<愛美と翔琉の場合 第2話>

次の日、翔琉はサークルの飲み会のためチェーンの居酒屋にいた。
飲み会は宴もたけなわ、各々が集まってグループごとに盛り上がっていた。
騒ぐのが苦手な翔琉は隅のテーブルでスマホを操作しながら酒を口に運んでいた。
そこに近づいてくる一人の女性がいた。
「翔琉先輩、飲んでますか?」
1学年下の後輩、望美だ。
「みんなだいぶ仕上がってますよね、私もなんだか疲れちゃいました。」
そう言いながら、翔琉の隣に座る。
望美は俗に言う男受けするタイプだ。男性がぐっとくるコツを知っており、飲み会の席でもチヤホヤされることが多い。何人ものサークルメンバーと関係を持ったことがある、というのは公然の秘密だった。
普段なら軽くいなす翔琉だが、酒が入っている席では話が違う。望美の髪からほのかに香るシャンプーの香り、肉付きのよいふともも、上目遣いで見上げてくる視線・・・そのいずれも、翔琉の心に刺さる。
「二次会のタイミングで抜け出して二人で飲み直しませんか?」
直接的な誘いであれば翔琉も警戒しただろうが、あくまで酒の誘いだ。「飲むだけなら浮気にはあたらないだろう」そんな言い訳を反芻しながら、翔琉はうなずく。

一次会の会計が終わり、二次会へ移動するグループから翔琉と望美は首尾よく抜け出すと、繁華街の外れにあるバーへと移動した。
「同じサークルなのに、あんまり話したことなかったですよね。先輩私のこと嫌いですか?」
「そ、そんなことないよ」
翔琉は慌てて否定する。
「よかった~!それ聞いて安心しました」
望美は満面の笑みで無邪気に喜ぶ。

その後話は弾み、気がつけば0時を過ぎていた。
望美はすっかり酔っ払い、足下がおぼつかない。
「そろそろ帰ろうか、送っていくよ」
翔琉は言葉をかけた。

翔琉に促されるままタクシーに乗車し、学生たちのアパート、マンションが集まるエリアで降車した。翔琉は望美に肩を貸し、望美の部屋まで連れて行く。
なんとか部屋まで到達した二人。まともに歩けない望美を送り届けた翔琉はさすがに疲れたのか、玄関で腰を下ろして汗を拭った。尿意を催した翔琉は
「トイレ借りるね」
一声かけるとトイレへ入った。

トイレから出てきた翔琉の耳に、水の音が聞こえる。望美がシャワーを浴びている音だ。
トイレを借りたら帰ろうと思っていた翔琉だが、シャワーの音を聞いてよこしまな気持ちが沸き起こってくる。「今なら望美の裸を見られるかもしれない・・・」捨てがたい欲求には抗えず、翔琉は浴室へそっと近づく。
洗面所の扉を開いた翔琉の目に飛び込んできたのは、望美の脱いだ衣服だった。酔っ払った望美は脱いだものをろくに畳むことなくそのままにして入浴中だった。当然、下着もそのままになっている。素面なら理性が働くところだが、翔琉もそれなりに酔っ払っている。
望美の下着に手を伸ばすと、クロッチ部分を鼻に当てる。
生々しい臭いに、翔琉は股間が大きくなってくるのを感じた。シャワーの音が途切れていないことを確認すると、翔琉は自身のズボンとパンツを下げ、望美の下着をあてがう。
女性用下着特有の柔らかい感触に、翔琉の興奮は増大する一方だ。小さく声を出すと、あっという間に果ててしまった。その後は一瞬で頭が冷静になった。発射した精液を綺麗に拭き取ると、着衣を直しそそくさと浴室を後にした。
そのまま逃げるようにして靴を履き、家路についた。

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