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V36 為になる本『リーダーのためのコーチングスキル』

by 谷 益美
コーチ、ファシリテーター、Office123代表
〜人が育つところにコーチングあり!〜
〜リーダーにこそ必要な影響力!〜
〜相手は部下だけではない!同僚・上司・お客様〜


第1章 これがリーダーの為のコーチングスキル

1、コーチングとは
  引き出して支援するコミュニケーション
  :「聴く」「質問する」「伝える」3つのスキル
  :継続するための「仕組み」
   =相手と対話の機会を持つ仕組みを整える

2、リーダーとしての「人間力」を磨く 
  :話したいと思われるメンバーとの関係性

<リーダーが改善すべき20の悪癖リスト>
by マーシャル・ゴールドスミス
 1、極度の負けず嫌い
 2、何か一言価値を付け加えようとする
 3、善し悪しの判断を下す
 4、人を傷つける破壊的コメントをする
 5、「いや」「しかし」「でも」で文章を始める
 6、自分がいかに賢いかを話す
 7、腹を立てているときに話す
 8、否定、うまくいくわけない、理由はねという
 9、情報を教えない
 10、 きちんと他人を認めない 
 11、他人の手柄を横取りする
 12、言い訳をする
 13、過去にしがみつく
 14、えこひいきする
 15、済まなかったという気持ちを表さない
 16、人の話を聞かない
 17、感謝の気持ちを表さない
 18、八つ当たりする
 19、責任回避する
 20、「私はこうなんだ」と言い過ぎる

3、スキルアップの4段階
 ステージ①「知らないし、できない」
     ②「知っているけど、できない」
     ③「意識すると、できる」
     ④「意識せずとも、できる」
 →練習する、社内勉強会など仮想体験する、
  自ら悪癖に対して改善の挑戦

4、ゴールセッティング 2つの指標
◯ 成果のための明確なゴール「KGI」(key goal indicator)
  〜今季の売り上げ目標、利益目標、経営計画など〜
◯ マイルストーン「 KPI」 (key performance indicator)
  〜顧客訪問回数、DM送付数、SNS発信回数、
   日々の安全確認活動、資格取得学習計画など〜
  ★いずれの目標設定も SMARTに!
◯ Specific
   具体的である
     「具体的に言うと?」
    Measurable
   測定可能である
     「どうやって測れる?」
 Achievable
   達成可能である
     「本当にやれる?」
 Result-based
   「成果」に基づいている
     「これをやるとどんな成果?」
 Time-schedule
   「期限付きの目標」
     「いつまでにやれる?」

5、コーチングのフレームワーク「GROW」モデル
◯ Goal
  理想の未来
  シーンイメージが有効
◯ Reality
  現状
  事実に基づく
◯ Options
  行動の選択肢やろうとしていること
  やっていること,アイデア?
◯ Will
  意思の共有
  「いつ」「どこで」「どんな風に」

<振り返りの実行>
GROWモデルを使って、「できそうか」、
「どうすればうまくいくか」、「障害は何か」

第2章 相手のこころを動かすコーチングマインド

1、相手目線のポジショニング
  「理解者」になる」
◯ 正しいことを言っても響かなければ意味ナシ
◯ 理解者になるとは、まずは、相手の話を聴くという姿勢
◯ 甘やかすのではない、「一目置かれる」態度で臨む、
  ex, 聞いた後に、「君は、どうしたいの?」
★ ビジネスコーチングの目的は、あくまで成果と成長!

2、相手への理解を深めよう
◯ 自分と価値観の違うメンバーがいて当たり前
◯ お悩み相談は、「上司よりNet」な今どき事情
◯ 新人が電話を取れないのには、ワケがある?
  見知らぬ相手とコミュニケーションをとる経験を
  持たないままに、社会に出る人達
  →相手の現実を見て、きちんと育てる目線が不可欠!

