<智花の場合 第7話(最終話)>

厳しいノルマを課せられた智花が水泳部の更衣室で一気にノルマ達成を図ることは、美桜にとっては容易に想像が付いた。そこでダメ押しの弱みを握り、智花との上下関係をより強固なものにしようというのが美桜のもくろみであった。
 
美桜に見つかった智花は、美貴の下着をかぶったまま硬直した。下着の臭いも、そもそも他人の下着を被っているという奇異な状況も忘れ硬直した。
 
そんな智花を尻目に、美桜は言葉を続ける。
「智花のすることなんて手に取るように分かるよ、絶対ここに来ると思ったんだよね。同期の下着を漁るなんて、人として終わってるよね。ここまできたらもう犯罪、こんな犯罪者がいるって他の部員にも教えてあげないとね。」
「どうかそれだけは許してください、何でもしますから・・・」
智花はすがるように懇願する。
「無様だね、でもだめ。元々智花のこと許す気なんてないし、とっちめてやりたくてずっとウズウズしてたんだもの。悪く思わないでね、元々はそっちに原因があるんだから。」
無慈悲に言い放つと、大声で言った。
「ねえみんな、更衣室に不審者が出たよ!」
智花の顔が青ざめる。ほどなくしてチームメイトが集まってくる。
集まった部員たちは、智花の顔を確認するとざわつき始める。
「ねえみんな、このパンツ被った変態さん、誰だと思う?智花だよ智花!私も信じられなかったけど、まさかこんな子だったなんてね。先輩として私もショックだし、皆も嫌だよね?」
 
部員たちは口々に賛同する。特に、智花が被った下着の持ち主である美貴は人一倍強い非難を浴びせる。同期から罵倒され、智花は自身の惨めさを噛みしめる。
本当なら今も一緒に汗を流しているはずの同期から、ゴミを見るような目で蔑まれる・・・こんな屈辱に耐えられる人はそういないだろう。
 
美桜は続ける。
「本当なら大学に報告して退学させるのが筋だと思うけど、うちの部が迷惑を被るのはごめんだから、ここは内輪で処理して今後皆の玩具として尽くしてもらう、ってことで手を打ちたいんだけど、いい?」
 
部内で発言力の強い美桜の言葉だ、智花に対する嫌悪感も手伝い、満場一致の結果となった。
 
美桜は全員の同意があることを満足そうに確かめ、さらに続ける。
「でもさ、これだけ嫌な思いさせられたのにおとがめなしってのはさすがにおかしいよね。何かペナルティを課そうと思うんだけど・・・発見したのも私だし、先輩としてここは私が決めさせてもらおうかな。智花の原寸大ヌードポスターを作って部室に飾る、これで勘弁してあげようかなと思うんだ、いいかな?」
 
誰一人異を唱えることなく、ポスター作成が確定した。
ただのヌード写真では面白くないという美桜の一声で、趣向を凝らした写真を撮影することになった。まずは全裸の写真、その後は全身のあらゆる部位の測定をしてサイズを書き込んでいく、これが美桜のリクエストだった。
起立した状態で全身の測定をされるのも恥ずかしかったが、美桜はそれだけでは許さなかった。智花を着席させ、陰核から肛門、陰毛の長さまで通常人の目に触れさせないあらゆる部位を計測する。全てが終わった頃には智花は放心状態であった。
さすがにこれで終了か・・・周囲の部員たちもそう思ったが、最後に美桜の出したリクエストは彼女たちの想像を超えていた。
「最後に、智花の原寸大マ○拓を横に押しておこうか。書道部の部室から墨汁借りてきて。」
指示を受けた下級生が、芸術棟の美術部部室までダッシュし、墨汁を調達してくる。
状況に理解が追いつかない智花をよそに、美桜の指示に従って下級生が左右から智花の足を持ち上げる。いわゆる「マ○グリ返し」の状態だ。
そこに美桜直々に墨汁をかけると、智花の下半身は真っ黒に汚れていく。
そしてその下半身に初動用の和紙を押しつけると、生々しい図柄が写し取られる。
「できた!これをポスターに添えれば、世界に一つだけのセクシーな仕上がりになるね。さ、あとの作成は任せたから、完成したら私にも教えてね」
 
そう言い残し、美桜は更衣室を後にする。
他の部員たちも徐々に散開し、10分後には下半身を黒く汚し、茫然自失状態の智花が残された。果たしてこれで許されたのか、それは美桜のみぞ知る・・・
 
(fin.)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?