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猫にホステス・・・こぽん事件簿


こぽこぽと音がする。

そのコポサウンドは
聴覚の発達した小生には
はっきりと聞こえるのだが
アレさんは全く気がついていない。

彼女はニオイにかけては人の100倍敏感だ。
特に嫌いなネギの類。
昼飯に使用したまな板を
ご主人さんが徹底的に洗ったとしても
「お昼、ネギ炒めた?」
あっさり見抜かれてしまう。

その食材が嫌いなわけではない。
残り香に不満があるという。
事実、調理で玉ねぎや青ネギを切っている際
「食べたらめっちゃ美味しいのに
 切る時 ほんまキレるわ。」と
否定からのスタートをきる。

先程からのコポ音。
無臭だからきっと気がつかないのだ。
早く教えてあげないと
床が大変なことになってしまう。

教える。っていうか
興味津々モードの小生は
立てかけてあった
仮面ライダーの腹筋みたいな
朱色の入れ物に向かって全力で突進。
音の湧き出る根源に
これでもかと体当たりした。

「んもぉ~何やってんのぉ
 そんなんするから
 床が びしょびしょやん!」
即座に小生は叱られてしまった。

が、漏れ水の量に疑問を抱き
アレさんは湯たんぽの蓋を確認し始めた。
パッキンという部分が劣化し
空気が少しずつ入り込んで
その代わりに中の湯が外に出ていた。
コポ音の正体はこれだった。

彼女はボクのために謝罪会見をひらき
償いはどうすればいいのか
うるんだ目で訴えてきたので
そんなは必要ありませんが
次回から湯たんぽのお湯を
ネギ風味にした方がよいのでは。
そう助言してあげた。

これで安心して眠れるだろう。

著者 スコット山田


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