歯科医院の差別化とブランド戦略~年間100サイト以上の品質チェックをして見えてきたこと~

こんにちは!
ブランディングテクノロジーの松井(@matsui__1987)です。中小企業におけるブランディング現場において、実践する全ての方に役立つ情報を発信していこうと思っています。

今回は、差別化が難しいとされている「歯科医院」の戦略について考えてみたいと思います。…と言うのも僕たちの会社は、歯科医院さんのサイトを累計1,000件以上構築してきた実績があります。

僕もほぼ毎日のように、歯科医院のサイトを品質チェックしていた時期があり、その時に考えていたことをまとめていきます!来る日も来る日も歯科医院のことを考えていました…。
一つの考え方として参考にして頂けたら幸いです。

目次
1.コンビニより多い歯科医院の現状
2.表現の規制も差別化を難しくしている
3.患者さんの検索行動
4.歯科医院サイトの必要性
5.患者さんが見ているポイント
6.見落としがちな差別化ポイント
7.経営方針と口コミの重要性
さいごに ~いち患者としての体験談~

1.コンビニより多い歯科医院の現状

株式会社ヒョーロン・パブリッシャーズの調査によると、平成30年3月末時点での歯科医院数は68,756施設となっています。その数はコンビニよりも多いとされています。エリアによっては密集している箇所もあり、厳しい競争を強いられています。近年では歯科医院の倒産も増えており、競争を勝ち抜くための戦略を考えていく必要があります。

2.表現の規制も差別化を難しくしている

件数が多いだけでなく、歯科医院は医療機関として、広告や表記の制限が多くあります。医師法や薬事法での規定から、「患者が客観的に医療機関を判断できる事実」を中心に表現する必要があります。こうった市場環境からも、差別化の難しさが伺えるかと思います。

― 2018年6月からホームページが「広告の扱い」になり、表現の規制がより厳しくなった。

以下のような内容はHPに掲載することが出来ない(一例)
✔ 価格やリスクなどの明記がない自由診療
✔ 第3者機関による根拠のないデータ
✔ 十分な説明がない症例紹介
✔ 嘘ではないが誇大な表現(全く痛みがない等)
✔ 費用を強調するキャンペーン
✔ 著名人や雑誌掲載などを活用したPR …etc

規制されている中でも、条件を満たせば掲載できるという「限定解除」という考え方があります。しかし、年々規制が増えておりグレーな表現はどんどん規制の対象になっていくと予測しています。
※看板・チラシの表現はより厳格に定められている

3.患者さんの検索行動

主な検索行動例
✔ 街で見かけて医院名で検索
✔ 地域と歯科で検索
✔ Googleマップ検索
✔ 口コミや予約サイト内での検索…etc

基本的にPCよりもスマホからの検索割合が高く、僕たちの制作したサイトでも90%以上はスマホからサイトに来ているのが現状です。最近は、Googleの検索結果画面でも、キーワードを打ち込むとマップ検索が上部に現れ、そこで簡単に内容確認+電話予約まで行えてしまいます。
歯科医院の集患においてはSEO対策だけでなく、マップ検索の最適化である(※)MEO対策が非常に重要な要素になります。MEO対策に関しては、当社片岡がまとめてくれた記事があるので紹介させて頂きます。

4.歯科医院サイトの必要性

マップ検索上で予約まで出来てしまうのであれば、「サイトは必要ないのでは?…」と思う方もいるかと思います。しかし患者さんの持つ症状によっては、慎重度がとても高く、十分な情報量(口コミ含む)がないと判断できないケースも多いのです。特に自由診療は価格も高く、失敗できない施術を任せることになるので、患者さんとしても何度も比較検討を行います。
歯科医院サイトでは、こういった患者さんの不安に寄り添い、信頼できる情報を開示することが集患にも繋がってきます。

患者さんの回遊経路を考えた上で、サイトの立ち位置を明確にし、コンテンツ構成や導線設計を行っていきます。設計についても少しだけ紹介させて頂きます。
まず、アクセスや診療時間などの基本的な情報は出来るだけわかりやすく、目につきやすい場所に置いておくと良いでしょう。
そこから、施設・設備の説明やスタッフの紹介など、「医院に行った時のイメージ」をもってもらう設計をします。治療内容が気になる患者さんには、治療方針や各診療科目の内容など伝え「治療を受けた時のイメージ」を持ってもらいます。このように、患者さんのニーズの深度に合わせ、段階的に構成を組んでいます。

5.患者さんが見ているポイント

以下は、患者さんが歯科医院を選ぶ際に、比較検討している要素の一例になります。患者さんのタイプによっても、どんな情報を重視するかが変わってきます。例えば、利便性を重視する方であれば、「立地・アクセス」「診療時間」辺りをざっと見て比較検討ぜずに予約する、という方も多いかと思います。
どんなタイプの患者さんに来て欲しいか、また自医院の強みになるポイントはどこなのかを考え、絞っていくことで医院のカラーは出てきます。