3、ソーシャルスタイル4つ
  (相手を知り自分を知って、個別対応力を上げる)

タイプ1「黙って俺についてこい」
 ・強み:判断・決断が早い/打たれ強い
     /自己主張できる
 ・弱み:褒めること/相手に合わせることが苦手
     /怖いと言われる

タイプ2、楽しくいこうよ!
 ・強み:楽しい/アイデア出し/行動力
     /周りを巻き込む/社交的/ノリと勢い
 ・弱み:忘れっぽい/飽きっぽい/ルーティンが苦手/地道な努力

タイプ3、みんなの為に
 ・強み:親切/優しい/気配り/サポート/思いやり/癒し
 ・弱み:決断できない/プレッシャーに弱い
     /人前で話すこと

タイプ4、 正確第一
 ・強み:正確/コツコツ/継続/分析/調査/マイペース
     /計画/現実主義
 ・弱み:取り掛かりが遅め/話が長い
     /雑談やアイデア出しは苦手

4、ビジネスコーチング6つのQ&A

お悩み1、
メンバーの方が優秀、下手に口を出さない方が・・・
解)目指すのは名選手ではなく、名コーチ、着任早々スイッチon
      
お悩み2、
自分の意見を通したい誘導尋問型コーチングはハマりやすい失敗
解)誘導尋問は NG, 意見があるなら率直に伝えよう!
  
お悩み3、
部下の気づきを待っていたら、仕事が回りません!
解)組み合わせる。Teachingで教えた上でcoachingで考えさせる

お悩み4、
メンバーの出来の悪さに仰天!まさかここまで酷いとは・・・
解)相手の現状を把握して、人材育成は長期目線で!期待しすぎにご用心

お悩み5、
コーチング大事だとは思うけど・・・自分には向いていません。
解)うまくいかなくて当たり前、伸び代ありと捉えよう。

お悩み6、
生意気な部下、どうしても育てる気になりません。
解)最初は、すくすく成長しそうな相手を選ぶこと。
  リーダーだって人間

5、コーチング5つのタイミング
一、普段使いのコーチング「質問された・相談された時」
  point  「どう思う?」のちいさな『質問』と『聞く態度』
  
二、普段使いのコーチング「部下が仕事に取り込む前」
  point  「今日はどんなstoryでいくんだ?」
     行動する前に小さな問いかけ。

三、普段使いのコーチング「メンバーインタビュー」
  point    相手と自分の話の割合は、
     せめて7:3、できれば8:2、9:1

四、複数相手のコーチング「会議やmeeting」
  point  「引き出す」ネガティブ意見とポジティブ意見は平等に扱う!

五、特別な対話としての「面談」
  point 「どんな時間にしたいか」
     「それはどんな意義を生むか」
     「本人に話しをさせる」

第3章 基本の「聞く」スキル

1、相手に考えさせ、話させる為に
  ①「聞き出す」「聞ききる」「聞き分ける」
  ②自分の「見え方」を意識しよう
   相手の話に合わせた反応をする

2、「聞き出す」スキル7つ道具
  ①ポジション
   対面型より同じ方向に座る
  ②アイコンタクト
   相手の話に合わせて反応しながら聞く
  ③うなずき
   モデルは明石家さんまさん、阿川佐和子さん
  ④ 相づち
   単調な「はい・はい・はい」よりいろんな言葉、
   トーン、大きさ
  ⑤話を促す
   「それでそれで」「それからどうなったの?」
   「ありがとう」
  ⑥オウム返し
   「うまくいきましたね」「よかったね」
   その後に「どうしてそう思うの?」と聞いて
   課題を探るきっかけを誘導する
  ⑦ベーシング
   常に、伴走者になったつもりで相手に合わせる対応が基本
 
3、「聞ききる」スキル
 一、話の途中で口を挟まない
 二、関心がなくても「はなしを聞く」
 三、忙しいからこそ、ホウレンソウを待つではなく、
   リーダー主導攻めの聞き方
   ex, 「毎朝15分、相談箱の時間に」など

4、「聞き分ける」スキル「フレームワーク」
  で「違い」を区別する
① 根拠(事実)と意見の違いを聞き分ける。
② 評価者目線か当事者目線か、相手が使う「主語」に注目
③ 対義語で考える(ネガティブ&ポジティブ、売り手&買い手)
④ 5 W1H
⑤ GROWモデル

