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小説を教わったことがない

思い返せば、誰からも小説を教わったことがありません。中学から小説を書いていますが、文芸サークルに入ったことがなければ、大学も文学部ではないし、小説教室に通ったこともありませんでした。

小説の書き方を記した本を読んだことはあります。学生時代は結構たくさんの本を読んだ気がします。一番ためになって今でも覚えているのは、スティヴーン・キング御大の「書くことについて」です。何度も読み直しました。

誰からも小説の書き方を教わったことはありませんが、教わろうと思ったこともありません。小説の技術は教わるものではなく、自分で習得するものだと偉そうにしているわけじゃなく、昔から他人に教わるのが苦手なんですよね。人の講義を受けるよりは、自分で手を動かして考える方が上達する気がします。
受験のときも、学習塾に通いませんでした。偏屈なんですよね。

僕の偏屈さはおいといて、キングの「書くことについて」にありましたが、小説を書くコツは、よく読んでよく書くことだと思います。
まずは良い小説を読む。偉大な作家が描いた傑作こそが優れた教科書になります。一流の見本がたくさん流通しているのですから、読んで真似した方が手っ取り早いです。とにかく小説をよく読むようにしました。

良い小説を読むと自分の文章力の低さと語彙の無さに気がつきます。
自分の語彙を増やすために、中学生の僕は気になる言葉をノートに書き残すようになりました。
拙作「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」には、語彙を増やすために言葉をノートに記す話が出てきますが、あれは僕の実体験です。

あとは書くことです。中学生の頃から、濃淡はありますがずっと書き続けてきました。日記ももう何十年も続けています。ブログも1000記事以上書いたし、Twitter小説(X小説?)も3000以上書きました。まさに、「よく読め、よく書け」です。
そんなことを飽きもせず、何十年も継続して、25作品以上も小説を書いていれば、少しはなんとか形になってきた、と思いたいです。
Kindleで多くの人が毎日読んでくれているし、賞もいただけたので、ある程度のレベルまでは達しているのでは、と思いたいです。

もちろん、このやり方は人に教わるのが苦手な僕のやり方であり、小説教室や人に教わって伸びる人も多いと思います。
新しいことをはじめるのになんでも講座に通うことからはじめる知り合いがいました。マイホームを建てる前に、「マイホーム取得講座」に通いはじめたのはまだ理解できたけど、引っ越し前に「引っ越し講座」に通いはじめたときは、そんな講座があるのかとビビりました。でも、その人にとっては、新しいことは他人から学ぶことであり、それが自分のやり方だと認識しているのでしょう。
当たり前のことですが、自分に合った方法を見つけるのが、どんなことでも最善なのでしょうね。万人に効く特効薬はないというわけです。


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