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今、銭湯がアツい。斜陽産業のリブランディング事例を見る。

こんにちは!
ブランディングテクノロジーの公式noteに寄稿をさせていただいております、山崎です!

企業の経営課題の解決に必要なコンテンツ制作業務を行い始めてから、様々なお悩みを経営者から伺います。「採用」「販促」といった共通の切り口でお話を伺っても、企業・事業の置かれた環境、フェーズによって解決策・方向性は変わってきます。

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画像:株式会社ソリューション HPより

今回は、安定・成熟期〜衰退期にあった「銭湯業界」の変化について触れてみたいと思います。斜陽産業とも言われていた銭湯業界に起きている変化を見てみると、安定・成熟期に差し掛かった企業・組織のリブランディングにも一部通ずるものが…!

銭湯=斜陽産業? イメージを覆す仕掛けと工夫

今回、「銭湯」に着目するきっかけとなったのは、ここ数年、20〜40代の人たちが銭湯業界に参入して話題を作っているのを目にしていたことがきっかけでした。

話題にのぼる銭湯を目にする回数が増えたように感じていた一方で、これらの記事によれば銭湯の業界は斜陽産業と言えるような状態にあるといいます。

東京都内の銭湯の数を見てみると、2005年には1025あったが、2018年には544と約半分の数になっている。経済産業省によれば2015年度末の時点でいわゆる銭湯のイメージとなる「一般公衆浴場」は全国に3740施設。実は私営の入浴施設、約2万1400施設のうち、銭湯は5分の1以下。残りはスポーツ施設、ヘルスセンター、レジャー施設、エステティックサロンなどに設置された入浴施設などだ。
つまり「しっかりとした銭湯」であるだけでは、営業を続けていくのは難しく、基本的には斜陽産業といえる。

また、全国的に見ると週に1軒が廃業しているようなペースで銭湯が減っているといいます。

1965年には全国に約2万2000軒あった銭湯も、2016年には3900軒までに減少。だが「週に1軒廃業」と言われるそんな時代にあって…(略)
出典:じゃらんニュース

ほとんどの家庭にお風呂が常備され、家での入浴が一般化した今、銭湯に出向く理由は減っていく流れに。

企業の成長サイクルで例えるならば、まさに安定・成熟期に差し掛かっているところと言えるでしょう。

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業界としてはそのような状況にある一方で、ここ数年で様々な取り組みを目にするようになりました。

今、銭湯がアツい。既存の概念を壊す取り組み事例

興味深い銭湯の話題をいくつかご紹介します。まず、先ほどの記事に登場していた『殿上湯』の取り組み。

「銭湯でピアノコンサート」

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「銭湯で和太鼓演奏」

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画像:殿上湯HP

続いて、Ozone合同会社が開催した“風呂とフロアを沸かす銭湯フェス”。DJの流す音楽を聴きながら踊り、終わればお風呂にお湯を入れ、汗を流すイベント。

「ダンス風呂屋」

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画像:ダンス風呂屋 | PRTIMES

続いて、1951年に開業した銭湯をアート・エンタテインメントの場にするプロジェクト『HiTAKiBA(ヒタキバ)』。

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画像:月刊「事業構想」HP

最後に、開店前の銭湯で開かれるヨガ教室。

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画像:じゃらんニュース

こうした取り組みの影響もあってか、伝統文化・地域コミュニティとしての銭湯の価値に気づいた若者が増えています。

とくに東京においては、世代交代で誕生した若い店主たち、また銭湯好きな若者が集まった「東京銭湯」のようなグループが、業界を盛り上げるべく様々なアクションを起こすように。現在も静かに続く「銭湯ブーム」へと発展してきた。
出典:じゃらんニュース

都内に住む20~30代の女性も銭湯に足を運ぶようになっています。

1都3県在住の20~30代女性に「銭湯に行くことがあるか」聞いたところ、「行ったことがない」と回答したのは、わずか3%となり、大多数が「行ったことがある」と回答しました。さらに「月1回以上」と回答した人は4人に1人存在し、定期的に銭湯を利用している女性もいることがわかりました。
出典:MUSEE MARKETING

リブラディングの一歩目は、コアバリューの再確認

こうしてみると取り組みやアイディアは多様である一方で、共通する点も見えてきませんか?銭湯が備える「入浴できる」という従来の機能的価値よりも、「人が集まる場」としての機能的価値や「懐かしさ」などといった情緒的価値に着目している点です。

入浴機能と並んで銭湯のコアバリューの1つであった「人が集まる場」としての価値を再確認し、その場にアートや文化、音楽を組み合わせて新しいアウトプットを形成。それを、世の中に提案していっている取り組みの数々はどれもうっすら懐かしさを宿しつつも斬新で、多くの人を惹きつけています。

たとえ斜陽産業、衰退業界と言われるなかでも新しい価値を創造・提案し、これまでとは違うブランドを形成していくことで、リブランディング→新規顧客の獲得を実現できる可能性を感じますね。

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とはいえ、意外と自社のビジネスというのは見えづらく、改めて見つめ直し、このようなコアバリューを導き出すことが難しいという方もいらっしゃると思います。

その際には、ビジネス構造を整理するためのフレームワーク『ビジネスモデルキャンバス』を活用してみてはいかがでしょうか。

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画像:VISION & CASHFLOW

これらを埋めていくことで、目の前のビジネスの構造をシンプルに整理することができます。

銭湯の事例では、主には下記のマーケティング部分に変化を起こし、銭湯業界に新しい風を吹き込んでいます。

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従来の銭湯と今回取り上げた銭湯をビジネスモデルキャンバス上で簡単に比較してみます。

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こうしてみると、新たな顧客に、新たなチャネルを通してプロモーションを行い、新たな価値を提案・共有し、新たな顧客との関係を築いていることがわかります。

斜陽産業と言われる業界を変えようと取り組んでいる、あるいは取り組もうとされている方がいましたら、ぜひこうした事例を参考に産業改革の切り口を探ってみてはいかがでしょうか。


執筆者プロフィール

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山崎 貴大
1993年3月生まれ。文教大学 湘南校舎 国際観光学科卒。
旅行会社にて成田空港での訪日旅行業務に従事した後、経営者プラットフォームを運営するベンチャー企業へ転職。現在は、各社の経営課題の解決を目的としたコンテンツ企画・制作事業の立ち上げを経験し、同事業の責任者 兼 同社の編集長を務めている。
複業では、ブランディングテクノロジーの公式noteへの寄稿の他、経営者・起業家取材、採用広報コンテンツ制作等を行っている。

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ブランディングテクノロジーnote

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