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動詞で終わるタイトルに憧れる

小説のタイトルをつけるのが苦手です。
昔は結構スパッとタイトルをつけていたのですが、最近は書き上げた後でも、かなり悩むことが増えてきました。
拙作「ふたりの余命」も、散々悩みました。書きはじめる前につけていたのは「ふたり合わせて余命三年」というタイトルでした。
まだその頃は、いわゆる「余命もの」がなく、タイトルに「余命」を入れたかったのと、普通の物語で亡くなるのは1名だけなので、このタイトルをつけていました。
だけど、書いているうちに「合わせて余命三年」というのがややこしく感じてきて、色々考えているうちに徐々に短くなってきて、最後は「ふたりの余命」というシンプルなタイトルに落ち着きました。
書籍化されたときに、「ふたり合わせて余命三年」みたいな「余命一年の君と余命二年の僕」のサブタイトルがついたのは何か運命的な気がします。

昔から動詞で終わるタイトルに憧れます。「吾輩は猫である」「鷲は舞い降りた」のような古典的小説、傑作ミステリーの「すべてがFになる」、小川洋子さんの「猫を抱いて象と泳ぐ」など秀逸なタイトルが多い気がします。

僕の小説の中では、「月の娘にスープを送る」が動詞で終わるタイトルですね。意味深だし、結構気に入っています。やっぱり動詞終わりのタイトルはいいなあ。

他の作品のほとんどは、名詞で終わるタイトルです。
あ、「星の光と」がありますね、動詞じゃないけど。

短い名詞でピシッとしたタイトルもいいですが、動詞で終わるタイトルは広がりがある気がしていいですよね。
いつか、また動詞で終わるタイトルの小説を書きたいです。


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