実技動画で学ぶ有料マガジン11

✅無料体験版✅実技動画で学ぶ有料マガジン「ローディングレスポンスにおける大腿広筋群の誘導」

現在、有料マガジンを作成しております!
今回はお試し版として、こんな形でやっていきます!というのを記事にしました。


今回は体験版なので、記事のスライドをダウンロードはできませんが、有料マガジン化した際には、記事内のスライドデータ(powerpoint・keynote版)もダウンロードして自由にお使い頂けるようにします!


今回のテーマは、

ローディングレスポンスにおける大腿広筋群の誘導

です!!!(動画は上から見れます)

歩行においてはこのローディングレスポンスがやはり難関になると思います。
多くの患者さん、そしてセラピストがここで苦戦しますね。


今回はローディングレスポンスに対するアプローチの1つの例として、大腿広筋群の誘導について説明します。


ローディングレスポンス(LR:Loading Response、荷重応答期)とは

歩行の立脚期は上の5つの相に分けられます。

ローディングレスポンス(LR)は見つかりましたか?
左から2番目にありますね。

歩行は相なので、
「ある現象A→→→→→ある現象B」の間の→が相になるわけですね。

LRの場合は、正常歩行であれば
「観察肢の踵が床に接地(IC)→→→→→対側下肢が床から離れる」
期間となるわけですね。

*IC(イニシャルコンタクト:初期接地)だけは「着いた瞬間」のことを指しています。つまりICはLRのスタートとも言えます。


なぜLRは難しいのか?

LRは歩行周期の中で、「最も筋活動が必要とされる相」です。

ICに足部は約1cmの高さから自由落下します。
そして対側が床から離れるために支持脚下肢に一気に体重が載って(床から床半力が一気にかかって)きます。

そんな中、支持脚下肢は、衝撃をうまく吸収しながら、さらにMSt(立脚中期)に向けて、重心を前上方へと進め続ける役割が求められます。

重心前上方へ十分に進められなければ、骨盤は足底より後ろに取り残され、
・お尻が引ける
・体幹が前傾する
・下腿が後傾(膝が過度に伸展)する

といった現象が出現してきます。よく見られる現象ですね。


これを予防するためには
・股関節伸展(大臀筋・大内転筋)
・下腿前傾(前脛骨筋)

の働きももちろん重要ですが、今回のテーマである大腿広筋群の役割に絞ってお伝えします。


LRでのイベント

まずはLRにおける骨の動きを理解しましょう!!

骨の動きとそれを引き起こす筋の働きの理解が動作分析やハンドリングには超大事です!!

良い動きや働きを知らなければ、評価も効果判定もできませんからね!


LRでの大事なイベントは、簡単にいえば
「下腿前傾とそれに続く大腿の前傾」
です!!!


先に下腿の前傾が始まります。それにより下腿近位部が前に移動し、結果として膝が屈曲します。ダブルニーアクションの1つ目の膝屈曲ですね。


大事なのは膝屈筋が働いて屈曲するわけじゃないってこと。
前脛骨筋の筋緊張によって前方に下腿が引っ張られた結果です。

だからこの相の練習をする時に「膝を曲げて〜〜〜!はい次は伸ばして!!」ってゆうのはちょいと違うってことです。ぼくは昔やった記憶がありますが。

この膝屈曲は衝撃吸収に重要です。ちなみに衝撃吸収には足部の働きや下腿の回旋も影響します。これはまたの機会に。

そして下腿の前傾に続いて、大腿の前傾(膝・股関節の伸展に作用)が起こります。IC・LR前半では床反力に対して、股関節伸筋の働きが大きいですが、大腿の前傾による骨盤の前方移動が起こることで、徐々に股関節伸筋の役目は少なくて済むようになります。

逆に考えれば、この大腿前傾が不十分であれば、骨盤の前進を股関節伸筋に頼ることになり、より股関節伸筋への負担は増えるとも言えますね。


LRにおける筋の働き

下腿の前傾については、前の章で話しましたね。

ここで大腿広筋群の出番です。

下腿の前傾による膝屈曲により大腿四頭筋は伸張されます。伸ばされた大腿四頭筋が戻ろうとする作用により、大腿を前方へと引き出します。

この時大腿直筋は働かないとされています。大腿直筋の起始部は下前腸骨棘でしたね。つまり大腿直筋が働いてしまうと股関節を屈曲させることにつながるからです。

だからこそ、LRのハンドリングでは、大腿直筋を過度に引っ張らないように注意が必要なんです。


大腿広筋群の誘導のポイント

触れる位置は動画をご確認ください。動画では大腿遠位部前面あたりから触れています。

大きくポイントは3つ!!!


【大腿広筋群で大腿前傾を誘導するポイント】

①下腿長軸へ圧をかける:
 膝・足関節を安定させるとともに、大腿の回転の土台となる下腿の軸の確立
 受け手側の荷重方向(下腿長軸方向)を明確にする

②内/外側広筋を脛骨粗面に引き出して大腿前傾を誘導
 大腿骨を徒手的に前傾させるのではなく、大腿広筋群の筋の張力により大腿前傾を誘導する。

③大腿ー下腿が垂直に並ぶまで誘導する
 大腿・下腿が直立し、その上に骨盤が載る状態までくれば、大腿前傾による骨盤前上方移動の勢い(慣性)によって、足関節を支点に大腿・下腿が一体となって前傾し、骨盤は慣性と重力で前進する。


いかに下腿を動かさずに大腿骨の回転運動を誘導できるかが大事

骨運動のイメージとしては、
下腿を動かさずに、いかに膝を支点とした大腿の円運動を誘導できているか?
が重要です!


セミナーなどで参加者さんも苦戦するのが

大腿広筋群を遠位に引っ張ろうとする時に
大腿遠位部・膝・下腿近位部を後方に押してしまう
んですね。

これをやると、膝ロッキングをセラピスト側が作り出すことになるので注意が必要ですよ!!


臨床につなげるためのアイデア

●動画では両手で持っていますが、片手でできるように:
 患者さんは大腿広筋だけに問題があるとは限りません。同時に股関節伸筋である大臀筋や大内転筋や、下腿前傾のための前脛骨筋をサポートすることもあります。

●大腿広筋の誘導で大腿前傾が十分起こらない時:
 筋の引き出しがうまくできていない可能性があります。どのくらいの力が必要なのか?引き出す方向などは、何度も練習して手応えをつかんでくださいね。
 ある程度うまく引き出せるようになっても、患者さんによっては大腿前傾が起こしにくい人もいます。その場合には股関節伸筋の働きが弱い場合があります。股関節伸筋をサポートすることで変化があるかを確認してみてください。

●大腿遠位部を把持しない方が反応が良い患者さんもいる:
 大腿遠位部を持つことで、患者さんによっては「膝」を過度に意識する人もいます。前に進むために膝を前に出そうと、膝を屈曲してしまう方の場合には、大腿の中央〜近位部を持ったり、「太ももの上の方を前に出して」という声かけの方が膝を支点とした大腿の回転運動が出現しやすい人もいます。


LRでつまづく患者さん、セラピストのお役に立てれば幸いです!!!

この記事もいずれ有料記事にする予定です!
無料体験版として、こんな感じなんだなーってイメージしてもらえれば嬉しいです。 


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