組織に対し”当事者意識”をもつ人を増やすためには?組織変革の実践レポート

はじめまして!

ブランディングテクノロジーにて人事制度構築を中心としたHR領域のコンサルティングをしている東本(@m_higashimoto)です。

今回は、私が組織運営をフォローさせて頂いているクライアントの実例を基に、皆様に『組織でありがちな課題』と『アプローチ事例』を公開させて頂きます。

この時期、新しいスタッフを迎えた組織にも、新たに組織に入った方にも、参考になる内容になっていると思いますので、是非ご覧ください。

はじめに

まずは、今回の事例となるクライアントの基礎情報を下記に記載します。

1:50名未満の規模
2:技術職
3:社長が現場マネジメントまで実施
4:中間管理職(部長・課長)不在 ※現在は課長がいます

その中でも、経営層が特に熱を入れて相談して下さったのが下記。

1:現場メンバーの、我々経営層に対する不満を強く感じる
2:現場から不満は出るが、提案が出ない
3: 組織を任せたいが、人が育たない

細かく書くともっとありますが、こんな所です。

そして、現場メンバーの方々にもインタビューを実施。

現場からも同様の意見が上がりました。
簡単に言うと、『経営層は勝手に決めて、指示ばかりで目的が見えない』といった感じ。

読んでいる方は、こう思ったかもしれません。

「もっと経営層が現場を信頼して任せないと」
「もっと目的を伝えて現場の一体感を創らないと」
「現場が意見を出しやすい雰囲気を創らないと」

など。

根底の原因=組織に当事者意識が根付いていないこと

ここまでの文章を見た時に、経営層の課題・現場の課題など様々な見方が出来たと思います。

まずそこが落とし穴でして、これは全員に関係する“組織の課題”です。

私も最初、経営層にこうしましょう、ああしましょうと提案し制度構築などを進めておりましたが、現場メンバーに対する直接的なアプローチ無くして変化など無いとやり方を変えました。

『組織に対する当事者意識』をテーマに現場メンバーを巻き込み、組織全体に対してアプローチする事にしました。

組織における当事者意識の定義は下記の通りに定めます。

“組織での事象に自分だったら…と考え、Iメッセージを発信し行動出来る”


逆にこの当事者意識が無かった場合、組織には建前のコミュニケーションが生まれ、建前のコミュニケーションは裏で行われる会社への愚痴や不満、納得感の低下に繋がるとも言えます。

責任ではなく、当事者意識なので本来誰しもが持てるものです。


組織に当事者意識を根付かせるアプローチ

ここから具体的なアプローチ方法を順々に解説します。

3つのSTEPでアプローチしていきました。

1:組織内での視点と仕事をする上での視点
2:経営層抜きの主要メンバー会議の実施
3:繰り返す組織課題

1:組織内での視点と仕事をする上での視点

経営層と現場メンバーの方にまずお話しさせて頂いたのは、意識や視点の話です。

今回の企業規模(50名未満)、役職の分布状況(中間管理職不在)で考えると役職や等級などの階層別にアプローチするというより、全体で理想の組織について考え、意見交換するという場を設ける事が効果的だと考えました。

実際には、グループワークも交えながらとなりましたが、働く上では「こんな組織でありたい」という一つのテーマに沿ったコミュニケーションができ始めていたと思います。
※下部に実際に活用したスライドを公開しています。

2:経営層抜きの主要メンバー会議の実施

次のアプローチは、シンプルですがやはり効果が実感しやすいアプローチです。
元々、経営層と現場間でのギャップが様々な所で発生しておりましたが、主な項目は【期待値】と【想い】の所だったと思います。
特に、経営層からの期待値を現場メンバーが把握しきれずにいた点に焦点を当て、当時の主要メンバーを集め定例の会議を実施する事にしました。

経営層とは、時間軸を意識しながら『どこまで委譲したいのか』という理想と、『(今)どこまで委譲できるのか』という現実を行き来し、“現場への期待値”をすり合わせ、決めました。

そして、現場主要メンバーとの会議。

まず流れとしては、
現場課題の吸い上げ⇒全体での認識合わせ⇒課題の深堀⇒行動といった具合。

その際『その課題は我々で解決できる課題なのか』を問いながら、深堀と行動決定をしていきました。


最初はお互い探り合い、ポジティブやネガティブ、情熱や諦めなど様々な意見が出ましたが、1人のスタッフの「これは僕たちの問題で、やる事を決めるのも僕たちだ」という発言でその場が前向きになった場面が印象的でした。人が考えや行動を変えるのは自分次第ですが、その始まりはやはり環境です。         

この会議を通じて再認識したこと

1:経営層からの権限委譲は、理想と現実を行き来し、期待値を決める事
2:現場メンバーは、期待値(意思決定範囲含む)を把握する事で自走する
3:現場の主体性を促進する場合、個ではなく多に向けて発信する

しかし、現場の主体性が出てくる事で、次の課題が露呈し始めました。3に続く。

3:繰り返す組織課題

詳しくはスライドを見て頂きたいのですが、現場メンバーが元々経営層に感じていた不満は、主要メンバーを中心に会議を重ね、当事者意識のもと取り組む事で改善され始めました。
その矢先に出た課題が『主要メンバーが勝手に決めて、良く使われている気がする』と一般メンバーが口にし始めたのです。
権限委譲をする事で、経営層から一段下のメンバーは会社組織に対し当事者意識を持ち始める事が出来ましたが、同時に『勝手に決めて指示ばかり』という課題も引き継いでしまったわけです。

図解すると下記の通りとなります。

             

階層間の課題は、上層だけではなく下層でも発生するという事を権限委譲の際には意識していかないといけない。

シンプルですが、まとめると

1:期待値を伝え、共通認識を取る
2:作業やタスクだけではなく、意味や目的を伝える
3:“その人”をちゃんと見る

という意識をもってアプローチしていくことが重要だと感じています。

まだまだ継続してクライアントと一緒に組織運営の課題に取り組んでいますが、今回はその取り組みの中でも当事者意識に対するアプローチを、事例を交えて紹介させて頂きました。

実際に活用したスライド共有

どんなに良い戦略も、崇高な理念も、組織に「当事者意識」がなければ意味を成しません。

部署目標が達成できない、成果がでない時には、組織に当事者意識が失われている可能性が高いです。

そんな時のアプローチ方法として参考になるスライドを共有させて頂きます。

みなさんが組織課題とぶつかった際に参考にしていただけたら嬉しいです!

下記のGoogleスライドをダウンロードしてチーム・組織内で共有頂ければと思います。

課題発生の背景や取り組みなどは各企業によって様々なケースがありますので、またこの場を借りて発信させて頂ければと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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