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プロの漫画から学ぶ漫画の描き方4

※この勉強法は劇薬です。

もの凄いしんどいです。

時間もかかります。

初心者には早すぎる勉強法です。

最低でも視線誘導を意識したり

コマの中の情報量を調節したりしながら

漫画を製作してる人でなければ

ついていけません。

その上

ぼくは丁寧に教える気がありません。

それでもいい人は覗いていってください。



まずやることは

プロの漫画を軽く模写することです。


売れてる作家

上手い作家

自分の目指す作家

どれか参考にしたい漫画を選んでくださいね。


ポイントは長期連載してるものより

読み切りのほうが良いということです。


読み切りは

1話完結なので長期連載より作り込まれていて

作家の技術がふんだんに詰まっています。

あとは

新人時代のものより

連載を経験したあとの漫画のほうがいいです。

どの方も

新人時代よりはるかに力をつけています。


第4回です。

5ページの2コマ目からです。

追記


模写ではない実際の漫画が見つかったので

載せておきます。

こちらの方が解りやすいと思います。


あと

模写が甘かったせいで解釈に齟齬が生まれています。


いずれ本来の漫画のほうの解釈も載せますが

それも含めて考察力を鍛える参考にしてください。





5ページ



2コマ目 


このコマは真ん中の段の右端に

設けられているコマです。

場面は

1コマ目の屋敷の中でのやりとり。

屋敷の執事らしき人物が窓の外の雷を見ながら

雷のついての説明をしています。


その隣には和服を身に纏った

少年か少女らしき人物が

雷に怯えて耳をおさえて床に座り込んでいる

というシーンです。


この描写から

床に座り込んでいるキャラクターが

1コマ目で悲鳴をあげた人物だということが

分かります。



構図はロングで

それぞれキャラクターの全身が

全て収まっています。



これは絵で現在の状況

つまりどんなキャラクターが

どんな所で一体何をしているのか?

ということを説明しているのだと考えられます。



少年もしく少女は

西洋風な屋敷や執事とは

ミスマッチな和服を着ていいます。



そしてわきには大きな鞄。

これにより

この人物は屋敷の外部から

やってきたのだということが推測できます。



そして執事は屋敷に属する人物

だということも一目で分かります。



視覚的な仕掛け2つのフキダシ

2人のキャラクターの配置です。


それぞれ似たような構図で配置されています。



これは

視覚情報の側面から考えて

フキダシキャラクター

同じ構造の情報(絵)として

脳に錯覚させることが

狙いだということが考えられます。



この効果を実現するため

2つのふきだしはつなげられています。



これは視線誘導で

あとで視界に入ってくる

2人のキャラクターも

同様の情報(絵)として

錯覚させるために同じ構図

配置されているからこその措置だと

考えられます(2つ1セットのこと)。




これらのことは情報(絵)を

圧縮、整理することで

コマの中の情報を読者が

受け取る際のストレス(負荷)を

最大限減らすために作られている

仕掛け(視覚的効果)であると推測できます。



そして

絵とふきだしをまとめて密集させたため

コマ内の情報量の密度が増したことにも

注意しなければなりません。



これは読者にかかるストレスが

増えたと言えるからです。


それを軽減させる対策として

このコマは上から下へと

読み進められるように

視線誘導がおこなわれています。




さらによく観察してみると

このコマは

左側の空間は情報密度が高い反面

右側の空間は情報密度が薄いことが分かります。


この空間は

1コマ目の雷の効果音が

重なっていることと

窓が描かれていることから考えても

「窓の外から見える雷」

を表現したいことが読み取れます。



そして

その情報だけをシンプルに描いたことで

見た瞬間にそれが分かりやすく

感じ取れるように作られていると思います。



これらを踏まえた上でこのコマは

左右で描き分けられた描写が干渉しあって

二重構造を形成していることが考えられます。


左側の執事と和装の人物の

言動と行動1つ1つに

右側の

「窓の外から見える雷」

が常にかかっていると読み取れるように

構成されているからです。



「ゴロ」「ゴロ」という効果音も

この仕掛けを考慮して配置されています。


まず

前提としてこの効果音は

「ゴロゴロ」でワンセットです。


それをあえて離した意図は

別々の意味をもたせて

作られた左右の空間を

「ゴロゴロ」の効果音でワンセットとして

捉えさせるためだと考えられます。


そうすることで

視線誘導の際

片側だけに意識が偏ることなく

左右万遍無く意識が

行き届くようになるからです。



あとこの効果音は

「窓の外から見える雷」

の情報に厚みをもたせているという効果もあります。



「ペタン」という効果音は

座りこむ動きを表現するため

斜めに下がっていく構造をしています。




今回はこれで終わりです。

お疲れさまでした。

ありがとうございました。


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