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おかげさまで「保活」に成功しました。

最近随所で話題になった「保育園落ちた日本死ね!」の件で「保活」という言葉を知りました。

所以あって私も最近「保活」していました。保活といっても「小学生の子供のお迎えと放課後の様々な活動の送迎含めたベビーシッター」探しなので保育園探しほど切迫した話ではないですが。

保育園や幼児のケアを探す場合は次元の違う話になると思いますが、今回の私の保活は色々なWebサービス(保活アプリとでも言いましょうか)を使って、自分でもびっくりするほど早くスムーズに進みました。

まず、私の保活ニーズについて:

*学校は親の(車での)送迎が基本。歩くには遠かったり、車社会のため車道優先に作られていて、子供の一人歩きは危ない場合が多い。また、かなり高学年にならないと「鍵っ子」が一般的ではない。

*午後3時に学校が終わったあと、放課後のスポーツや習い事も車での送迎が基本。(冒頭写真は地元のリトルリーグ風景です)

*多くの学校で同じ敷地内に放課後の学童保育サービスを導入しているが、外部業者が提供するサービスで料金は決して安くない。

*一週間に一回「minimum day」と称した短縮授業日があったり、1−2ヶ月に一回先生方の研修日のため学校が休みの日がランダムにある。

保育園時代は通年で朝から晩まで同じところにいたので「保育園+朝晩の送迎」(プラス子供が病気の日のケア)という比較的安定したストラクチャーがあったのですが、学校にあがってからの方がニーズの多様化、しかも兄弟いるとそれぞれのスケジュールに合わせる必要もあって結構複雑です。

そこで登場するのが、学校が終わったあとの「放課後ナニー」さんです。(「Afternoon Babysitter」とか「Afterschool babysitter」と呼びます。)

私が放課後ナニーさんに求めることは:

✔︎ 時間通りに確実にお迎えに行ってくれる
✔︎ スポーツとか教室の時間に遅刻しないで連れて行ってくれる
✔︎ 空いた時間で子供達と宿題したり、遊び時間を作ったり、他のお友達とのプレイデートのコーディネーションをする
✔︎ ちょっとした雑用(スーパー買い出しとか)をこなす
✔︎ 親が遅くなるときは夕食を一緒に済ませておいてくれる

という感じ。拘束時間は平日の午後の3−4時間といったところです。

私の保活はまず地元のメーリングリスト(オンライン掲示板)に「放課後ナニー探してます」と流すところから始まりました。(このメーリングリストが結構良くて、Mercariと合わせて私の断捨離の心強い味方です。)

残念ながら地元の反応がなかったので、次のステップはインターネット。

オンラインでシッターさんとマッチングしてくれるサービスは色々あるようですが、私の知ってる大手はこの三つです:

(1)care.com

2006年にマサチューセッツ州で創業、$100 millionのベンチャー資金調達を経て2014年にIPO公開しています。(NYSE: CRCM) 株価はあまり奮わないようですが、業界では最大手です。メンバー数は全世界に18.4 million、「2分毎に1件のマッチング成立」というのはすごい数値だと思います。

Crunchbaseプロファイルはこちら。Linkedinのファウンダーでベンシャー投資家としても知られるReid Hoffman氏が個人でSeriesA投資してたのが興味深いです。また、ここ3年半で5社買収しているので、このまま買収戦略で小さな競合サービスをパクパク食べて大きくなっていくパターンかもしれません。

前もちょっと使ったことあったのですが、今回改めてサービスの充実ぶりに驚きました。

✔︎ 料金:$37/月 (年間パッケージディスカウントあり)
✔︎ 登録シッターさんの基本バックグラウンド・チェック済み(たとえば犯罪歴。興信所調査バリのフルチェックには追加費用あり)
✔︎ 登録シッターさんのプロファイルに全アクセス可能
✔︎ 登録すると「シッターさんインタビューのコツ5か条」とか、いろいろな情報リソースが充実
✔︎ 介護、ペット、不在時のお家など、様々な「ケア」に対応

また、シッターさんへの支払いツールや、フルタイムや住み込みの場合の「フル雇用」した場合の税金の扱いのツールや情報がたくさん。さらに、コーポレートメンバーも多いようで、会社の福利厚生「perks」としてcare.comメンバーシップを従業員に提供している会社もあるようです。(従業員にはありがたいベネフィットだと思います。)

一月分の料金をとりあえず払って、我が家のプロファイルを簡単にまとめて、「こういうシッターさん募集してます。手のかからない良い子たちです」と書き込むと数時間内に2人から「興味あります!」のお返事が。「あなたのお近くのシッターさん」が2000人くらいいるらしいので、そのリストをブラウジングして、3人ほど私の方からもコンタクト入れました。

