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爆裂機ってなんだったの

爆裂の名とともに良く知られる一部の4号機たちは、既存の規制解釈にとらわれなかった開発者たちの飽くなき創意工夫とほとばしる才気で作られた、意欲みなぎる機械たちの発展形です。多分。

機械割は出玉華やかなりし4号機当時でも120%を超えてはいけないとされていましたので、メーカー発表の機械割は最高でも119.9%とかでした。
ところが「万枚規制」と呼ばれる規制以前の爆裂マシン達の設定⑥は「フル攻略」と呼ばれる打ち方で140%を超えるものが少なくなく、160%を超えるものすらチラホラありました。
「フル攻略」と言ってもそれほど大層な打ち方を要求される訳では有りません。

・小役を取りこぼさない
当時KKK打法とかDDT打法とか言われていましたが、通常時から小役狙いをする。

・リプレイはずしをする
ビッグボーナス中の3回目のジャックイン(Aタイプのビッグボーナスは基本的に3回のレギュラーボーナスか規定ゲーム数の消化で終了)を出来るだけ引き伸ばす事で期待獲得枚数が増加した。
難易度や効果は機種によってバラバラ。

・小役ナビに従う
当たり前ですね。

その他に破壊的な効果を持つ「攻略法」も時々ありましたが、それらはゴトに分類されるものであって、「フル攻略」とは言っても普通の情報誌に記載されているものでしたので、まあ普通の打ち方です。
本来119%しかない機械割を20%以上も押し上げる様な変な打ち方ではありません。
普通に打ったら140%とかになっちゃう機械達が何故だか119%という事になってた訳ですね。

では、普通に見たら型式試験を通らないはずのその機械割をどうやって生み出していたのか。
ボーナスだけで出玉を増やす、今で言うAタイプ(語義だけで言えば当時の4号機の大半はAタイプですが)からして、今となっては通用しなくなった理屈が使われていたそうです。
「通常時はフリー打ち」
「ボーナス中もリプレイはずしを始めとする技術介入要素を使わずフリー打ち」
などです。
これによって設定⑥のフル攻略時の機械割が140%程度の大花火や150%程度のオオガメラも世に放つ事が出来たという事だそうです。
ちなみに大花火の設定⑥のビッグ確率はおよそ1/240で技術介入込みの平均獲得枚数は600枚を超えます。(順押しフリー打ちだと400枚程度)
時給は優に一万円オーバー。
すごい時代ですね。

そしてAT機なら型式試験の際に上記の事に加えて、通常時はコイン持ちの良い逆押しで遊技して(ATの抽選は受けられない)、AT中は「小役ナビに従わず順押しする」とか今となっては「そんな無茶な」と思うようなテクニックが駆使されていたようです。
型式試験には実際の遊技も含まれていた様なんですが、ナビ無視がオーダーとしてまかり通るって、まあすごい話ですよね。
打つ人は何を思いながら長時間にわたってナビ無視していたんでしょうか。

この辺が実質的な機械割と乖離した数値で型式試験を通す技だったようですが、試験をする側とどういうやりとりでそんな事が許されていたのか、今となっては知る由もありませんが、そもそも4号機最初期はリプレイはずしもAT機能も想定していなかったという話を聞いています。
そういったものが実際に出てきてからも特段に対応せず、なあなあでやっていたという事なのでしょうか。
で、やりすぎてお上に目を付けられたから、段々厳しくなってきたという感じなのかと想像はできますね。

さて型式試験の話はこんな感じですが、Aタイプ(ノーマル機)とAT機の他にも今は存在しないストック機(ST機)がありました。
これのせいで5号機以降のリール制御面に大きく規制がかかったのかと思っています。
これは名前の通りボーナスをストックする機能です。
念のために書いておくと擬似ボじゃなくてリアボをストックします。
「ストック機」としての初出がNETのブラックジャック777(Rioのデビューは次作のスーパーブラックジャック777)となります。
これはビッグ成立時(消化ではなく成立)に突入するRT(リプレイタイム)中に、更に自分でボーナスを貯めて、貯めたものは全部自分で放出させるという方式だったので、後のストック機の発展形からすれば、それほど高いギャンブル性の機械では無かったように記憶しています。
RTが33ゲームor777ゲームだったのですが、大半33でしたし、ボーナスの抽選確率自体は普通だったので33の方なら当然一個も溜まらない事の方が多かったですし。

ただそもそも一体全体どういう経緯でボーナスの複数保持が認められたのかはわかりません。
「禁止されていなかったから通った」以上の理屈を見たことがありませんので、拡大解釈が認められたという事なのでしょうね。 

ブラックジャック以降はストック中であることを明示しないサイレントストック機が普及していくことなります。
AR中に自分で貯めて自分で放出させるハードボイルドや、前兆中にムダを感じさせない事と、ボーナス成立から揃えるまでの間もボーナスを抽選してくれる親切設計としてストック機能を搭載したタイムパーク(プチストック)、プチストック機能をプレミアムATに組み込んだ猪木自身などの例外もありましたが、ストック機能を使う機械としての主流ではありませんでした。

