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B-REVIEWマガジン10月後半号

→そもそもB-REVIEWって何?


【前書き 10月前中盤戦を終えて】

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凄い勢いで投稿作が増えている10月期B-REVIEW。選考が開始されたのか、それとも別の理由があるのか定かではないが、非常に喜ばしいことである。そしてやはり気になるのは投票。なんといっても今回の選考は投票がなければ「受賞作なし。以上。」となるしかないので、投票をしてくださると非常にありがたい。また、今季より新たに「帆場蔵人氏」「afterglow氏」「るるりら氏」の三名が運営に参加してくださった。また、技術委員会では「竜野欠伸氏」「新染因循氏」の二名が参加し、体制が整いつつある。これからのB-REVIEWにも大いに期待してくださればと存じる次第である。


【特集:合評活動とゲーム理論】

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コメント。と、一概に言ってもそれを執筆する目的、方向性は多種に渡る。一つは作品の感想を書く。二つは作品に貰ったコメントへの返信をする。三つは作品の批評(アドバイス的な文面も含む)をする。ここで、一部の読者は疑問に思うだろう。一つ目と三つ目は一緒ではないのか、と。
確かに、両者の本質的な部分は似通っている。いわば作品に対して自らが思ったことを語る。しかし、なんとなく察せられるようにその方向性は全く違うものなのである。
分かりやすくするためにレスを受けた側の感情を表すこととしよう。感想で満たされるものは「承認欲求」であり、いうなら「読まれる」ことそのものに対しての満足感が魅力的な手法である。しかし批評はそうはいかない。アドバイスというものは得てして作品の悪いところを突く行為であり、もっとマイナスな言い方をするならばダメ出しである。ここで作者が満たされるのは向上心客観的視点だ。自分の作品を書き上げた直後は一種の催眠状態にかかっており、何となく良さそうに感じるものだ。感じない人がいるならばすごい。しかし、アドバイスはその幻想から解き放ち次作への更なる向上に努められるキーとして、極めて効果的な存在なのである。
しかし、現実問題として他人の作品にコメントを書く方は少ない。当掲示板の絶対的存在マナーガイドライン&ルール」に「合評活動には積極的に参加すること」(合評活動≒コメント)と記述されてあるのにだ。ただ、正直気持ちは分かるというか、普通は中々参加して下さらないだろうな、とも同時に思う。
なぜか。コメントを「受ける側」は、十分なメリットがあると言えよう。逆にコメントを「する側」はどうか。はっきり言おう。メリットはほとんどない
もちろん、メリットを出そうと思えば出せる。いや、実際問題としてあるのだろう。だが、それらのほとんどは遠回りすぎるか、他の媒体で十分補えるという所が問題なのである。
・コメント書いたら詩が上手くなるぜ→詩集読めばいいんじゃ。
・人と繋がれるよ→友達や恋人と遊べばいいんじゃ。
・選考に通りやすくなるよ→いい作品書いてもコメントしないと通らないとかマジ?さよなら
以上のように、「しなくても問題ない」という図式がきれいに出来上がってしまうのだ。なんということだ
では、何がいいたいのか。「コメントを受ける側は十分な利得」「コメントをする側はあまりに不十分な利得」というこの関係。経済的にみると確実に成立しない組み合わせなのだ。

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上の表は、コメントを書く人と書かない人の利得を示したものである。
定義:ここでは「コメントを書く」行為は自分の利得2、相手の利得6とし、「コメントを書かない」行為は自分のみに利得3とした。また、相手がコメントを書いてくれるかどうかは認知できない
A君の立場からみるとコメントを書く場合と書かない場合では「書かない」方が、相手が書いたとしても書かなかったとしても相手がこちらの利得を上回ることはない。そして、逆もまた然りなのだ。つまり計算上は青の四角で囲われた「両者コメントをしない」状況に落ち着くはずである。

この定義は数値が多様に変わるので一概に正解とは言えないが、少なくともゲーム理論上は「コメントを書かない」均衡に落ち着くはずなのである。つまり、現在B-REVIEWでコメント活動に励んで下さっている方々は「自分の利得が相手より下回ろうとも、他者へコメントを書いている」こととなる。つまり、利他の行いを良しとするまごうことなき聖人君子なのだ。

よって、コメント活動に参加せずに作品についた感想だけには「ありがとうございます」(以上)などと無味乾燥な返信を寄せるクソッタレはもっと感謝すべきだろう。そして我々運営は、さらにコメントを書く行為の利得の向上に向けた施策を考えて、少しでも恩返しがしたいと考える今日この頃である。

最後に、こちらを一読してくださると感謝である。


【あの詩にひとめぼれ】

-九月の終わりを生きる- from星空そとば

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墓、骨、という重めの言葉を出しておきながら、テーマはあくまで「季節」であるという構成が魅力的です。死を題材にした作品って「死」ばかりが優先されがちというか、他の情景が死に押し殺されてしまう印象があるんですけど、本作は秋の到来という季節を持ってくることでうまく融合している印象を受けます。好みの作品です。


