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【その①】セラピストが直したくなるポイントNo.1。骨盤後傾について考えてみる。

座位姿勢の観察で、よく聞く言葉「骨盤が後傾している」「仙骨座り」

骨盤後傾位=良くない座位姿勢

というイメージを持つセラピストの方は多いと思います。

でも、なんで骨盤後傾は良くないのか?

と聞くと、「………」となってしまうセラピストの方もいます。

私も若い頃、

いわゆる正常ではない=ダメ

という呪縛に囚われておりました。

何がダメって、中間位じゃないから。
中間位、正常 is  ベスト。
だってそれが教科書に載っているから。
それが答え。他は違う。

そんな残念な思考に縛られておりました。

はい、では今あなたの座位姿勢はどうなっているでしょうか?

骨盤後傾じゃないですか?

あなたはいつも、座っている時には骨盤が起きているのでしょうか?

多分、相当のツワモノや骨盤の意識高い系の人でない限り常に骨盤が起きているのはまずあり得ないんじゃないかと思うわけです。はい。

ということで骨盤後傾について、コメダ珈琲で骨盤後傾しながらパソコンを打っている小松がお送りします。

骨盤の後傾位はどんな状態?

骨盤の中間位は

矢状面上(横から見て)にて、
・ASISよりPSISが2横指程度上
・ASISと恥骨結合が垂直線上に並ぶ

とされています。ということは、
・ASISよりPSISが2横指上より低い位置にある
・恥骨結合よりASISが前にある

状態であれば骨盤が後傾していると言えます。

でもこれはあくまで骨盤の位置だけを見ています。

脊柱のことは無視です。脊柱の基本的なことについてはお知り合いのPTの濱田さんがすごく分かりやすくまとめてくれているので以下の記事をお読みください!

実践的な「脊柱弯曲」から診る姿勢評価と臨床推論

そう、脊柱には生理的弯曲があるんです。それにより衝撃吸収や円滑な運動が可能になります。

骨盤と脊椎の動きには連動性があります。
「腰椎骨盤リズム」ですね。詳しくは調べて見てくださいね。

骨盤を評価する際にも、ただ骨盤だけ見ていてもダメってことです。
・中間位で脊柱の生理的な弯曲はあるのか?
・骨盤の前後傾に伴う、腰椎の動きはあるのか?
を合わせて見る必要があります。

また介入においても、脊柱の弯曲や動きを無視してただ目に見える骨盤の位置を修正するだけではダメってことです。それにより、脊柱への負荷が増えたり、座位姿勢の不安定感が増し、患者さんが怖い思いをすることだってあります。

「骨盤が後傾している」から視点を変えて考える

骨盤が後傾している、というのは骨盤のランドマークを理解し触れることができれば評価できます。

でもそれを半ば強制的に他者が良い位置に修正した所で、患者さんの反応が良くなかったり、たとえ良くてもセラピストが修正し続けていないと保持できないという事態を経験することもあります。

骨盤後傾は目に見える結果でしかありません。

では、少し視点を変えてみましょう。目の前の患者さんは

なぜ骨盤を前傾したくないのでしょうか?

皆さんはどれだけ仮説を挙げられますか?

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