【その③】セラピストが直したくなるポイントNo.1。骨盤後傾について考えてみる。
「骨盤前傾してちょ(*´ڡ`●)」
そう、「おはよう」と朝の挨拶をする前に
おかん(またはおとん)に可愛く言ってみてください。
きっと返事はこうだ。
「は?!何意味わからんこと言ってんの」
「そんなことより、あんたの部屋に置いてある骨(その②参照)をどうにかしなさいよ!!何よあれ?気持ち悪いっ!!」
「気持ち悪いって言ったらね、あんたの部屋ガイコツと筋肉の絵が描いてある、壁にペタペタ貼ってあruhyaやhayakp赤rskrlzzっっっっっっh…!!」
…とまったく関係ないことにまでとばっちりがくるはずです。
骨盤のことを普通は知らない
【骨盤とは】
骨盤は、左右1対の寛骨、仙骨、尾骨で構成される。
これらの骨はいずれも成長とともに癒合するため個数が変わる。
寛骨 : 腸骨、坐骨、恥骨が17歳頃に一体化して1個の寛骨となる。
仙骨 : 5個の仙椎が癒合して1個の仙骨となる。
尾骨 : 3-6個の尾椎が部分的にあるいは全面的に癒合して尾骨となる。数は不定である(個々人で異なる)。
骨接続
・仙骨は脊柱の下端の骨ではない。下端は尾骨である。
・坐骨・腸骨・恥骨の結合部が大腿骨と接続して股関節となっている。
この受け部分を臼蓋と言う。股関節は肩関節と同じく球関節で自由度は3である。
(Wikipediaより)
簡単に書くと
骨盤=寛骨+仙骨+尾骨
*寛骨=腸骨+恥骨+座骨
すなわち
骨盤 = 腸骨+恥骨+座骨+仙骨+尾骨
となります。
解剖学や運動学を学ぶ機会がなければ、そんなこと知り得ませんね。
なんとなくの骨のイメージとせいぜい
尾てい骨(尾骨)
こしぼね(ASIS〜腸骨稜)
くらいですね。
そんな微妙な位置付けの骨盤。
形ですら曖昧なのに、運動なんていったら…
もっと曖昧じゃないでしょうか?
なんでセラピスト界隈では、キーワードかのごとく耳にする
骨盤の前後傾ですが、解剖学と運動学を学んで初めて聞くくらいなんでしょうか?
本当に大事なら、小さい頃から耳にしてもいいはずですが…。
「せすじを伸ばす!!!」
「背中が丸い」
は言われても、
「骨盤を前傾にしろ!!」
と言われた覚えはないです。
最近では骨盤を動かしてバランスを取るクッションやダイエットでも骨盤をキーワードにしているものも多いので、僕が子どもの頃に比べたら認知度は高まってきているかもですが。
てことは多くの患者さんは、
骨盤前傾好きなセラピストに担当され初めて
「骨盤を前傾して!」
というこれまでに聞いたことのないワード
「コツバンオゼンケイシテ」
に戸惑うことになるわけです。
対セラピストに例えると、
「カコウキョキンヲシュウシュクサセテ」
↓
↓
「下後鋸筋を収縮させて(前鋸筋じゃないよ)」
に近いニュアンスでしょうか?
骨盤ってどう感じてる?
では早速実験です。目を閉じて動かずに骨盤を感じてみましょう。
あなたは骨盤を感じますか?
感じます?
やばいですね。
てかこれを読んでる時点であなたは目を閉じていませんし、実験していませんね(笑)
一度やってみると面白いですよ。自分で骨盤ってどう感じてるの?って。解剖学を知っていると先程の絵のような骨盤を思い描いてイメージできるからこそ、骨盤らしき場所に上のイメージが描けるんですね。
でも実際にそんなこと感じちゃいません。明確には。
ブルース・リー師匠も言ってますよね
「Don't think,feel」
考えるな、感じろって。
では骨を感じる難しさを体験してもらうために、手の骨である豆状骨を感じてみましょう。もちろん触らずに。
これはイメージできても難しいはずです。イメージできなければどこにあるかすら分かりません。
豆状骨を認識するために、どこに注意を向けてどんな感覚情報を手がかりにしたら良いか分かんないんです。
そうなると豆状骨は実際に存在していながらも、実体験としては「ない」「分からない」となります。
おかんにとっての「骨盤」「前傾」も同様です。
体験を通じて理解してなければ「なんだそりゃ?」ってなります。
ただそれでも骨盤は存在してますし、実際には動作場面で骨盤前傾は起こっています。
骨盤のことを知ったからといって上手く動かせるわけでもないですし
骨盤のことを知らなければ動かないわけでもありません。
骨盤の形や動きを感じなくても、普段は動いております。
ただどうなっているか?が自分の体験で分かっていないと、骨盤が上手く使えてるのか使えていないのかすら分かりません。
何が起こっているか?今どうなっているのか?を自分で気づき、モニタリングできて初めて、骨盤を意図的に参加させることができるようになります。
あ、救世主の大腿骨の話し忘れた…。
また今度。
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