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【デュエプレ】 「タップ」を考える 

20弾ティザームービーは観ただろうか?

20弾では新たにオラクル、オラクリオン、ゴッド・ノヴァが登場する。
「神聖斬アシッド」は、中でもとても面白い能力をしている。

タップされているクリーチャーを無色クリーチャーに変換する


タップしているクリーチャーを破壊し、クリーチャーを展開するのだ。ここには、言外に物語性が示される。すなわち、
アシッドの能力における「タップされている」クリーチャーは「ひれふしている」クリーチャーを表すというものである。
これを実証的に語るにはオラクルとオラクリオン、ゴッド・ノヴァの関係を整理する必要があるが、もっとも手っ取り早く解釈できる能力がある。「光臨」である。

タップするには、攻撃せねばならない。

ここでのタップは、まさしくアシッドのそれと似て、祈りを捧げひれ伏す動作を彷彿とさせる。アシッドはそうした祈りに対して、踏みつぶしながら応える存在であるといえるだろう。生贄のようなイメージである。「ブロッカー」を持つのも意味深。

かように、「タップする」という動作には、あるイメージや解釈の余地がある。アシッドの新規なタップ能力を皮切りに、歴史を振り返るような形でタップする動作を見ていきたい。


「戦闘態勢としての」タップ

一般的な攻撃やバトル、ブロックなどでのタップである。「タップスキル」も基本的にはこれだろうか。(擬似的に相手に二回攻撃する、「ダブルソード・レッド・ドラゴン」がわかりやすい)

クリーチャーに二回攻撃しているのと同義


基本的には1度これでタップした場合そのままターンが終わり、アンタップは次のターンとなるのだが、「ターンの終わりにアンタップする」ものたちがいる。特筆すべきは、
「豪遊! セイント・シャン・メリー」のアンタップである。

長すぎる

所謂お嬢さまらしい「庶民よ! ワタクシにひれ伏しなさ~い!」ボイスが心地よいが、ここでの「ターン終わりにタップされている状態」は、「シャン・メリー」にとっては「頭を下げている」「ひれ伏している」同然の状態であり、それを自軍をアンタップすることで威厳を保持していると見ることができる。「シャン・メリー」においては、カードテキスト中でタップ状態の読み替えが行われていると考えられるのだ。すなわち、
攻撃する際のタップ➡戦闘態勢
結果としてタップされている状態でターンが終わる➡ひれ伏している
という風に、段階的に意味合いが変化し、最終的なアンタップによって「ひれ伏していない」自分すなわち非「庶民」としての相対的な威厳を示しているのである。
「キングダム・ゲオルグ」のアンタップ能力は悩ましいが、(神の意志を解さない)「愚者ども」との発言から、「シャン・メリー」と同様に自身を相対化してふんぞり返る動作としてのアンタップであるとの解釈もできよう。

愚者どもは理解しない。


一方で「ボルバルザーク・紫電・ドラゴン」や「アリバイ・トリック」あるいは「ムゲン・イングマール」などについては、単純に戦闘態勢の維持が可能な状態としてアンタップするものだろう。

トリックによるアンタップ

タップ状態とは、簡単にいえば「疲れている」ともいえる。「貪欲バリバリ・パックンガー」がなんどでも起き上がるのは、純粋な食欲からだろう。一方「ブルース・ガー」は疲れ切ってしまう。

タップされ続けてしまう

逆に、戦闘態勢に入るタップ動作の解釈として、「可能であれば攻撃する」がある。「不落の超人」「フィオナ」などだが、これは一概に規定できない。「フィオナ」も「大地にひれ伏せ」と発言するが、「シャン・メリー」の文脈からいえばフィオナ自身がひれ伏している状態にあるのが面白い。

