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B-REVIEWマガジン11月後半号

→そもそもB-REVIEWって何?


【B-REVIEWトピックス】

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No1.大幅な投稿規定の変更、3作目も投稿可能に

12月よりB-REVIEWの投稿規定が変更される旨が、運営より11月15日のフォーラムにて発表された。

その内容はコメント数によって投稿可能数を管理するシステムであり、
2作品目の投稿には2作品へのコメントが必要。
3作品目の投稿には20作品へのコメントが必要。
が大まかな内容だ。「〇作品へのコメント」とは、「付与したコメントの作品数」がカウントされるということである。つまり1作品へどれだけコメントをしようとカウントは1しか進まないということだ。
また、今まで無制限で2作品まで投稿が可能であったにも関わらず、2作品目の投稿に制限が加わっていることも注目ポイントだ。


No2.投票期間が終了、最終選考が開始。

10月期の選考投票期間が終了した。投票には26名のユーザーが参加し、69作品の投票があった。これは全員キュレータ制度の投票とおおよそ同等の人数であるが、一人あたり約2.65作品の投票と最大5作品投票可能でありながら平均作品投票数は半数ほどであった。
投票ユーザーは、
survof、ふじりゅう、蕪城一花、左部右人、坂東 りつ、afterglow、渚鳥、つつみ、藤 一紀、ころね、桐ヶ谷忍、南雲 安晴、るるりら、羽田恭、楽子、夢うつつ、yamabito、仲程、杜 琴乃、星空そとば、をりふし水、榎津砂、黒髪、MUJI、千才森 万葉、エイクピア(敬称略)である。古参ユーザーも一定数存在するが、新規ユーザーも1/3ほど参加したようだ。
選考結果発表は遅くとも11月内には公開される模様。



【特集 新運営ってどんな人?】

各項は新運営の皆様に執筆頂きました。

るるりら氏

どうぞどうぞ ようこそお越しくださいました。ビーレビというサイトがあけはなたれた窓みたいに、新しい風を受け入れ 詩などの創作をする人々にとって 実り多い場所であるための 一助になればと思い この度は、運営の一員と させていただきました。
さて、自己紹介と申しましても なにをお話しましょう。そういえば、結婚をしているかどうかを きにしておられる方が いらっしゃいました。私は既婚女性です。詩誌での名誉ある賞は、なにも 受賞していません。この私になにができるか 全くの未知数ですが、ノビシロはたっぷりです。
いたらない点も 多々あろうと 思いますが、どうぞ みなさま ご指導ご鞭撻のほど よろしくお願いいたします。

afterglow氏

afterglow と申します。
猫を飼っています。夜型です。フォロワーからグルメと言われています。甘党です。
詩は深夜に「寝る前に」というプレイリストを聴きながら書きます。(それはもう短調の曲ばかり。。)
ビーレビに参加した経緯は、多忙を極めたふじりゅうさんのお手伝いをしたいと思ったからです。
思いがけず運営に入ったことが投稿するきっかけになりました。
新参者です、どうぞお手柔らかにお願い致します。

帆場蔵人氏

『私に元気をくれるのは料理の本と詩集だ』
どうもはじめまして或いはあらためまして、こんにちは。帆場蔵人と申します。上の言葉は古い映画の台詞をもじって(確か元は料理の本と聖書だったか)書きました。詩を書いているんだから詩集はわかるがなんで料理の本なんだ?と思われるかもしれないですが、僕が食べるのも作るのも好きな、万年食い倒れなやつだからです。例えば古代ローマのレシピや食の歴史なんかを読むのは僕のなかで、優れた文学作品を読むときと同じくらいの喜びを与えてくれます。まぁ、B級グルメやジャンクな食べ物も好きなんですが。
B- REVIEWの運営に入りはしたものの詩作歴はまだ二年ぐらいでして、お会いする詩人さんは皆んな先輩だと思っています。B- REVIEWという場所で僕が何が出来るのか? 未知数ではありますが主食じゃないけど、なんか無いと物足りないなぁ、と思って頂けるようなそんなものになれたら、と思っています。至らない点も多いかと思いますが、よろしくお願い致します。



【特集 二次創作と現代詩 -by羽田恭-】

二次創作と言われているジャンルがあります。
既存の作品(主にプロによるもの)を自分なり書いてしまうというジャンルです。
コミケやネットにはそういった作品が山ほどあるわけですが。
詩作品では珍しいかと思います。
 実際B-REVIEWで二次創作を投稿したのは、運営の渡辺八畳さんと自分くらいでしょう。
渡辺八畳さんがむしろ推奨しているのに。
 ちょっとこれについて考えてみます。

