見出し画像

雨の中のふたたび立山

2回目の立山は2021年6月、その日は台風が去ってすぐの時。天候はあいにくの雨、ここまで来たからにはとりあえず一の越山荘まで到着して考えようとなった。やはりここでもわたし含め計4名のグループ。やはりここで引き返すと思っていた。少し考えて皆の意見、3対1で雄山だけ登るということになった。えー、この雨の中ほんとに行くのーって感じ。わたしはいろいろな山に行ってるがこの山は最難関ベスト3になるほどの急登で、このコンディション。雨が降ってこの残雪で、手と足とを使って登る。うしろは崖っぷち。落ちたら死ぬ。雪と氷が岩のしたで微妙に溶けて岩は浮いている。先に登る仲間が岩を落とすかもしれない。わたしはヘルメットを着けていない。怖くて怖くて、なんでこんな困難に耐えているのかわからない。そんな苦労をしながら3003メートルの雄山頂上に到着した。仲間のうちのひとりが低気圧のせいだろう頂上で立てなくなった。これは大変。意識失う前に降りないといけない。1時間ほど山頂で休息させて待つ。寒い。かろうじて立てるようになって引き返す。またこの危険なところを下山。どうやって降りるかわからないほどの急勾配。下山で落ちても死ぬ。浮岩がガタガタする。雪解け水で岩肌は滑る。本当に怖かった。無事下山したが皆に流されて嫌々行くのはやめないといけない。ちゃんと自分の能力と限界を知らなければ。と思った瞬間であった。生きていてよかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?