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築55年以上の我が団地紹介 ①全体像

*トップ画像はURホームページからお借りしたものです。

私がここに引っ越ししてきたのは2020年末。かれこれ3年が経過します。
築55年以上の団地だったので、ちょっと覗いてみたいなぁという興味だけで引っ越す予定はほぼなかったのに、団地に足を踏み入れた時から心が躍った。

丘陵地にあるこの物件は高低差がすごく、最寄り駅よりも高いところに立っている。全74棟。高層棟が1棟だけで、あとはすべて5階建て。横に何戸かが連なっているタイプと、1階に2戸しかないタイプと、大きくわけて3タイプからなっている。

私が物件を内覧したのは、秋の紅葉のベストシーズン。団地内には大きな木々が紅葉し、落葉し始めており、風が吹いて落ち葉が舞い上がり、風で木々が揺れて風の音がしていた。団地の中は時がとまっているかのようで、だからといって陰鬱とした感じはなく、静寂という感じだった。

団地の中には血管のように張り巡らされた小道があり、それをいくつもいくつも登って目的の物件にたどり着いた。

古い団地の狭い階段を上った最上階。ドアを開けた瞬間、まばゆいばかりの光。そして中に進むと外の景色がばーんと目の前に現れた。解放感が最高だった。手を伸ばすとすぐに自然に手が届きそうな解放感。目の前には何も建っていないから遠くまでよーく見える。三方に窓があり、鳥の声がよく聞こえた。近くにある山もよく見える。高台に建っているので、今登ってきた団地を見渡すことができた。とにかく初めての解放感だった。「ここだ!」と思い、即決だった。

そんな団地が建て替えられるようだ。あー、また画一的な建物に建て替えられてしまうのか。初めて建て替えの可能性を知らされた時は憤ってしまった。せっかく見つけたのに。こんな愛らしい、唯一無二の建物が壊されてしまうなんて。。。丘の上にすくっと立っている潔さ。私が生まれる前からここでいろんな歴史をみていた先輩だ。心が苦しい。

古くていろいろと不便なことは確かにある。でもそこは知恵を絞って工夫する楽しみがある。多分、それぞれの住民がそれぞれの工夫をしながら住んでいるだろう。古い建物なので、寒さは格別で窓に隙間が空いているところがあって、初めての冬は結露が凍ることもあった。初めての経験でびっくりはしたけれど、隙間をなくすアイテムを100均で購入したり、アルミシートを貼ってみたりと工夫してある程度快適に過ごせている。

URのHPを見ると、もうここの団地の部屋を借りることはできなさそうだ。ちょっと前までは期限付きで借りることのできる物件が数件掲載されていたけれど、それすらなくなってしまった。建て替えに向かってカウントダウンにはいっているようだ。

壊される前に四季折々の素晴らしい風景を建物と共に写真や動画に残しておきたいなと思っている。

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