 正直、あまり二次創作については、“パクリだろ”“オリジナル作品を書くべきだ”という声ももちろんあります。
ですがここではメリットを挙げてみます。
まずファンとして楽しい。そしてその作品の素晴らしさを伝えられる。
楽しくなければよい作品は書けません。
その作品のファン心理を満たせ、またそれによって興味を他の人に抱かせることも可能です。
動画サイトなどで二次創作が黙認されているのは宣伝になるからとも言われています。
元にされる作品を必ずしも貶める行為ではないのです。
 また渡辺八畳さんがツイートしていたのが、自分の中にない語彙を使えるという点。
人様のふんどしを借りるので、そこにある語彙、表現、キャラクターを用いる事ができる。
有名なプロの作品は有名になるだけの物があるので、そこから学べたりもする。
 絵画では練習として絵の模写を行い、そこにある技術を身に着ける、という事をします。
二次創作もそのような効果が期待できるのではないでしょうか。

 ではどのような方法で二次創作をするのか。
渡辺八畳さんはまた別な方法論だと思いますが、自分のやり方を晒します。
 まず、元になる作品を読み込み、記憶に留める。
好きな作品でも意外と勘違いしてたりします。
できるだけ丹念に読み込みましょう。
そうしているうちにイメージが膨らんでいきます。
 次に、調べ尽くす。
ネット上に研究している人や、製作者の声などがあったりします。
思わぬ背景もありやらない訳にいきません。
ニコニコ大百科https://dic.nicovideo.jp、ピクシブ百科事典https://dic.pixiv.netがとても使えます。

 また、具体的な表現の仕方について。
自分の場合、その作品を知らない人も詩作品として読めるよう工夫しています。
具体例です。

2018年5月2日投稿「花の山」より

花の山に
暴力が薫る

 実はこれだけでわかる人には十分すぎる程わかってくれます。
わからない人も、詩として読んでくれます。
そうです格闘漫画のバキシリーズのステゴロヤクザの花山薫ですね。

2018年11月2日投稿 「ひまわり畑」より

幽かに香る
ひまわり咲く畑にて

 これもわかる人はすぐにわかります。
和からな人にも詩としても十分ありな表現ができました。
同人シューティングゲームの東方PROJECTの風見幽香です。
 こんな風にさりげなくわかる人にわかるような漢字を折りこむということをしています。
他には。

2018年2月1日投稿 「君についていく」より

おーい それ違うよ
もしもーし あーあ またやってしまったね アライさん
ちょっと待って ついていく ついていくから

 どう感じたでしょうか?
まりもさんはこうコメントしてくれました。一部抜粋します。

ユーモアに満ちた作品だと思いました。歌うような軽さが印象に残ります。

最後の「アライさん」も含めて・・・自由奔放に走り回る、若年性認知症を患っている方の介護のシーンを連想したりもしました。

 大成功です。
元の作品を知らない人にも楽しんでくれました。
ワード“アライさん”で感じ方が違う作品を作るという目的が達成されたのです。
実はこのアライさん、けものフレンズに登場のキャラクター、アライグマの愛称です。

 こんな風に一か所言葉を置く二次創作も有効です。

 いっそ説明不要な作品を元にするのもいいです。
自分はしばしばスーパーマリオを題材にしているのですが、あんまり上にあげた手法は心に留めていません。
それでも、やっぱりマリオは偉大です。
みんなわかってくれます。

 どうでしょう?
二次創作の詩はこのように書く事ができます。
こういったもので盛り上がるのも楽しいですよ。

最後に忘れてはならない事を。

元の作品に最大限の敬意を払いましょう。

このことを忘れずに、自戒をこめて。


【あの詩にひとめぼれ】

小銭のことば from TAKE -刺草-

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小銭が喜ぶさまを、祭りの情景とあわせて見事にとらえた逸品です。まあ読んでみてください。辛気臭くて暗い作品にあきあきしているそこの貴方、本作のどこか昔懐かしい温かさと微笑ましさに、仕事終わりの湯舟くらいの心地よさを感じることができますぜ。

ある夕刻 from survof

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。非常に謎めいた作品です。読者は推理小説の主人公になって、本作の意図を読み解く名探偵のような気分となれます。それにしても、本作の素晴らしいところは不可解な要素を上手に隠している点なんですよね。一見して普通の光景を書いた詩に見えてしまうのですが、ところがどっこいなんですよ。本作の魅力を堪能できるようになれば、現代詩に取りつかれてしまった証拠ですよ。ようこそこちら側の世界へ。

博愛主義   from 夢うつつ

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なんだこりゃ???
そのような感想がまず出ますね。本作は非常にダーク。赤色の血とかもそれを助長しているのですが、なによりタイトルの「博愛主義」ですよね。この作風で博愛主義。これはやばいっすよ。正直なんだか内容はよくわからないのですが、じっくり読むとガンガン寒気がしだします。つまり読者が恐怖を感じるように上手く作られているのですね。何気にこれは凄いことですよ。

画像がぼやけて見にくい?そんなに読みたいならタイトルにリンク貼ってるから作品ページへGO!