「電撃などで痺れる」タップ

「ホーリー・スパーク」など、スパーク系統がそうである。次のターンにアンタップしないタップでは、電撃のエフェクトが入るのもわかりやすい。初期の光文明はこのタップが多く、無理やりタップさせているのにそれを「ひれ伏している」と認識するクリーチャーもいた。
一例として「アルグロス・クリューソス」は「ひれ伏すが良い!」と発言している他、「キングダム・ゲオルグ」のタップさせる能力もそれに近いだろう。ただしこちらは、電撃の要素も含んでいる。「神の威光」に痺れ、ひれ伏すのである。
痺れさせてタップする系統のクリーチャーは数多く、「ミール」「ミール・サンダー」「コロン」「コロビナー」「ガガ・コロリン」「マジェスティック・スター」など、枚挙にいとまがない。(「コロン」「コロビナー」は名前の通り、痺れさせて転ばせていると思われる)


「雷光の」使徒

「クラウゼ・バルキューラ」も縛り付けるようなエフェクトながらこちらに類するだろう。フレーバーテキストにも言及がある。

閃光で制圧している。


最近の、「プリンプリン」や「ガンリキ・インディゴ・カイザー」などがもつ、「攻撃もブロックもできない」ようにする能力も広義ではこちらに入るだろうか。

擬似的なタップ、行動不能である。

姫の威光、あるいは眼力で、行動不能とするのだ。「逆転王女プリン」はこの文脈に、癒し手としてのアンタップ要素を加えたものだろう。自他共にタップ・アンタップを使い分けているクリーチャーとしては、「キングダム・ゲオルグ」に似ているが、「ゲオルグ」のほうが独善的な印象を受ける。タップという動作が、フレーバーによって物語性を帯びる例である。

シャングリラの封殺を「逆転」させることができる

「眠っている」タップ

メイ様。タップとは元来のTCGでいえば横向きにすることであるから、プレイ中の動きに即した意味づけである。アシッドと相性がよいのだが、無事で済むだろうか。また、「ラル・スリーパー」も忘れてはならない。

数少ない、「寝かせる」タップ


「横になる」イメージでは他に、「ダイイング・メッセージ」があるだろうか。たしかにアンタップできないならば、メッセージを書く時間もあるだろう。

「縛る」タップ

「バインド・シャドウ」「リュウセイ・カイザー」など、そもそもはじめからタップしてでてきてしまう。正直なところあまり意味合いがわからないが、相手の阻害に重きを置いているのだろう。「スベンガリィ・クロウラー」に言及がある。

また、元祖ともいえる「聖霊王エルフェウス」フレーバーテキストには、以下のようにある。

こちらは、「ひれ伏」させている

「自ら祈り、ひれ伏す」タップ

アシッドの能力がこれである。続報に期待したいが、類似の能力がすでに登場している。
「次元院のディメンジョン・ホーン」や「ケロディSP」である。自ら無防備な状態になり、自壊してより上位の者を呼び出すという一連の効果は、アシッドが行う儀式に酷似する。そして、20弾にて「光臨」としてより美しく再演されるわけだ。ただし光臨の場合、攻撃などで自らタップされる必要がある。リスクを負いながら地にひれ伏し、降臨をこいねがう「光臨」に対して、アシッドは確かに応えているのだ。それは「ザビ・ミラ」の語る「生まれ変わり」に似ている。生贄による光臨は、果たして本当の信仰だろうか?


この、「破壊して生まれ変わる」能力は、アウトレイジの「ドロン・ゴー」とも対応している。破壊して生まれ変わることを軸に、オラクル・アウトレイジ両陣営の構図が既に示されているといってよい。

公式Twitterより。


https://t.co/FtskyUM0r7 



「無情」の極 シャングリラ


一万年も経ってしまった。

シャングリラのタップ時能力も面白い。相手の攻撃を止め、身を守るには、シャングリラ自身が攻撃することでタップ状態とならなければならない。根本に矛盾を孕むゼニスとしてのデザインがここにもあらわれているといえる。 

そして 

いままで様々こじつけてきたが、このようなカードがある。


タップする。

これはどう見るべきか。まさしく無法。妄言同様の安易なカテゴライズ、あるいは不用意な意味づけなど、アウトレイジにとっては唾棄すべき代物なのだろう。





「そのオラクリオンは、信者の魂から神を呼ぶ。」


https://dm.takaratomy.co.jp/card/



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