合同会社の設立手続きは、法務省に詳しく書かれたページがあるので、これを読んでいく。
法務省:合同会社の設立手続についてhttps://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00141.html
合同会社の設立の流れ
会社は、法的には登記の完了をもって、申請日に成立する(定款の日付でも、登録完了日でもなく、法務局に申請した日)。登記に際しては、書類の日付がポイントの一つになる。書類の日付が上記の流れと矛盾のないようにしなければならない。例えば、出資の履行日(出資金の振込日)が定款の日付よりも先になってはいけない(後述)。
定款の作成
定款の作成は社員になろうとするもの(社員は従業員ではなく出資者)が行う。司法書士や行政書士にも依頼が可能。株式会社の場合、司法書士は登記手続きまで依頼できるが、行政書士に頼めるのは定款認証までで、登記申請は依頼できない。なお、合同会社は定款認証は不要。(参考:認証は公証人が行う)
なお、以前私が作成した定款について、以下で公開しています。
絶対的記載事項
絶対的記載事項は記載必須。以下で事項ごとに記事にしているのでご確認ください。
【目的】
【商号】
【本店の所在地】
【社員の名称又は名称及び住所/社員の出資の目的及びその価額又は評価の標準】
【社員の全部を有限責任社員とする旨】
相対的記載事項
相対的記載事項については以下で記事にしているのでご確認ください。
任意的記載事項
特に定款に定めることが決められていないが、予め決めて置いたほうが良いと思われる事項。記載して登記されたあとに変更するには、社員全員の承認の他、定款変更の登記申請が必要になる。
出資の履行
「合同会社の設立の流れ」で見たように、出資は定款の作成後、登記するまでに行わなければならない。定款には日付が必要なので、2023年10月4日の日付で定款を作成した場合、払い込みは10月4日以降でなければならない。間違えて定款の日付の前に払い込みをした場合、登記手続きにおいて補正を求められる。
以前、小さな非公開会社で株式関連の仕事をした時、この日付が結構問題となる事が多かった。例えば、募集株式に関して事前に約束がなされていたため、当該株主から払い込み期間以前に会社の口座に払い込みがなされてしまっていたせいで、補正が必要になるようなケース。登記において払い込みがあった通帳のコピーを提出する必要があるのだが、日付が矛盾してしまう。
定款と出資金の払い込みの場合、定款の日付を払い込み前にすれば手続き上は問題がないが(例えば10月4日に定款を作成したが、払い込みを10月3日にされてしまった場合、定款の日付を10月3日にする)、事前に周知して余計な手間を掛けない方がよい。
なお、会社設立前には当然会社口座はないので、代表社員の口座に払い込み者の名義で振込を行うことになる。
合同会社の設立登記申請の手続き
設立の登記
本店所在地の管轄法務局は以下で確認できる。
登記申請の方式
登記はオンライン/または書面で行うことが可能。手続きについては別途まとめる予定。
登記すべき事項
上記については申請画面(オンライン)/書面(持参又は郵送)に記載するため、手続ききちんと行ってけば満たせる。
申請人
合同会社の社員は、定款に定めのない限り全員が代表社員なので、社員の中の一名。
記載事項
申請書については別途まとめる予定。
添付書面
添付書類についても別途まとめる予定。
登録免許税
計算すると、資本金8,571,428円までだと6万円に満たない計算になる。実際には、課税標準となる資本金の1,000円未満の端数は切り捨て、計算後に100円未満の端数金額も切り捨てとなる。なので、資本金8,585,999円までは登録免許税は6万円である(課税標準8,585,000×7/1000=60,095→100円未満切り捨てで60,000)。ただ、下に書いた通り、資本金額は調整できるので、わざわざギリギリの額を資本金として計上する意味はあまりないのではないだろうか。
合同会社は株式会社と異なり、資本金の計上に制限がないので、払い込まれた全額を資本剰余金に計上することも可能であり、いくら振り込まれようが資本金0円とすることができる。このため、設立時に際して払い込みが1億円あったとしても、資本金0円とすれば登録免許税は6万円のみとなる。以下、参考までに株式会社の資本金についての条項を引用。