見出し画像

HOMO LUEDENS(Man the player)を解釈する

1.遊びこそが人間活動の本質である

人間とは「ホモ・ルーデンス」=遊ぶ人である。

20世紀の偉大な学者の一人、「ヨハン・ホイジンガ」はそう定義しました。

昨今ではゲームや遊びは

基本的に遊びを人間にとって「意味があるもの」と捉えて、讃えています。

遊びとは大変重要な機能であり、いわばそこには何らかの意味があるのだ。遊びには、生命の内発的な必要を超えて、その遊びという行為に意味を与えるようななにものかが「働いている」のである。遊びというものには必ずなんらかの意味があるのだ。

『ホモ・ルーデンス』より

2.遊びの形式的特徴

また遊びの特徴については以下のように述べています。

遊びは自由な行為であり、「ほんとのことではない」としてありきたりの生活の埒外にあると考えられている。にもかかわらず、それは遊ぶ人を完全にとりこにするが、だからといって何か物質的利益と結びつくわけでは全くなく、また他面、何らかの効用を織り込まれているものでもない。それらは自ら進んで限定した時間と空間の中で遂行され、一定の法則に従って正しく進行し、しかも共同体的規範を作り出す。それらは自ら好んで秘密で取り囲み、あるいは仮装をもってありきたりのせかいとは別物であることを強調する。

まとめてみると、遊びとは

①自由な行為である 

②仮構の世界行われるものである

③場所や時間が限定されている

④秩序を創造する

⑤秘密をもったり仮装をもってありきたりの世界とは別のものだと強調する

たしかに、遊びは命令されたり物質的な利益のために行われる行為ではないので「自由な行為」です。また画面上やボードの上など「場所は時間を限定して」「仮構の世界」を作り出して行うものですし、新しい戦術などの秩序を創造するものでもあります。またごっこ遊びなんかでは普段と違う格好をして「ありきたりの世界とは別物である」ことを強調します。

確かに遊びには、こういう特徴があると考えられます。

3.遊びとしてのボードゲーム

ということでボードゲームを遊びだと捉える時に、重要なのは⑤だと考えます。①〜④の要素は自然と満たすことができますが、⑤の要素は能動的に満たしていく必要があるのです。

例えば、ボードゲームを楽しむ人同士でだけ通用する新しい用語を作ったり、普段とは違う格好をしてプレイをしたりするのが良いでしょう。

一例としては仮装をして橋の上で麻雀を行う遊びを実戦してみました。

図1:橋上麻雀の例

麻雀は「①自由な行為であり」 「②仮構の世界行われるものであり」「③場所や時間が限定されている」「④秩序を創造する」ものですが、「⑤の秘密や仮装などでありきたりな世界とは違うものであることを強調する」という部分が弱いです。

そこで、赤いジャケットを着ることでありきたりな世界とは別のものだと強調することができます。

ボードゲームの課題は⑤の要素をいかに満たしていくかということになりそうです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?