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#がんばれ京急 2万5000ツイートが証明した京急電鉄の愛されブランド

こんにちは!
ブランディングテクノロジーの公式noteに寄稿をさせていただいております、山崎です!

企業の経営課題の解決に必要なコンテンツ制作業務を行い始めてから、日頃からニュースやツイッターを見ながら情報収集することが日課になりました。

今回は、最近気になったニュースを起点に、誠に勝手ながらある企業のブランディングについて考えてみたいと思います。

本記事で取り上げさせていただくのは、横浜・品川・羽田空港といったエリアを拠点に交通・レジャー・不動産事業などを展開する京浜急行電鉄株式会社(以下:京急電鉄さん)。京急電鉄さんは、関東では初、全国でも三番目となる電気鉄道の開業を成し遂げた企業と言われ、昨年創業120周年を迎えています。

その京急電鉄さんが、先日広く話題になったことをご存知でしょうか?

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(画像:Twitterより)

J-CASTニュースによれば、#がんばれ京急 のハッシュタグをつけたツイート2万5000件以上がTwitter、ネット上を駆け巡りました。5日23時台時点でハッシュタグはトレンドワードトップ3に入り、日本だけでなく、世界のトレンドでもトップ20入りを果たしているとのこと…。

この背景と京急電鉄さんを調べてみると、多くの人に愛される他にない鉄道会社の姿が浮かび上がってきました。

※当事故により怪我をされたみなさまにおきましては、一日も早いご全快を心からお祈り申し上げます。また、当事故によりお亡くなりになられた方とそのご遺族におきましては、心よりお悔やみ申し上げます。

京急電鉄とは?

まず、京急電鉄さんとはどのような企業なのか。

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創業は、1898(明治31)年2月25日。関東では初、全国でも三番目となる電気鉄道の開業を成し遂げ、現在は都市生活のインフラを支える企業へと成長しました。

2018年には創業120周年を迎え、品川駅周辺開発と羽田における基盤強化や都市近郊リゾート三浦の創生に取り組んでいます。

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120年もの間、多くの人の人生のそばに京急があり、2〜3世代を超えて暮らしを支えてきたその存在は大きなものでしょう。ここ数年では訪日旅行客数の増加に伴い、羽田空港に降り立つ多くの外国人旅行者も利用する姿を見かけます。

(参考:京急電鉄オフィシャルサイト

2万5000件を超えるツイートを呼んだ脱線事故

その京急電鉄さんが話題になったきっかけは、9月5日午前に神奈川・横浜市で京急電鉄の電車にトラックが衝突した車両脱線事故でした。

事故後、復旧作業に取り組む東急電鉄の社員と作業員の姿を見て沸き起こったのが「#がんばれ京急」とハッシュタグがついたツイート。その数は2万5000件以上にのぼり、応援の言葉とともにニュースでは報道されない作業員の姿や復旧作業の模様などがツイートされていました。

これを見て、驚きました。事故や災害によって電車が送れるようなことがあるとネガティブな声が飛び交うのが見慣れた光景だったからです。

京急電鉄さんと他の鉄道会社とでは、何が違うのでしょうか。

安心のサービス力×遊び心ある企画=京急ブランド

その違いは、120年かけて築いてきた強いブランドによって顧客との絆を作り上げてきていたこと。

京急電鉄さんが愛されていることがわかる側面をいくつかご紹介します。

☑︎歌う電車
→一部の列車では、加速するときに発するノイズ音が耳障りにならないように「ファソラシドレミファソー」という音階に聞こえるように調整している。

☑︎遅れを最小限にとどめる運行管理
→列車の遅延を最小限に抑制した国内最高水準の安定輸送を着実に提供しているとして、2015年度に国土交通省の「日本鉄道賞特別賞」を受賞。

☑︎ユニークな試み
→三崎口駅の看板を「三崎マグロ駅」、京急蒲田駅の看板を「京急かぁまたたたたーっ駅」に。

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ユニークな企画の裏側は、こちらの記事で拝見することができます。

☑︎原田一之社長
→「ずっと工業地帯や下町ばかり走っているのです。生活感があって沿線の人たちと一体となった電車ということが、親しみを持っていただいている理由なのかな…略」
長年、羽田空港⇆都心⇄神奈川の魅力地域をつなぐインフラとして機能してきた。

(参考・画像:『京急ファンたちが語り尽くす「京急愛」の正体 〜必見!原田社長も自ら「愛される」理由を分析〜』

長年にわたって提供していた安全・安心なサービス力を土台とし、遊び心のあるユニークな取り組みが利用客を魅了し、ファンを生み出していることがわかります。

透けて見えた企業姿勢を後世に残す。

誰もが予想だにしなかった今回の事故が与えた衝撃や波紋はとても大きく、多くの方々の中に様々な感情が渦巻いた事態だったのではないかと思います。

多くの方々の応援を背に受けた京急電鉄さんは迅速に事故の処理を行い、速やかな復旧を実現しました。その姿を見て、私にはそこに“一本筋の通った何か”が見えたような気がしました。

復旧に取り掛かっている方、事故状況をアナウンスする方、事故後の対応をなさる方…みなさんの行動や言動の中に(誰かに指示されたものではない)自身の考えと決断が見え、それらに一貫性があったように感じたのです。

それが何だったのか。少しの間、考えました。
その答えは、京急電鉄さんのHPに…

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安心・安全、誇りと責任…
私がみなさんの姿の中に見たのは、まさにこの「行動指針」でした。

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もしも、私が京急電鉄さんの社員だったら…この事故の裏側で懸命に復旧にあたった現場のキーマンたちへの取材を提案します。

というのも、経営理念や行動指針など、経営の根幹にある抽象的概念は普段見えづらく、社内にも、社外にも伝わりづらいものですよね。今回は、その概念から生まれる姿勢や具体的行動が表面に表れたことで、そこから行動指針が透けて見えてきました。

今回表れた企業としての在り方をキーマンへの取材を通して記事や冊子に残し、今後入社する新入社員や事故があった付近の駅に今後配属される社員に対する教育資料として活用するのです。言葉だけでは伝わりにくい理念や指針も、具体的事象と合わせることで伝わりやすくなるはず。

最後に

今回は、私も親しみを込めて終始「京急電鉄さん」と呼ばせていただきましたが、単なる企業と利用客の関係を超えたファンとの絆に驚きました。それと同時に、ファンに応援される企業体質=ブランドをつくることの重要性も感じましたね。

日頃の積み重ねは地道かもしれませんが、今回のようなピンチの時にはそれらが大きく支えになってくれるのかもしれません。

冒頭と重ねて申し上げますが、当事故により怪我をされたみなさまにおきましては、一日も早いご全快を心からお祈り申し上げます。また、当事故によりお亡くなりになられた方とそのご遺族におきましては、心よりお悔やみ申し上げます。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。


執筆者プロフィール

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山崎 貴大
1993年3月生まれ。文教大学 湘南校舎 国際観光学科卒。
旅行会社にて成田空港での訪日旅行業務に従事した後、経営者プラットフォームを運営するベンチャー企業へ転職。現在は、各社の経営課題の解決を目的としたコンテンツ企画・制作事業の立ち上げを経験し、同事業の責任者 兼 同社の編集長を務めている。
複業では、ブランディングテクノロジーの公式noteへの寄稿の他、経営者・起業家取材、採用広報コンテンツ制作等を行っている。