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燃える麒麟

今日の話題は、引き出しである。

引き出しと言われて思い出したのは、何故か、サルバドール・ダリの『燃えるキリン』という絵画のことであった。

下にリンクを貼るので、よければ実際の絵を見てみて欲しい。

中学生の時に、美術の授業で教科書に載っていた絵画である。
教科書に載るくらいだから、きっと有名な絵画なのだろう。

特に美術が好きというわけではなかったが、その題名のバランスと、麒麟が絵画の中心にはない絶妙な違和感に惹きつけられた。


この絵画の引き出しに着目して欲しい。

女性の胸に一つ、左脚に沢山の引き出しが付いており、開きっぱなしになっている。


この引き出しの意味する所を、作者のサルバドール・ダリは以下のように述べたという。

我々の引き出しの各々から上る多数の自己愛的なにおいをたどるために、ある洞察を説明するのに役立つ一種の寓話
サルバドール・ダリ/Wikipedia

申し訳ないが、意味はさっぱりわからない。

「引き出しには自己愛的な匂いのするものが詰まっていて、自分を知る為のヒントになる」

みたいな意味なのだろうか。


ダリは、心理分析の観点からも(?)引き出しについて考察している。

不滅のギリシアと我々の時代の唯一の違いは、ギリシアの時代には単なる新プラトン的であった人体が精神分析によってのみ開かれる秘密の引き出しで満たされていることを発見したジークムント・フロイトである
サルバドール・ダリ/Wikipedia

こちらも、さっぱりわからない。

わからないが、自己愛的な匂いのする何かが詰まった引き出しは、精神分析によってのみ開かれる秘密の引き出しであるらしい。


まとめると、

・私たちは、精神分析によってのみ開かれる秘密の引き出しを持っている

・秘密の引き出しの中身は、自己愛的な匂いがする

・『燃えるキリン』の女性の、秘密の自己愛臭引き出しは、開きっぱなしなので、自己愛臭がダダ漏れである

・開けっぱなしの引き出しから溢れ出す自己愛臭の中で、麒麟が燃えている

自己愛を燃料に、麒麟はモクモクと燃える。

どうも、麒麟です。

いや、違うな。

麒麟、遠いからね。
自己愛を燃料にするほどには近くない。

いや、とにかく、自己愛に満ちた、秘密の引き出しである。



なんか良い感じのオチを付けたくて、ごちゃごちゃ色々考えては消したけれども、
結局、『燃えるキリン』って何か気になる絵で、惹かれるんだよなぁ、というところに帰着したのであった。

私達の引き出しは、放っておくと受動的な自己愛引き出しで、能動的に詰め込むことが人格形成…

いや、やめておこう。

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