サイレントストック機はその名の通り、内部に今何個溜まっているのか、いつ放出されるのかもわかりません。
機能としては裏モノで「貯金方式」と呼ばれていた機能を合法的に世に出せたという感じになるのでしょう。
規定ゲーム数到達時やレア役成立時の抽選に通るとボーナスが放出されます。
この辺は6号機現在でもATや擬似ボではよくある仕組みなのでイメージとしてはわかりやすいかと思います。
てすが、ストック機で放出されるのはリアボです。
何故、既にリアボが成立しているのに揃えられないのかという所に問題がありました。

サイレントストック機もブラックジャック同様にRT消化後にボーナスが揃えられる状態になりましたが、サイレントストック機のRT中は「リプレイタイム」でもあるにもかからず見た目は通常時であり、実際リプレイが揃う確率も上がっていません。
じゃあどういう事かと言えば、RT中の大半のゲームではリプレイが成立しているが、「制御で揃わない」という事になります。
「揃わないリプレイ」です。
推し順小役とかと同様にリプレイもとりこぼしがあると考えると若干わかりやすい話かもしれませんが、これについてはそもそも「揃う可能性の無いリプレイ」だったと聞いていますので、屁理屈という他には無いのかなと。
ボーナス以外の手段では、リプレイ以外の小役の確率を変動させる事が認められていないので、リプレイに白羽の矢が立っただけで、実際はリプレイじゃなくてもなんでも良かったという話になろうかと思われます。

そして見た目上は通常時であるRTが、規定ゲーム数消化やレア役成立時の抽選に通って終了すると、内部的に真の通常時になり、揃わないリプレイのフラグが立たなくなるのでボーナスが揃えられるようになるという理屈です。
そんなアホなという気がします。
とは言え出玉面以外にも演出面の発展にも寄与した面はあるのかなとは思っています。
ストック機ではありませんが、大花火の後継機である花火百景が演出用に短いゲーム数のリプレイが揃わない方のRTを使っていたりしています。

ストック機の大雑把な理屈はこんな所でしょうか。
そのストック機が流行った背景には爆裂機の規制もありました。
かつての爆裂機の代表格として良く名前が上がるのは主にAT機でしょう。
特にミリオンゴッド、サラリーマン金太郎、アラジンAなどですが、これらは後に射幸性の高さが問題視されて検定取り消しにもなっています。
そう言った事情と自主規制もあって、AT機が作りづらくなったが故に流行したストック機ですが、こいつらも結局まあまあヤンチャでした。
パチスロ史上最大のヒット機種になった北斗の拳も一応はストック機ですし、リアボの711枚が1ゲーム連する吉宗とかも言うに及ばずという感じですね。
4.5号機から更に規制が強化された4.7号機でさえ午前中だけで万枚なんてことも時にはありましたので、規制当局側は更なる規制をしたかったようです。
そして、その出玉性能自体を問題視する以上に、ストック機能が作れた理由が、言ってみれば規則の拡大解釈や屁理屈にあった事が、その種の可能性を全部潰しといてやれ、という方向に向かったのかなと思います。
やりすぎたって事ですね。

まず、5号機以降ではストック機能が明文的に禁止されていますし、押し順や押し位置にかかわらず、リプレイの取りこぼしは一切認められていません。
そして成立しているフラグは可能な限り引き込まないといけなかったり、ボーナスと小役が同時に成立している場合はボーナスが優先だったり、1つのフラグが複数の制御を持つことが禁止されていたり。
結局これら全部が規制当局側がストック機を今後とも封殺する為に、あらかじめ雁字搦めにしておいたと考えるのが自然なのかなと。

とは言え全然違うシステムでストック機みたいなリアボの連チャンを実現した5号機リノみたいな新機軸も生まれてくるので、開発者というのは大したもんだなと思います。
ちなみにあれはずっと成立してるゼロボの入賞(りんご揃い)と消化でリアボ抽選状態に移行するって理屈だそうですが、あんな感じで400枚とかのリアボが連チャンしてくれたのがストック機です。
そりゃあ脳汁が出る訳ですよ。

ところで地域によっても事情はだいぶ違った様ですが、4号機時代は裏モノ自体はまだ普通に打てた時代です。
とりわけ沖スロなんかは正規品は存在しないとまで言われてた時期まであったようです。
単に大らかだったのか、癒着かどうとかまではわかりませんが、取り締まる気があんま無かったのは事実なのでしょう。

そして裏モノと一口に言っても様々でした。
1000円平均20Gとかしか回らないけどバッキバキに連チャンするすごく激しいヤツとか、比較的マイルドなヤツとか、地元でもまあ色々ありましたし、同じ機種なのに中身は別でゲーム性も違うなんて事もありました。
このバージョンは〇〇ゲームまで熱い!とか
このバージョンはリプ連が熱い!とかそんな感じですね。
そういう連チャン性とゲーム性を合法的に再現したのがストック機だとも言えますし、裏モノを合法的に進化発展させる方向でゲーム性が拡張された事がパチスロ業界の今に至るまでの道を拓いたと言えるのかもしれません。
そう考えると裏モノこそが現代パチスロの始祖と考える事も出来ますね。
沖ドキなんかリアボが出てこない事以外はまんま裏モノですが、そんな事を今更あらためて考えたりもしますね。

他にCT機なんてのも一時期ありましたが、メインストリームじゃないので気にしない事としますが、爆裂機の先駆けと言えばそんな気もします。
ワードラは好きでした。
その内、ここの所ずっと時代に取り残されてる感が否めない山佐の黄金時代についても書き殴りたい気がしています。(了)

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