ベナンの小学校教育―概要―
12月からアラダ市内の小学校をまわって授業を見せてもらっている。
ベナンの小学校教育の実態について、まずは小学校教育の概要から紹介したい。
教育制度
ベナンの小学校は義務教育で無償教育。
ただし教科書は無償配布されていない。
そのため、教科書を持っていない子が大半。教科書を持っていない子が多いことは先生の悩みの種でもあるよう。
一人一冊教科書があって、書き込み式のワークブックがある日本の小学生は恵まれている。
修学年数は幼稚園2年、小学校6年、中学校4年。幼稚園に通っていれば4歳半から、そうでなければ5歳から小学校に入学できるが、入学年齢はバラバラ。
留年もあり、同じ学年にいてもかなり年齢の幅がある状況だが、これが当たり前なので子どもたち同士で年齢を気にする様子もない。
時間割
時間割は全国統一。
ただ、ほとんど時間割り通りに行われておらず、担任の先生の裁量で体育や芸術は国語(フランス語)や算数といった主要科目に置き換えられている。
授業は8:00から10:15までに2教科から3教科、15分の休み時間を挟んで、10:30から12:00までに2教科行われることになっている。
午後は15:00から17:00までで2教科。
休み時間が少なくて、6年生は休憩までずっと同じ教科やってることもあるので集中力を維持させるのが大変そう。
クラスサイズ
1クラスの人数には驚かされたが、50人を超えてくる。
ベナンは1学年1クラス。つまり学校ごとの児童数の違いがそのまま1クラスの人数の違いになる。1クラスが◯人を超えたら2クラスになるみたいなことはない。
国としては1クラスの人数を50人以下にすることを目指していると何かで読んだけど、まだまだ道半ばのよう。
ちなみに多すぎる場合は、A、B、C、、と同じ敷地内に6学年6クラスの学校がもう一つつくられている。
人数の多いクラスに入ると、顔がたくさん。挨拶をしていても一人ひとりの顔を見ることが難しい。
こんな環境の中で指導しているベナンの先生方は本当にすごいと思う。
教室の設備
やっぱり設備は整っていない。
イメージ通りといえばそうなのだが、日本の学校と比べたときの違いは大きい。
教室にあるのは、机、椅子、黒板、教卓くらい。
ロッカーや本棚なんてない。
しかも、机と椅子が足りていないことが多い。先程のクラスサイズの話とも関係するが、二人がけの机と椅子に3人で座っていたりする。
そして明かりがないから薄暗い。電球がある教室もあるが、電気がつかないこともしょっちゅう。
ましてや扇風機などないので、暑い中でノートを汗でシワシワにしながら子どもたちは勉強している。
以上がベナンの小学校教育。
時間割や設備など、日本との違いがたくさん。
子どもたちの学習環境は劣悪と言わざるを得ない。でもこういう環境の中で先生たちは工夫して授業をして、子どもたちは懸命に学んでいる。
これについてはまた詳しく書きたいと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?