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はじめて未練をたらした素敵な男性

これもまた2年前の話。
1年以上お付き合いした恋人に浮気された私は、自暴自棄になっていた。

大学2年生の春休み、それを見兼ねた高校の時の同級生から、「星を見に行こうよ」と連絡が来た。(この連絡をくれた男性に未練をたらすことになる。)

はじめて星を見に連れて行ってもらって、温かいコーヒーとブランケットをかけてもらった。
翌朝は菜の花畑に行った。淡い記憶でしか残っていないが、鳥のさえずり、頬に触れる冷たい空気が、私を穏やかな気持ちにさせた。
その後も何度か星を見に連れて行ってもらった。

浮気されたことが辛いと何度か弱音を吐いていた私に、付き合おうよとただその一言。
女慣れしていない不器用な彼、顔もファッションも車の趣味もなにもかもタイプではなかったが、とにかく味方が欲しくて寂しかった私は、いいよと言っていた。

付き合ってはじめてのデートは、奈良公園だった。
どこ行きたい?と聞かれて咄嗟に奈良公園、大仏さんを見に行きたい。なんて言っていた。
口数の少ない彼が、友達に写真を送って自慢していた。かわいかった。

その後のデートは、彼の趣味に付き合う形で、有名な温泉地、お寺、心が癒されるような神秘的な場所にたくさん連れて行ってもらった。

付き合っていくうちに、どんどん彼にのめり込んでいく私がいた。
初めはタイプではないと思っていたところを含めて愛おしかった。大好きだった。

しかし、たった8ヶ月で彼にフラれた。
あまりのショックに、フラれた後の記憶がない。


大学4年生になった。病んだ勢いで「しんどい」と久しぶりに連絡を送ってみた。すると「今すぐいくから待ってて」と、30分もかからない速さで迎えに来た。家はそんなに近くない。
誰にでもするその優しさがやっぱり好きだった。恋人になりたかった私は、彼の復縁はしないよの一点張りは心底辛かった。
今生の別れなんだなと思った。

6月末に、「別れてからもずっと好きだった。これで君のことは諦めるからもう会わない。」と泣きながら伝えた。
「そっか、別にいいのに」なんて彼は言っていたけど、その優しさに期待するのと、もし彼女ができた時に「会えない」と言われたらひどく傷つくことを知っているから、私から会わないことを告げた。


はじめて未練をたらした素敵な男性へ

私がこんなにも未練をたらしたのは初めてでした。
未練をたらしてしまうほど、私を大切にしてくれて、たくさんの素敵な場所に連れて行ってくれて、身近に素敵な場所があること、私はアウトドアもインドアも両方楽しめることを気付かせてくれて、たくさんの人に出会わせてくれて、私のいいところも悪いところも全て認めてくれて本当にありがとう。
元恋人として名を挙げるなら、自信を持ってあなたのことを言います。
本当に大好きでした。幸せになってください。

一年半も未練をたらした私より

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