5、書いて視覚に訴えるコーチングノート
  point    相手に見せながら書く

第4章 気づきを促す「質問」のスキルpointは5つ

1、コーチングといえば「質問」
 一、コーチング質問は、相手のため
   「情報収集型質問」ではありません
 二、「気づき」はすべて相手の中にある
   言いたいことがあるならスパッと伝える
   (「誘導質問」は失敗する)
   「問題はなんだと思う?」
   「売り上げが伸びていない件について、問題は何か一緒に考えよう」
   「課長を目指して欲しいと考えているんだが、気がかりや
   不安があれば聞かせて欲しい」
 三、「質問」の前に「相づち」

 四、 質問はシンプルに「一度にひとつ」と心得よう

 五、質問したらお静かに!「沈黙のスキル」を磨く
  

2、とっさに使えるシンプルフレーズ(便利フレーズ3つ)
 ①「具体的に言うと?」
 ②「例えば?」
 ③「他には?」

3、質問リスト作成
 ①「なぜ」と「なに」のバリエーション
 ②「答え」の自由度コントロール
   「どうやってこの失敗を取り返す?」
   vs 「どうやったらそのミスを防げると思う?」
 ③言い分を聞く姿勢と効果
  問題は何か、今後に向けての改善点は何か、
  を考えさせ、行動の後押しをすることが目的
 ④気持ちが伝わる育成質問 
  「どういうヘルプが必要?」「手伝って欲しいことは?」

第5章 相手に響く「伝える」スキル

1、「わかりやすさ」は「タイトル」&「ナンバリング」
 ex,「今期の目標は2つだ、一つは」
   「商品説明のポイントは3つ!1つ目は」

2、 事実ベースでFB 反省より改善、
  まずは原因特定!必ず根拠を添えて

3、見てるよを伝える『ほめ言葉』

4、褒められベタ
 ex, そんなことないですよ、いやいやには「 Iメッセージ」
 ex, 私も見習わせてもらうよ!」
   「おれも負けられない気分になるよ!」
point  褒める時は「根拠」&「 iメッセージ」

5、やる気が上がる言葉 
 「ありがとう」「助かったよ」「任せたぞ」「君ならできる!」
 「君がいるとチームのムードがいいよ」「◯◯さんが褒めてたよ」
 「天才!」「1step上がったね」 
point  心に仕舞わず、誰かにさっとプレゼント!

第6章  GROWモデル活用でコーチング

◯ Goal +「質問」でコーチング 理想と現在
  ex, 「痩せたいということですがゴールはなんですか?」
              「今は何キロですか?」
    +options
        ex, 「車で通勤しているけど、電車通勤とか間食を控えるとか」
    毎週テニス
    +will 
        ex, 「達成するとどんないいことがあるんですか?」

kentakunte私見

内容の濃さに5ページになってしまった!
数あるコーチングの本の中で、本書を選んだ理由は、プロローグにある
『人が育つところにコーチングあり』
『リーダーこそ必要な影響力』 そして
『相手は部下だけではない!同僚・上司・お客様」の言葉!

「企業は人なり」「人中心の社会」「ワーク&ライフバランス」「人は最大の経営資源」「人間尊重」「人<モノ<金」から5.0知的概念社会は「人>時間>金」などなど人の価値に対する「名言」は多い。

これらのことばの核心には人の成長(生きる場・生きる力・生きる価値)への期待と現実のGapが存在する。

背景には、AIの進化によるクリエイターの失業、日本の就労人口の継続的減少、外国人技能実習生の人権問題、日本経済特に7割の人々が就労している中小企業の苦境と停滞。そして「人生100年時代の到来を災厄とするか幸運とするか」の期待と不安。

打開策は「人」の成長、それはリーダーによる「育成」の仕組み化にある。そして富の公平な分配の仕組み化!(GDPよりSHS=subject happiness scale!これからの世界標準/WHR)
 
弊社もその打開のために企業の『選ぶ企業より選ばれる企業』への「意識の移行」と「育成力」の「仕組み化」の重要性を上げており、人材採用難や短期離職者増対策を実現する人間尊重の武器『marvelous就業アルバム」を発信している。

その中の一部に、社員の成長を目的とした「ティーチング」と「コーチング」両面による育成を重要な要素としているので本書をその実践の教本としたい!そう思わせてくれる一冊だ!ありがとう!

2024年3月 kentakunte


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