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2月23日森見登美彦トークイベントに行く

皆様、こんにちは。
そろそろ3月も近付いて来ましたね。
それでも関西はまだまだ雪は降らねど雨が降り、比較的寒い時期が続いています。

そんな2月23日(金)、世間は天皇誕生日ということでお祝いされている方がいる中、私は京都烏丸御池にある読売のビルへと電車で向かいました。

今回は、『シャーロック・ホームズの凱旋』を出版されたばかりの森見登美彦先生のトーク&サイン会に参加するためです。
しかし、実家がほぼ京阪に近い地域だったため、基本京阪電車で京都に行く癖がついていた影響もあり、経路検索で阪急に乗るのもあり、むしろ若干交通費が安くなると知った時は前回の今村翔吾先生のイベントの時と言い、そんな選択肢が!!と驚いたものです。

話はさておき、開始が14時で開場が13時半という事で移動も含めてお昼食べる時間がないかなぁ。などと計算してしまった。
それで自宅から比較的近いコンビニで、眠気覚ましのコーヒーとパンを買って出かける前の元気チャージを行い出発。

私はこの時多めに時間を見積もるので、到着したら開場時間まであと十何分というタイミングでした。
さすがに中には入れないだろうと思いつつも、せめてお手洗いだけは先に行けたら、と考えて開場へ。
すると、私よりも早く来ている森見ファンが居てびっくりしました。
森見ファン、凄いな。どこか他人事な感想を抱きながら何となく先生を見やすそうな位置を確保し、入口付近に設置された著書販売コーナーへ、私イベントに参加しているけれど、森見作品を読み出したのが万城目学先生の直木賞受賞後という大変歴の浅い人間なので、『夜は短し歩けよ乙女』と『美女と竹林』を購入。
無事、お手洗いも済ませ、早速購入した本を時間まで読み出す。
しかし、『美女と竹林』は危ない。面白すぎて周りの迷惑になり兼ねないと判断して、いただいたホームズ栞を挟んで読むのを止めた。
一人でケラケラ笑うには会場が100人でいっぱいになるような場所なので、悪目立ちする。
これは家で楽しむべし、と本を閉じた。そして、知らなかったとはいえ、サインは一人一冊指定だったので、一体どれにサインしてもらうかギリギリまで悩んだ。(結局『美女と竹林』を選ぶのだけれど)グルグル問答や恋文の技術も面白くて大好きだけどなぁ。と先生の目の前に行くまで悩んだのでした。

それはあとの話ですが、定時になり森見登美彦先生登場。
あ、グルグル問答の巻末のマンガ家さんが描いている人物像正解やん。というのが第一印象。
読売の方ははじめ進行とか不慣れなのかな?という印象でしたが、段々時間が経ってくると参加者がいっぱい質問できるように進めて下さり、なおかつ色々と森見先生の引き出しを開けるサポートが上手でした。

中身の詳細は読売新聞や関連サイトにお譲りして、印象的だった話だけをご紹介したいと思います。
まず、1月23日の読売新聞掲載掌編小説について、イベント開始前にザックリと読んだ時はエッセイ?と思っていたらどうやら文字数少なすぎてエッセイ風小説を苦肉の策として挑戦したようです。
一部先生本人のエピソードと別の人物のエピソードを主人公が出会った男の子が行います。
今の森見登美彦氏からは想像もつかない厚かましい幼少期にビックリしました。
また、その男の子が逃げたあと主人公が叱られるシーンは、幼少期の話が自身の行動の後叱られたかどうか覚えていないそうなので、多分こんなんだったかもしれないと想像で書いたそうで、ここは美女と竹林に似たものを感じました。

掌編についての質問の後、シャーロック・ホームズの凱旋についてのお話に移りました。
元々ヴィクトリア朝京都という言葉を思いついてしまって、京都を舞台にスランプな自分と共に一緒にスランプについて考えてもらおうと始めたらしいのですが、雑誌で連載時はそこが上手くいかなかったようです。
それで過去のは全て捨ててしまい、一から書き直し、そこから半分またやり直して今に至るという大変思い切りの良い執筆をされ、連載時からは7年、単行本化まで3年かけて完成したという支えた奥様が素晴らしいと思いました。(ちなみに森見先生の奥様は森見先生の書いたメアリーが作家の妻としてあかん!とお怒りだったようです)
森見登美彦先生がスランプでダメだー。と落ち込んでいると、奥様は常に背中をさすって励ましてくれる良きパートナーだそうで、よくそれでかぐや姫と結婚とか腐れ大学生が乙女と付き合いたいって話書けたな、と森見先生の妄想の凄さに感心しました。

幼少期ご本人が自我が形成され、小説を書き始めた頃の作品を持参され、読売の方が朗読したのですが、この頃からホームズが好きで名探偵たっくんTの大冒険なるものを書かれていました。
しかし、内容が名探偵はどこ?大冒険不穏に終わってる!?と色々ツッコミを入れたくなる子供らしいと言えばらしい自由な小説でした。
そんなこんなで掌編小説をはじめ色々な質問が飛んでいました。
なんでダルマがよく出るのか?とかキャラクター作りの話とか爆笑しながら聞いていて、一つ感じたのは森見登美彦氏は、感覚で書いてる?というものでした。
なぜならキャラクター造形や作品の意図などを問われるとしばらく考え込んで、多分こうかな?とか全然考えてなかったとか言っていたりしたので、おそらくザックリとした枠は決めていても細かな人物像とかは動き出すキャラクター自身が決めるというタイプのようだったからです。

このタイプだとどこかで行き詰まるとスランプ脱出難しいんだろうな。理性で書いてるというよりイタコみたいにキャラクターが勝手にある程度動くんだろうななどと想像してしまいました。

あと、次回はいつになるかわからないが有頂天家族の第3部を書く予定らしいです。
連載は向かないからしない!と言い切っていたので、ある日完成した原稿で本が出てくるのでしょう。森見先生的にはこれが書けたら引退でもいいかな?って思っているとか仰ってたけど、個人的にはまた恋文の技術みたいな面白い形の小説も読みたいです。

所々万城目学先生の話も出てきて、直木賞の待ち会の時の話や万城目学先生のスピーチに対するツッコミがあー、見た目関西っぽく見えなくても関西人やなぁ。と思うノリでした。

ちなみにサイン会時にお住まいの奈良とかは舞台に書かないのですか?と聞いたら書きにくいから、そのうちって言ってました。
そして、森見作品読み始めたのがブログで直木賞の時の話を見て文体が面白い!作品もこんな感じ?って気になって、と伝えるとブログ書いてた甲斐があったと笑ってたので、良かった。

そんな気分で会場をあとにして、イノダコーヒー本店でパフェを食べて帰宅したのでした。

いつかブログもエッセイ風にまとまらんかなぁとか、ふと思いつつ本日はここまでとなります。

本日もお付き合いいただきありがとうございます。
次回もどうかよろしくお願いいたします。

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