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橋本ドンのマンション管理士として思う事「マンションの保険について②」

①の続きです。

そもそも、共用部が原因で起こった事故は、管理組合の責任で保険や費用について対応しますが、専有部にて漏水等の事故が起こった場合、加害者側の区分所有者が、被害者側の区分所有者に対してその被害について賠償をするのが原則です。そして、その事故のリスクを、各所有者がリスクヘッジのために保険に入り、もしもの際に備えるのですが。。。

これを入っていない区分所有者が何気に多い事、その結果、大きい事故が発生した場合(例えば複数の部屋での漏水事故を起こしてしまった場合など)加害者が賠償すべき費用が払えない、その為、復旧工事がストップする滞るといった事が起こります。

その場合、だれが一番迷惑が掛かり、被害を受けるのか?!それは、ただならぬ被害者になります。被害を受けただけでなく、更にその復旧や被害品の家財も賠償して頂けないという事が起こります。そういったトラブルや被害を最小限にとどめるため、管理組合が所有者全員から頂いている管理よりその費用をカバーして、共用部の保険に特約として付ける場合が多いです。

ただここ最近、建物が古くなることにより、給排水管劣化やお客様の過失に伴う漏水事故が多発して、現状の保険内容では、保険会社も対応しきれなくなった、そう、保険会社の商品に対する収支が合わなくなったという事です。その結果、それに見合うだけの保険費用をあげる流れになったというのがここ最近の話です。

その為、これまで、管理費の中でカバーしてきた管理組合もあまりの保険料の高騰でその特約を外す動き(そうもともと所有者が責任持つものにて、そのリスクヘッジを所有者に戻す流れ)が出ています。また、併せて保険内容の見直し(総額の金額を減額する、免責を増やす<保険適用されても、行って金額以上の金額しか払わない。例えば免責が3万円の場合、5万の被害が出た場合、仮に保険が満額適用された場合でも、免責3万円を差し引いた2万円しか支給されない。3万円までなら1銭も出ないことになります>、他の特約を外す)といった対応をして、何とか保険の値上げに対して管理組合として対応されていますが、根本的にはこの個人賠償責任保険特約を入れるかどうかの判断になりつつあります。

ただ管理の人間としては、この保険があるかどうか、迅速な被害者の救済を考えるのでしたら、この個人賠償責任保険の特約にマンションが入って頂けていると安心しますが、今後はよほど資金的に余裕がある管理組合さんでないと難しいかな>!というのが本音です。

その為、現在賃貸管理において、各区分所有者様においては、これに代わる施設賠償保険の加入をお願いしており、加入されない場合は大きな費用負担をする可能性があることをお伝えしています。

なお、この話は各組合の判断になりますが、借りに特約を外した場合、これまで対応していた保険が急になくなるというのは大きな混乱を起こす可能性もあり、それにともなう、トラブルも多く起こりそうな予感がします。

兎にも角にも、今後は、外す流れになるとは思いますが、段階的に所有者さんに各自での保険加入を呼びかけ、計画的に外していく形が一番混乱もなく対応できるのではと思います。

今後もこういった話をふまえ、分譲マンションの管理についてお話をさせて頂けましたらと思います。

それでは、また!!


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