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【デュエプレ】音階の精霊龍 コルティオールの能力について【レは礼拝のレ】


備忘録的な記事である。まずはこれを見よ。

TCGのコルティオール
デュエプレのコルティオール

「コルティオール」の能力は、紙からいくらか変化している。
単なるプレイの簡易化、煩雑さの解消のためととらえてもよいが、私はさらに、「音階」の竜たるを表現したものだと見た。
対応する竜に呼応して、「パワーの大きい順に」タップする。「順に」というのがミソで、順番に鍵盤を弾く、「音階」のあり方と重なる。すなわち、バトルゾーンに横にならんだクリーチャー群を「鍵盤」ととらえ、イメージ的に接続したのち、それらを「タップ」、押し込んで弾いているという情景である。

デュエプレでなければ、これはできない。デュエプレで「タップする」とき、「横向きにする」イメージは薄い。あくまでも我々から見ると、「タップ状態」となることのみが表現されている。横向きにするイメージが薄く、むしろ本質的情報のみが観測されるプレイ感覚において、「コルティオール」の「音階」モチーフは映える。実際に横向きにするとやはり、鍵盤イメージとの接続は難しいだろう。TCGの「コルティオール」には見えなかった「音階」が、デュエプレで見事に立ち現れたのだ。

さらには、コルティオール前にバトルゾーンに音楽モチーフを導入しているのが効果的である。前弾デザイナーズの光文明は、「サザン・ルネッサンス」や「アガピトス」の横並びを、聖歌隊のようなモチーフで印象づけていた。

「共鳴」。やはり音である。


「聖歌」の意識

「サザン・ルネッサンス」のボイスに「声を合わせて!」とあり、「アガピトス」の付属BGMも鐘の音が印象深い。このようなコンテクストが与えられた光文明のバトルゾーンにおいて、「音階」の竜が相手の横並びを順番にタップするわけだ。音階というイメージに、能力解決と関連させた物語性を付与した上、それをプレイの簡易化、快適性にもつなげているのは大いに評価すべきであろう。

そしてなにしろ、デュエプレのバトルゾーンには「7体」しか出せないのだ。「コルティオール」には、デュエプレでしか成立しえない、「音階」がある。

コンテクストといえばもう一つ外せないのは、「霊騎コルテオ」だろう。いわずもがな、「コルティオール」の名は「コルテオ」をうけたものと思われる。「コルテオ」の名は「サーカスの開幕」を意味し、「コルテオ」のフレーバーはそれをふまえたものと見てよい。

「突如、世界に鳴り響く祝祭の音色。その音色と共に永き幻想の幕が上がる。」

コルテオとともにあるのは「音色」。うつくしき音楽のイメージは、コルテオの頃から意識されていた。デュエプレのコルテオは「ランダムに」タップするが、整然たる音階のイメージは薄い。これはむしろサーカスのイメージが優先であろう。

だが、これのもつタップ能力を「音階」と再解釈した「コルティオール」をデュエプレ仕様で実装したことは、ある意味で奇跡的な巡り合わせと見てよい。
「永き幻想」は、まだ続いているのだ。

コルテオに合わせて、能力を自動化した「コルティオール」。たったそれだけのわずかな変化が、私に「幻想」を魅せた。「ランダム」ではなく、「大きい順に」。それだけ。カードのテキストとは、かくも素晴らしく、面白いものなのか。デュエプレはまもなく4周年。こういうカードを忘れずにいたい。


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