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稀な屋久島旅行

大学生のときに、屋久島の杉の木を見たくて友人と行った。貫禄があるのだろうなぁ。自然がいっぱいで、なんならもののけ姫のコダマが出てくるかもしれない。なーんてワクワクしながら、人生で初めて九州の地に足をおろした。

3月の鹿児島。なんかひんやりする。長袖は持ってきているけど、まだ肌寒いなと感じた。

杉の木ツアーは、翌日朝5時から登り始めるので、前のりして山登り用の服や靴をレンタルし、準備万端だった。

当日朝4時。むむ?外が白いぞーー!!なっなんと雪が降ってるではないか!え?今3月よね?ま、まじか…

まさかの事態に、レンタル屋さんもあわあわしていた。トレッキングシューズにスパイクのようなギザギザがついたものをとりつけないといけないからだ。3月に雪なんぞ滅多にないらしく、稀な日に来てしまった私たち。

寒さと地面が雪で滑りやすく最悪な環境な中、山登りが始まった。私のテンション、ダダ下がり。コダマどころかフブキが見えてる。緑ではなく銀世界。これはこれで今思えば綺麗だけど当時の私は、そんな余裕もなく、とにかく悪条件の中3時間かけて、朝8時、屋久島の杉の木さまとご対面した。

『ん。帰りたい。』感動すらなく、ただただ家に帰りたい。

運動不足すぎて、もう歩きたくなかった。飛んで帰れるなら飛んで帰りたい。山を降りる体力もあるのか。生きて帰れるのか。なんて考えながら、とにかく人生終わったわくらいのテンションで無言で山を降りた。

一緒にきた友人は、ものすごく感動しており、杉の木の前で叫んでたりしてた気がする。(遠い記憶)私はもうそれどころではなかった。

吹雪の中、杉の木を見てお腹空いたなぁ。早くご飯食べたいなぁ。寒いなぁ。私なんでこんなことしてるんだろう。なんて思いながら山をおりた。

今思えばもう少し体力をつけていくべきだった。ダラダラした大学生活を送りすぎて、体力がなさすぎた。そして、心の余裕もなかった。

ホテルに戻った瞬間。
『よここ、全然楽しそうじゃない!!』

友人が怒り泣き出した。

『……ごめん。』

と私は言ったが、友人は外へ飛び出して行ってしまった。後を追っかけごめんごめんと宥め、レンタカーで町を観光することに。

小学校や中学校、のどかで人が誰もいない町をドライブする。

私は表に気持ちを出しすぎたことを反省し、テンションを上げていった。徐々に友人もそのテンションをみて、気分がよくなってきたようだった。

そのあとも、特に問題もなく旅行は無事に終了。

この旅で私が思ったことは、自分は、ひとり旅が一番あっているのかもしれない。と…振り返って感じた今日この頃でした。



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