ー枠の外でー from渚鳥

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「窓の内側では雨が、昨日の夢を削除している」
この冒頭でやられました。いい。非常にいい。本作は最後の言葉「廃線」が大きなキーワードとなっており、その真相を解き明かすために何度も読み込んでしまう魔法がかけられています。皆さんも本作を一読すれば、この「廃線・・・・?なんだそれ。」という魔法にかけられ、どういうストーリーなのか何度も謎解きに勤しんでしまうことでしょう。ちなみに、ポンコツな筆者は未だ分からずじまいなのであと10回は読むことになりそうです。


ーあいうえおを覚えた時、ままは泣いて喜んだー from月夜乃海花 創作垢

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これは凄い作品です。詩、なのかどうか、そんなことはどうでもいい。
お話的には漫画とかでよく見かける光景ですが、やはり詩というジャンルの見せ所はどこまで心情を読者へ切迫させられるか、なんかそんな事を感じます。あと、平仮名と漢字の調整も極めて絶妙ですね。すぐに漢字表記にするのでなく、じわりじわりと忍び寄るように漢字表記が現れるテクニックがたまんねえな


【息抜き4コマ劇場:ポエムくん】

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【現代詩ガチャをひとひねり】

ー梨ー fromシ可

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を描写した作品です。以上
と簡単に言えるほど甘くはなくて、ストーリー性のないタイプの作品はどれだけその描写で引っ張ってくるか、みたいなところに面白みがあると思います。本作は上手いと思いました。ただ説明するだけでは絶対に浮かばない梨食べたい欲が溢れてくる作品です。飯テロ作品。


【浮いて沈んでB-REVIEW】

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選考。そこがあるなしの明確な違いは何だろうか。それは[勝ち]と[負け]が存在するということなのだろう。
この状況における勝ちとは、すなわち受賞。そして、負けとは選外。簡単である。これ以上もこれ以下もない、コネコネ理論武装した説明も何も必要が無い。
そして、それは選考が「無かった」場合の雰囲気、すなわち勝ち負けが存在しないコミュニティの崩落を意味する。つまり、勝負事が無かった場合にB-REVIEWが満たす欲求が、無くなりはしないだろうが確実に変化する。
もっというと、勝負事がなかった場合のB-REVIEWは言うならばサークルだ。こういうとバカにしているようなニュアンスに聞こえるかもしれないが、決してそんなことは無い。サークルというコミュニティは一定どころかかなりの需要があると考えることが出来る。ありとあらゆる大学に、多種多様かつ膨大な量のサークルが存在する。その圧倒的ニーズに正直驚くばかりだ。
対して、部活動は熾烈な争いの場である。それは文化系部活動も然りで、コンクールや発表等、客観的に見ても携わっている部活への情熱の向け方が違う。
実際のところ、私が大学で所属していた部活動の勧誘はさながら地獄と呼んでも差し支えない有様であった。あらゆる新入生は[なんかやり甲斐ありそうで][無理しない程度]のサークルに吸い込まれていく。ちょっと宗教勧誘のおばちゃんの気持ちが分かりそうになるくらいに邪魔者扱いされていた。
でだ。一体どうなのだろう、今回の選考はニーズに合っているのだろうか。
そもそもB-REVIEWが目指す所は何処なのだろう。私は勝ち負けを好む傾向があり、そこに一喜一憂する事が楽しいと思える類の思考の持ち主なのだが、はたしてB-REVIEWのユーザーもそうなのだろうか。
つい先日私の所属する大学でのこと、我々に何の打診もなく急に今まで部活動で使われていた練習場が使えなくなった。どうやら何かを建設するらしいが、詳細は全く不明のまま上の一存で突然使用不可となった。説明責任。上に求められるのは、何よりもまず責任感なのだと思う。私が浮いても沈んだとしても、責任感は忘れないようにしたい。


【後書き】

B-REVIEWマガジン。次回から本格的に他者の執筆者を募集したい次第であります。また、今回いろいろとやりたかったことがあったのですが、自分の完全な準備不足であったので次回に繰り越そうと思います。(すみません・・・・。)あと、現代詩講座はカットしてみました。自分でもあんま満足いく出来ではなかったし、いい評判もあまり見受けられなかったのでいっそ削っちゃえと。
また、前回アンケートに答えて下さった方々にこの場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。今回もアンケートにお答えいただければ嬉しいです。次は11月1週目を予定しております。次回もご機会ございましたら宜しくお願い申し上げます。


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執筆

前書き:ふじりゅう
特集:ふじりゅう
あの詩にひとめぼれ:ふじりゅう
息抜き4コマ:渡辺八畳@祝儀敷
現代詩ガチャをひとひねり:ふじりゅう
浮いて沈んでB-REVIEW:ふじりゅう
後書き:ふじりゅう
協力:現代詩投稿=批評プラットフォームB-REVIEW



最後までお読みいただきありがとうございました!

是非ともアンケートにお答えくださると嬉しいです。


2019.10.17

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