【不定期コラム 天才博士によるマッドな実験 -by三浦果実-】

前回の記事について「もっと切り込まないとおもろくない」という酷評を有名なびーれびウォッチャーから頂戴した。たしかに少し中途半端だったといえるかもしれない。何らかのスパイスが不足していた。そこで、今回はいきなり、初期の文学極道のことをぶち込んでみたいとおもう。今まで幾人かの文学極道ヲタな人による文極初期の衝動を考察するブログ等の記事があったと記憶する。

そもそもB-REVIEWの前身である「ブンゴクレビュー」とは文学極道を「外から」批評する、というコンセプトで立ち上げられたという歴史があった。これを再現することが現在のネット詩において「ラジカル」であるかどうかはわからないが、考えることより「やること」を優先する無謀な人間でありたいし、歴史というやつは一見、無鉄砲で狂ってるような奴が真夜中に立ち上げるものだ。だいたい中途半端に消えてゆくんだけれどもね。

2007年7月に文学極道のブログは始められたようでダーザインさんが最初に書かれた記事から当時の選考風景が滲み出ている。

「Million miles away」にも、「スカンジナビア」にも、宮下さんの作品には詩情がありますよ?
昔の現代詩人みたいなこと言われてもね。個体発生は系統発生を繰り返すものだが、現代詩病なんぞにかかっても痰つぼにはまり込むだけ。
何年か前、詩のボクシングの全国大会のテレビ中継で、端麗に美しくリリカルな詩を読んだ人を「今時抒情詩ですか?」とあざ笑ったのがねじめだったか誰だか忘れたが、糞みたいな詩を書いている現代詩人さんだ。その、ねじめだか誰だかを、俺は殴りつけてやりたい衝動にかられた。
宮下さんには独自のファッショナブルな文章をありのままに、こだわらず、追求して欲しい。

私は当事者でもなければ、当時の投稿参加者でもない。文学極道が「終わった」と云われ出した頃に遅れてやってきた熱狂的なファンにすぎない。だからこその「勘違い観」で思うがままに紹介する。
当時の「反・抒情」に対するダーザインさんの言いっぷり。その風潮が本当にあったのかどうかなんて知らないけれども、ダーザインさんが文学極道における毎月の選評によって何等かの「反骨」(死語か..)を表明したかったことは間違いないと思う。

原口さんの「途中まで」 。端麗で儚い美しさで素晴らしいが、物足りないとも感じた。
もうちょっと上等なものを出して欲しい。書ける人なのに、くだらない現代詩や、
このようなちょろっと書いたようなものばかり出されると頭に来る。

。。この言いっぷり、凄くないか。このようなコメントを今時のびーれび運営者がコメント欄に書いていたりすると「客観性無く感情的なコメントはお止めください」って「文藝を語り合いたい系」の良識な人々から物言いが付くのかもしれないし、そもそも「頭に来る」なんて書いたところで、どうなるの?って話かもしれない。際どいよね。際どいんだよこういう話は。でも、そんなグレーゾーンの中で繰り広げられて出される選考結果であったほうが、人間らしくて、真の健全さがあると云えないだろうか。その、善良観満載な講評をわざわざネット詩に求めなくてもいいじゃない。現実世界でやれるだろうし。
2007年7月のブログ記事には他に平川さんやケムリさんの選考雑感記事がある。併せて読まれるといいかも。

