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アメリカの弁護士に憧れた日々

(写真は本文と関係ありません。New Yorkは何度も行ってるのに自由の女神は先週の旅行が実は初めてで、プチ感動でした。)

「どうして弁護士になろうと思ったんですか?」と聞かれることがあります。胸を張って語るほどの目的や理由があったわけではないのでお恥ずかしいのですが、「資格職」で、「経済的自立」ができる仕事だと思ったのが一番の動機だったと思います。

でもそんなドライな気持ちだけじゃなく、ミーハーな憧れもありました。全米でもっとも弁護士密度が高い首都ワシントンDCで仕事していたこともあり、身の回りには弁護士がたくさんいる環境でした。この人達、かっこ良いなぁ、との単純な憧れもあり、あとは当時夢中になって読んだベストセラー本と、一世を風靡した弁護士ドラマがありました。

まずは本の話。

ワシントンDCの弁護士事務で翻訳兼訴訟Discovery(訴訟情報開示)のアシスタントの仕事に関わっていた時期があって、その時に事務所の友人に勧められた本がありました。

Scott Turow著、Presumed Innocent  そしてその続編のBurden of Proof。スリル満点の展開に引きずり込まれて、いずれも徹夜して読んだのを覚えています。Presumed Innocentは1990年にハリソンフォード主演の映画になり(リンク先の映像、是非見てください。ハリソン・フォード、若い!)、Burden of Proofもその後人気テレビドラマシリーズになりました。

Burden of Proofは1991年の全米ベストセラー3位の人気作になりました。その後Turow氏は大手有名国際弁護士事務所で仕事をする傍ら(無報酬のPro Bono業務しかしなかったそうです)、次々と弁護士小説を発表する人気作家になりました。私の中では「弁護士の王道」な存在です。

「そんなに面白かったならこっちも読んでみたら」と勧められたのが「The Firm」でした。これも徹夜で一気に読みました。その後トムクルーズ主演の映画にもなったのですが、最後のオチがちょっと原作と違うなぁ、と思ったのを覚えてます。映画の中で「Memphis BBQ」を食べるシーンとか、映画に登場する食べ物関係の面白い解説がマリさんのこのNoteにあるので是非読んでみてください。

The Firmの作者はJohn Grisham、彼も弁護士スリラーの大御所です。Turow氏よりも作品数は多く、映画になったのも9作もあります。The Firmは彼の二作目、ベストセラー作家にした作品でした。(個人的にはJulia Roberts主演のPelican Briefが好きでした。)

テレビでも弁護士ものをよく見てました。

数が多く、身近な存在の弁護士だけにいくつもテレビドラマシリーズが作られています。私がロースクールに入る前の当時、夢中で見たのは「LA Law」というロサンゼルスを舞台にした弁護士ドラマでした。「昨日みた?」「見た見た〜、すごい面白かったね」とみなの話題にのぼる超人気作でした。(YouTubeに全編あがってるみたいです。)

「LA Lawの最新エピソードを見ずして裁判に臨んではいけない」

1990年のNew York Timesの記事でそんなコメントもありました。完全なフィクションなのに、実世界への影響力の大きさが伺われます。また、この時期のロースクール・弁護士人気が上昇したのはLA Lawのせいだとも言われました。(私もLA Lawに憧れてロースクールを目指した世代の一人です。。。)

これらの小説もテレビも映画も、登場弁護士は基本的に法廷弁護士です。それに憧れた私も当時は「法廷でカッコよく戦ってみたい!」という憧れを抱いたこともありました。

でも喧嘩は好きじゃないし、得意でもないので、訴訟弁護士はいたって不向きです。よって実際にはコーポレート法務一筋となり、法廷経験はほぼゼロに近いです。

「May it please the Court」

訴訟場面で必ず登場するセリフです。「自分が今から行う議論がこの神聖なる法廷の場にふさわしいものでありますように」という意味合いです。このセリフをカッコよく言ってみたいな、と今でも(ちょっとだけ)思います。

***

ロースクールに行く前に是非これは読みなさい!と言われた本があります。

上で紹介したScott Turow氏がハーバードロースクールでの一年目の体験を生々しく綴った「One L」という本です。(ロースクール(法科大学院)は卒業まで合計3年かかります。それぞれの学年を1L、2L、3Lと呼びます。)

勉強が一番大変な一年目の苦労をリアルに臨場感いっぱいで書いた体験記、読んでかなりびびったのを覚えています。「あたし、ロースクールなんて行って大丈夫なのかな。。。ついていけないぞ。。。」と不安いっぱいになりました。

1970年代の昔の話ですが、今でもバイブル的な存在らしいです。短い本なので、 アメリカでロースクールを目指したい!と思う方は是非読んでみてください。

今日も読んでいただきありがとうございました。

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シリコンバレー弁護士のノート

シリコンバレーでスタートアップから大企業まで、広い弁護士経験を持っています。法律関連のネタや、ビジネス交渉に登場するフレーズやキーワードをひろっていきます。

コメント2件

わー、リンクありがとうございます。Scott Turowの本、早速読みたいリストに入れておきました!あれー、DCで仕事されてたことあったんですね!実は私も。どこかですれ違ってたかもしれませんね。
ふと思ったのですが、Grisham原作の映画は食べ物シーンが多い気がします。彼はBBQ御三家に入るメンフィス出身で、アメリカ南部が舞台の話が多く、New OrleansとかLouisianaの蒸し暑いところでCrawfishを食べてるシーンが何かの映画に出てきた覚えが。。。一方のTurowはシカゴ出身でちょっと暗い場面が多いような。。。それぞれの土地柄が出て、面白いですよね。
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