サイトに反映する際は、これらを患者さんにとってのベネフィットに置き換え訴求方法を考えていきます。※以下に例を並べてみました。

✔ 21時診療 → 「仕事帰りにも通えるな」
✔ 保育士常駐 → 「子連れでも安心だな」
✔ 個室完備 → 「プライバシーにも配慮している」など

また、競合の医院を見ながら、どこを強調すべきかを考え「小さな差別化」を作っていきます。例えば、近くの医院が水曜休みであれば「休診日無し」という要素が強みになりえます。Goolgeのマップ検索画面にも、診療時間を入力しておくと良いでしょう。こういった患者視点からの「ちょっとした差」が「差別化のポイント」になってきます。

慎重度が高い患者さんほど、たくさんの情報を求め、場合によっては最寄りの駅ではない歯科医院に通うこともある。このモチベーションの差にも目を向けています。


6.見落としがちな差別化ポイント

「うちには差別化できるポイントなんて無い…」と考えている歯科医院の方でも、実践して頂きたいポイントが2つあります。

1つ目は、院長先生ご自身の体験を語ることです。

歯科医院を目指したきっかけや、ご自身の歯科に対する想いなどを語っても、「見る人なんていないのは?…」と思うかも知れません。しかし、慎重度が高く、自身の歯を信頼して任せたいと思った際には、ここが最後の一押しになることがあります。院長先生の個人ブログを読み込んでから来院される方もいるくらいです。

例えば、自身が歯を失ってしまった体験や、その時の感情や不安などを語れば、「同じようなことは絶対にしないはず…」と思い信頼に繋がります。診療方針にも想いや体温が宿ってきます。

もう少し掘り下げた「歯科医院のブランディング」についても、メンバーの和田が解りやすくまとめてくれています!

2つ目は、歯科医院のデザインです。

デザインにおいては規制が少なく、医院のカラーや院長先生のパーソナリティを反映させやすいという点があります。それは、サイトにとどまらずロゴや空間など視覚的な要素全てで表現することが出来ます。
デザインをよく魅せるというより、独自の良さを可視化するという考え方であれば、実際に診療を受けた際とのギャップも生じづらいです。さらに印象的な差別化もはかりやすいので、最初にしっかりとデザイン(ロゴから)を設計した方が良いと考えています。

7.経営方針と口コミの重要性

年々、口コミの重要性は高まっています。先ほど説明したマップ検索の画面でも簡単に5段評価+口コミが閲覧できます。自身でコントロールできないので信憑性が高く多くの方が見ています。
しかし、ネガティブな体験ほど書き込みがされやすいので、そういった確立を減らす必要があります。日々の努力も必要不可欠ですが、「インフォームドコンセント」を徹底することで一定数ネガティブな意見は抑えられると考えています。

患者さんの話を十分に聞き「診療に時間をかける」という観点も重要ですが、歯科医院の倒産が増えているという現実もあります。ある程度、患者辺りの医療費や回転率も考えていく必要があるかと思います…。医療費という側面から考えると「自由診療の提案」という観点が出てきます。

しかし、患者さん側からすると「保険診療で可能な限り最適な治療がしたい」というインサイトが多くあります。

ここでのギャップを生まないためには、事前にサイトで「自由診療を検討している患者さん」を集める設計が重要になると考えています。
また、患者さんが自身で学習し「自由診療という選択肢」を持ってもらうためにも、情報を開示していくことが大切です。


さいごに ~いち患者としての体験談~

僕も20代の時、歯を失いかけた経験があります…。
元々、歯科医院に全く興味がなかった僕は、とりあえず一番近いからという理由で歯科医院を選んでいました。
そんな中、根幹治療を終えたはずの歯が、数年の間に膿んでしまい、抜歯を提案されました。どうしても抜歯は避けたいと思い、セカンドオピニオンを行ったのです。そこで出会った先生からは「抜歯の必要はないよ」と提案されました。

その時治療してもらった歯は、5年たった今でもしっかりと残っています。

その後、他の歯でもなけなしの貯金を切り崩し自費治療を行ったことがあります。何度も何度も検討し…15万を出しセラミックの歯を入れてもらいました。歯科医院選びの重要性を肌で実感しました。

自身の体験だけでなく、多くの人の体験談が品質チェックの際に色んな気づきをくれました。そして様々なサイトと比較しながら、歯科医院の差別化について考えていました。こういった経験を今後もサービス提供に活かしていきたいと考えています。

長文にお付き合い頂きありがとうございました。
次回のブランディングテクノロジーnoteもご期待下さい!
引き続きよろしくお願い致します。

ブランディングテクノロジー 松井


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