シッターさんのプロファイルでは自己紹介、住んでる町、シッター経験等々が見れます。加えて「ビデオ紹介」があって、これが非常に参考になりました。

近場で、学生さんをメインに探していきました。最終的に選んだ候補の方とスタバで子供達と一緒にインタビュー。子供達も今まで複数のベビーシッターさんを見てきているので、シッターさん選びのセミプロと言っていいと思います。他の候補者のスクリーニングも一緒にやってもらったのですが、ビデオ紹介を見て「ちょっとこの人じゃないかも」とか、子供なりの正直なコメントをもらえて面白かったです。

スタバで待ち合わせた時に彼女が率先して「車を見せるね」と自分から駐車場に行ったのも好印象でした。比較的新しい車を綺麗に使っていて、彼女が通っているという学校のパーキング許可証もついていました。シンプルなことですが、経歴詐称ではないだろうな、と思えたので。

彼女が以前に放課後ナニーをしていた家族の方にレファレンス・チェックとして電話でお話しさせていただき、彼女のID・学生証を確認し、無事決まりました。彼女も「子供達と気が合いそうだわ」と大喜びで、楽しみにしているようです。

(2)urbansitter.com

というわけでメインでお世話になったのはcare.comですがここにも同時並行でポストしてました。

urbansitterは地元サンフランシスコのスタートアップ。2011年創業、これまでに約$23 millionの資金調達をしていて、地元企業として馴染みがあるところです。創業者含めマネジメントはほとんど全員女性です。

こちらは登録は無料でシッターさんのプロファイルにアクセスできるのですが、実際にコンタクトする時にメンバー料金が($14.95/月)かかります。

Facebookや各種コミュニティーサイトと連携していて「deep social integration」が売りのようです。「あなたの知ってるグループの人がこのシッターさんを知っています」という形でシッターさんのリストが表示されます。いろいろなフィルターを設定して自分のニーズにあったシッターさんを絞り込んでいく、というものです。(ちなみに「言語フィルター」もあるので「日本語」を入れたら一人しかいませんでした。)

プロファイルの組み方もcare.comと同じで、写真・ビデオの自己紹介、シッターとしての経験が書かれています。(care.com同様基本的なバックグランド・チェック済み)こちらはプロモやクーポンで「お試し」もできるようで、まだユーザーベースの拡張に努力中、という印象でした。( care.comに比べてレスポンス少なかったです。)

(3)sittercity.com

2001年にシカゴで創業、これまでに約 $44 millionのベンチャー資金調達しています。マネジメントが男性中心なのがurbansitterと面白い対比でした。

今回は使ってないですが、以前お世話になった放課後ナニーはここで探しました。彼女とは今でもお友達つながりで、子供達からは「she was the best!」と高評価なシッターさんでした。

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こうしたシッターさんのマッチング・サービスが複数あって、本当に助かりました。日常生活の様々な「ニーズ」に応えてくれる人はどこかに必ずいるので、それを効果的にマッチングするプラットフォームが様々な分野で出てきてくれるのは消費者としてとてもありがたいことです。Mercariのように「売ります・買います」のマッチング、Uberのように「車で移動したい・移動させてあげます」、TaskRabbit(いつか書こうと思ってます)のように「作業を誰かにやってほしい・その作業します」。どのプラットフォームも複数の競合が存在してそれぞれに改善・進化を続けているのでこれからも成長分野じゃないかと思います。

マッチングプラットフォームを利用する自分たちも、人を見る目を養い、情報収集して賢いユーザーにならないといけないと思っていて、その意味では「ありがたやありがたや」とのんびりしてもいられないですね。

特にシッターさんには大事な子供達のケアをお願いし、自分の家に入ってもらう方なのでことさら「人を見る能力」やその人を上手にマネージする管理能力も必要になります。そういう意味では、保活そのものはWebツールで効率化されたものの、保育活動の方は今も昔も(これからも)大変なのは変わらないんでしょうね。。。

最後に日本での保活について個人的所感を書いておきます。

保育園不足、入るタイミングが基本的に年度始めの4月に限定、下の子が生まれたけど保育園入れなくて育休を延長すると上の子が保育園にいれなくなる(「親の就労」が前提のため)等々、保活問題関連の記事は読んでるだけでもらい泣きします。「保育園の入園許可は宝くじにあたったみたいなもの」って、何かが絶対におかしいと思います。

でも一番おかしいのは、20年前(もしかしたらそのもっと前から)保活問題がずーーーーーと変わらず続いてきてること。問題だ、大問題だ、って意識は浸透しているのに何も改善されていないって、どういうことなんでしょう。私の保活経験は20年前からなんですが、話のトーンがその頃と全く変わってないことに唖然とします。

この記事で「フランス人の知り合いから、「とっくにフランスならデモが起きている。なぜ日本人はこんなにおとなしいの」とよく言われます」とありますが、本当にその通りだなぁ、と思います。

保活中の方々の状況が少しでも改善されることを切に願うばかりです。遠くからですが、応援しています。

今日も読んでいただきありがとうございました。


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