【現代詩ガチャをひとひねり】

グラスハープ from まりも

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人に必要なものとして「責任感」がありますが、責任感というものはかなり厄介なものでもあります。すべてを自己責任にするということは他者の目からみれば非常に清廉潔白に映るのですが、実際問題としてそんなことをしてしまえば自己のあらゆる行動に対して大変臆病になってしまう。
学生である主人公は端的にいうといじめにあっていると思われる描写が散見されるのですが、他方主人公はいじめを行う人に対して軽蔑の目を向けている詩句はないように見受けられます。その代わりにあるのは
「お日様に憧れていた罰だ」
「友達が親切そうに取り上げて、みんなの前で読み上げた」
といった自己責任を感じさせるような文ばかり。そもそも自分の文章を取り上げて読み上げ、笑われる地獄絵図の如き状況であるのに、その元凶である人物を「友達」と呼称する時点でなんかです。
涙を物干し竿に吊るしためだまから滴り落ちる水滴と表現し、グラスに水滴をいれて音を鳴らす。音は「青や紫に光りながら」「風に運ばれていく。」こんな詩句で締められます。暗い詩でありながら、後味は妙に綺麗な情景。
主人公がこのあとどうなったかを具体的に示す文章は発見できません。ですが、この最後の詩句の美しさがあるからこそ、主人公に救いがあるように思うことができるのです。読後の後味まで追求したと思われる本作の繊細な気配りは一級品であり、一度読む価値のある優れた作品です。

   【読者ピックアップ作品】
歯ブラシはたそがれ
ユーザーのご感想:
コメントしたとおりなのですが、この詩に歯ブラシは書かせないと思えるほど、心地よかった

ピックアップくださりありがとうございます!読者ピックアップ作品はマガジン最下部のアンケートフォームより承っております。


【浮いて沈んでB-REVIEW】

第四回 ユーザーフレンドリーは本当にフレンドリーか

B-REVIEWがツールとしてどの方向へ向かうべきかについて考える。一昔前からあらゆるサイトで理念として提唱されているキーワードが「ユーザーフレンドリー」だ。
ユーザーフレンドリーが具体的に何かと言うと、①充実したヘルプで②初心者に分かりやすく③失敗やエラーを容易に自ら解決出来るというところだろうか。これらは、UI原則としてかなり昔から語られているものでもある。
無論これらの要素はサイト構築の上で極めて重要なもので、絶対に欠かすことが出来ない必須項目だ。ただ、その上で申し上げたいことは「決してユーザーフレンドリーはフレンドリーではない」という事である。
優しさでUIを作る奴はクソだ。
最近のアプリにしても、テレビゲームにしても、何にしても妙にヘルプが多かったりするし、スタートガイドも結構な確率で搭載しているように思える。しかし、それはとどのつまり我々を幼稚園児扱いしているということではないだろうか。
ツールがあまりにも優しくて、何処に行くにも説明があって、過剰に気を遣われていると感じれば感じるほどそのツールには反吐が出る。何故ならそれは「優しさの押し付け」であり、ツール構築者の自己満足の範疇でしかないのだ。
初心者に優しくする理由は、別に初心者に気を遣っている訳では断じてない。単純にサイト利用者やアクティブユーザーを増やすが為に取り入れるべきものであり、過剰なフレンドリーはサイトを稚拙にするだけだ。
なんならツールにスタートガイドなんてものは必要ないとも思う。手探りで様々なボタンをポチポチして、最低限の情報を頼りに暗中模索しながら徐々に出来ることを増やしていく。それでこそツール=道具であり、それこそがむしろユーザーフレンドリーなのではないだろうか。
私は、B-REVIEWはもっとユーザーフレンドリーであればいいのにと思う。ここでいうユーザーフレンドリーとは無論広義としての優しさなんぞではなく、最低限の情報のみを記した硬派なツールとしてのフレンドリーだ。B-REVIEWはもっと硬派でいいと思う。万人に愛されるサイトを目指してしまうとむしろ万人には愛されず、硬派なフレンドリーこそがプラットフォームとしての理想なのではないだろうか。


【あとがき】

「はじめに」はもういらないなと思いまして、カットしてみました。その代わりにビーレビのニュースを紹介する感じで。
マガジンって需要あんのか?とかは気になるところでしょうか。勝手気ままに書いているのですが、意味あんのかな、などと不安になったりしますね。その意味でも、毎度アンケートにお答えくださっている皆様には感謝しかないです。
あと、マガジンは内輪っぽいノリをまあまあ入れたいなと考えています。と申しますのも、マガジンはそもそもニッチな層を狙ったものですので、大衆に合わせて誰でも分かる、誰でも面白いみたいに最大多数へ迎合する気が全くないからです。分かる人だけが分かればいいし、強烈に面白いと感じる人もいれば全く面白くないどころか不満が溜まる人もいる。そんなクソ狭い層をターゲットに、日夜内容を考えます。そんなニッチな皆様、これからもよろしくです。

【執筆】

協力:現代詩投稿=批評プラットフォームB-REVIEW


最後までお読み頂きありがとうございました!

ぜひアンケートにお答えくださればうれしいです!


2019.11.21

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