった。

 龍村 仁『-ロックンロール・テレビジョン論-』1975年は,キャロルの4名を,以下のように列記していた(144頁)。

 矢沢永吉(1949年9月14日生まれ,満74歳)はすでに日本国籍を取得しているが,韓国名は趙 永吉(チョ・ヨンギル)である。

 ユー・岡崎は「岡崎 友」で日本人,内海利勝も日本人。

 ジョニー・大倉(大倉洋一)は在日であり,韓国氏名は朴 雲煥(パク・ウナン)である。大倉は2014年11月19日に死去。

下記の説明を参照-年齢はこの写真の時
 
   矢沢永吉(28歳):ベース・ボーカル-写真前列向かって右

   内海利勝(19歳): リードギター
  ユー・岡崎(21歳):ドラムス

  ジョニー・大倉(22歳) リズムギター・ボーカル-前列向かって左
    キャロル画像
  

 このキャロルは,約2年半という短期間の活動であったけれども,日本のロック音楽界に強い衝迫を残し,以降にも大きな影響を与える〈伝説のバンド〉にまで成長してきた。

 だが,在特会風にこのキャロルを攻撃するとしたら,「在日特権」にまみれてこそ,このおかげで大いに売れた “日本のロックンロール・バンド” なのだという顛末,マイナス評価(?)になりそうである。

 つぎは,龍村 仁『-ロックンロール・テレビジョン論-』に語らせる。

 キャロルは,2人の強烈な個性をもった,現職の液体絵具であった。この日本に生まれ,朝鮮語をしゃべれず,ロックンロールとテレビジョンに依って育てられた1人の在日朝鮮人青年,あるいは日本人青年の,両極に引き裂かれた魂と肉体の激しい葛藤があの “キャロル” の圧倒的な迫力を創っていた。

  “キャロル” とは,朝鮮人の魂をもち,アメリカ人の姿,かたちをした日本人のことなのだ。そして,32歳でキャロルに再会した一瞬,私は,自分自身もまた, “キャロル” であったことを思いしったのだ(285-286頁)。

龍村 仁『-ロックンロール・テレビジョン論-』


 はたして,キャロルに在日特権はある〔あった〕のか,ない〔なかった〕のか? もっとも,この種の設問は,もとから愚問でしかありえない。

 最後に,ついでに述べておく。矢沢永吉(趙 永吉)は広島県出身である。戦後生まれの矢沢の両親一族のなかで,広島市などに1945年8月6日住んでいた人たちも,多分被曝していたはずである。
 
 2)広島・原爆・天皇・靖国

 1945年8月6日に広島市にB29爆撃機「エノラ・ゲイ」が投下した原爆のために,この街で「およそ14万人が」「死んだが,このうちの3万人から4万人が朝鮮人」であった。すなわち「広島で被爆死した3人に1人か,4人に1人が朝鮮人だった」註記)。

 在特会の諸君にいわせると「この原爆死も」「在日特権」になるのか? 「バカをいえ」ということにならざるをえないが……。

 ところで昭和天皇は,戦責問題に関して,1975年にこう発言していた。「在日特権」とはいささかこみいった話題になる。

 その1:戦争責任について ⇒「そういう言葉のアヤについては,私はそういう文学方面はあまり研究もしていないのでよく分かりませんから,そういう問題についてはお答えできかねます」

 その2:原爆被害について ⇒「この原子爆弾が投下されたことに対しては遺憾に思っていますが,こういう戦争中であることですから,どうも,広島市民に対しては気の毒であるが,やむおえないことと私は思っています」

 ところでまた,東京九段の靖国神社には,大東亜戦争に巻き添えにして殺した「およそ2万1千柱にのぼる韓国兵将兵の英霊が祀られている」。これも在特会にいわせると「在日特権」になるのか?

 靖国神社は英霊から外せと要求する韓国人「遺族」もいる。だが,靖国神社側はこれにはいっさいとりあわず,完全に無視している。

 つぎに紹介する画像資料は,韓国の芸術家が靖国神社を風刺して描いた作品3点である。韓国の通信社「聯合ニュース」から引用する。

裕仁と無数のしゃれこうべ

 靖国神社における本当の祭主はもとから天皇以外にはいない。たしかにA級戦犯合祀以来,1975年11月21日を最後に天皇2人の正式参拝はなされていない。だが,秋季・秋季の例大祭にさいして勅使は,忘れずに必らず送っている。 

 天皇裕仁とキャロルとのあいだに,まったくなにも歴史的な関係性がないとはいえない。ごくわずか,細くであっても,なにかが確かにあったと観察して,なにもおかしいことはない。

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