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心配事

 年末年始の休みも昨日で終わった。里帰りも終わり…。自宅に帰ってきて、今日から仕事だった。お正月から悲しいニュースが多く、心が痛む。どうか、みんなの怖い思いや辛い思いが、少しでもかるくなるようにと願う。


 今回、年末年始に実家に帰り、久しぶりに姉たちにも会えて、とてもうれしかった。ただ、夏に帰省した時から、引っかかっていることがひとつあったのだが、今回更に気にかかった。夏以来、私の心の中だけにとどめていた。母のことだ。今回、母と離れて住む姉(次女)が、私と同じことが気にかかったようで、そっと私に相談してきた。

「お母さん、物忘れがひどくなってない?もともと、ぽやっとしてたけど、なんか、ひどくなってる気がする。」

 私も同じことを思っていて、今回会えたことを機に、次女に相談すべきがどうか迷っていたところだった。下手に相談して心配はかけたくないと思っていたので、次女から話があり安心した。

 母はもともと忘れっぽいたちではあるが、夏以来、その忘れっぽさが気にかかる。認知症の始まりではないかと、心配している。父が亡くなり、3年経つ。母にとって、父の不在は大きい。きっかけとしては、十分な出来事だ。父が亡くなった後落ち込んではいたが、今は表面的には元気そうにしている。それでもやはり、色々な意欲や気力が減ってきているのがわかる。歳のせいなのか、父が亡くなったせいなのか、それはわからない。母自身、物忘れの心配はしているが、今のところ、生活に支障が出ていることなどはない。判断力もしっかりあり、車の運転も普通にできて、危ない様子はない。いつも母の近くにいる姉(長女)には、相談していない。多分気がついていないと思う。
 長女は、色々なことが表に出やすい。性格的には、冷静さを保って行動することが苦手だ。優しい人なのだが、その優しさが空回りしてしまいそうだ。母のことを相談したら、それで頭がいっぱいになってしまい、他に支障が出るだろう。次女と話して、長女には相談せず、様子を見ることにした。

 次女も私も、母とは離れて住んでいるため不安だ。母自身も、少し自分自身の変化を感じて不安でいるのかもしれない。物忘れが心配だと話す。母の不安を少しでもとってあげたい。母とも話した。

「物忘れのことでも、何でも心配なことがあれば相談してね。いつでも帰ってきて、一緒に病院にもついて行くからね。」

 深刻にはならないように、それでも、力になるよ、ということを伝えたかった。これから先、どうなるのかわからない。私と次女の、心配のしすぎであって欲しいとは思う。けれど、母も歳をとった。何があるかわからないのだ。私にできることがあれば、したいと思う。


 帰る前の日、母にプレゼントを渡した。雑草図鑑だ。母は野の花が好きだ。目を輝かせて、喜んでくれた。私が以前図書館で借りて読んだ図鑑だ。とても面白くて、綺麗な図鑑だった。母が好きそうだなと思っていたのだ。

 少しでも母の気が晴れますように。

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