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スペイン語学習を通して気づいた言語学習のポイント

今年5月から、スペイン語の学習を始めました。実はスペイン語学習に挑戦するのは今回で2度目です。
1度目の前回は、10年近く前のことです。そのときはレッスンが厳しすぎて、どうも楽しいと思えずすぐに挫折してしまいました。しかし、今回は楽しく続けられています。
ゼロから始めたスペイン語学習ですが、5ヶ月が経過したいま、全ての言語学習に通じるポイントがあることに気づきました。英語学習にも生かせると思うので、学習者のみなさまの参考になれば嬉しいです。

5ヶ月前の私のスペイン語力と日本語ゼロのレッスン

「2度目のスペイン語学習ということは、ある程度知識があるの?」と思うかもしれません。ですが、1度目のときは初日のレッスンで「あ、これはムリだ……」と、一瞬で拒否反応が出てしまったため、スペイン語の知識はほとんどありません。知っていることといえば、スペイン語には男性名詞・女性名詞がある。いくつかの数字、たとえば Uno(1)や Quatro(4)がわかる程度でした。
そんな状態で受講することにした講座は、なんと基本的にスペイン語のみで行われるものでした。というのも、担当講師が日本に来たばかりで、日本語が全く話せないからです。解説が必要なときには、英語で説明してくれるということでした。自分の英語力でちゃんと理解できるか少し不安でしたが、まずは受けてみることにしました。すると、思ってもみなかったメリットや気づきが出てきました。そして、それが他言語を学習するときに押さえておきたいポイントだと感じました。

言語学習をするときに押さえたいポイント

1)無理をしない

レッスンを受講し始めてすぐ、意気揚々とスペイン語の YouTube を探しました。語学学習アプリの Duolingo もスペイン語のコースを追加しました。が、あまりにもわからなさすぎて、すぐに断念してしまいました。ですので、最近まで私がやっていたことは、週1回のレッスンに通うことだけです。ですが、最近何となくわかる音や単語が増えてきた実感があったので、軽い気持ちで Duolingo を再開してみました。すると、5ヶ月前とは比較にならないくらい、問題が解けるようになっていました! それでもコースを進めていると、未知単語やフレーズが出てきて難しく感じることはあります。その場合にも「あ、新しい単語だな」と、焦らず取り組めるようになりました。

英語学習もそうですが、全くわからないゼロから、ちょっとわかる0.5くらいの状態になるまでが非常に辛いです。でも止めずに継続していると、必ず成果が出ます。この辛い期間を乗り越えるためにも、無理は禁物です。
ただ、言語に触れる時間が多ければ多いほど、辛い期間は早く過ぎ去ります。なので、多少無理してもいいから早く次のステップに進みたい! という方は、取り組む時間を増やして、その言語により多く触れるといいと思います。

2)言語に触れる環境

スペイン語学習を始める前から、私の身近にもスペイン語話者は多く存在していたはずです。ですが、彼らと知り合うことすらありませんでした。それが最近急に、スペイン語話者と関わる機会が増えました。不思議です。
そのきっかけを考えてみると、私が学習を始めたことを知っている友人のおかげでした。スペイン語話者がいる場面になると、彼女が私のことを「この人、スペイン語学習してるんだよ」と紹介してくれるようになりました。するとそこから会話が広がります。ですが、私はまだ彼らとの会話に参加できません。それでも、自然な会話が飛び交う輪の中にいることで、スペイン語の音にどんどん馴染むことができます。少人数での会話になると、「今のはこういう意味だよ」と、説明してもらえたりします。

言語学習者にとって、自然な会話が飛び交う環境に身を置くことは非常に大切なことです。「そうは言っても近所で外国人は見かけないし……」という方もいらっしゃると思います。ですが、自分が気づいていないだけで、意外と身近で外国人が生活しているかもしれません。
近所で外国人を見かけない場合は、お住まいの地域の役所を尋ねてみるのもいいと思います。在日外国人向けのイベントやセミナーのサポートスタッフとして、ボランティアで参加できるかもしれません。
また、お子さんが小学校や中学校に通っている場合は、ALT 講師として滞在している方と、学校のイベントを通して交流できるかもしれません。
英語話者が参加している社会人サークルなどをご存じの場合は、一歩踏み出してそこに参加してみてはいかがでしょうか? そうすることで、輪が広がっていきます。
どうしても近くで見つからない場合は、オンラインのコミュニティに参加するのもアリだと思います。

3)母国語を極力介さない

日本語での説明がないレッスンを受講してみて、言語学習は母国語を介さないほうがいいかも? と感じています。つまり、あえて日本語を介さずに学ぶのです。
英語もそうですが、スペイン語も日本語からかけ離れた言語です。それを日本語のルールと照らし合わせるのは無理があります。それならばいっそ極力日本語を抜いて、学習したほうがいいのでは? と感じています。

英語初心者の方や、久しぶりに英語学習を再開する方の中には、いきなり英語だけで学習するのは厳しいと感じる方もいると思います。その場合は、一度、中学英語を復習してください。

それが終わったら、ネイティブの児童・生徒が読んだり聴いたりする本やポッドキャストで、生の英語にたくさん触れてください。そうすることで、日本語を介さずに英語を身につけることができます。
多読初心者にオススメの本をこちらの記事で紹介していますので、よろしければ参考にしてください。

4)言語学習中または経験のある講師から教わる

スペイン語学習のモチベーションを高く保てているのは、講師が日本語学習中というのも大きいです。レッスン初日は、「こんにちは」「私の名前は○○です」と、言うのがやっとだった彼女。それが、3ヶ月経った頃には、驚くほど多くの単語や、簡単な文章を口にするようになっていました。彼女が日本語、私がスペイン語を始めた時期はほとんど同じなのに、この違い……。毎日継続することと、そうしないことの違いを目の当たりにしました。
また、彼女は英語学習の経験者でもあります。スペイン語の感覚で英語を話したときにやってしまった失敗談なども話してくれます。こういう話は、ただ文法の説明をされるよりもスッと入ってきます。

Brighture の講師は、ほぼネイティブのように英語を話します。しかし、彼らにとっても英語は第二言語です。なので、英語学習者の大変さも理解してくれます。発音のコツや英語学習にオススメのコンテンツの情報も、たくさん知っています。
ネイティブには「自然な言葉を話す」という強みはもちろんあります。しかし、自然に身についたことをわかりやすく説明するのは、結構大変です。なので、言語学習中または他言語を学習したことがある講師から教わることをオススメします。

言語って「音」なんだ……と、再認識

先日、アルゼンチン出身の友人にこう言われました。

「誰かが話してるのを聞いて、それがスペイン語なのか別の言語なのかわかる?」

そう訊かれて改めて、「あ、そうか言語って音だよな」と再認識しました。

こちらの記事でも、そのことについて書いています。

このときの出来事をきっかけに、子ども向けのポッドキャストも聴き始めました。文字を見ながらだと、何となく理解できていたことが、音声だけだと途端に理解度が下がります。知っているはずの単語もまったく聴き取れなくなり、思わず笑ってしまうほどです。ですが、音に慣れるために聴くようにしています。
ちなみに私はまだ、パッと聴いてそれがスペイン語かどうか判断できません。まずは、それを聴き分けられるようにするのが、目下の課題です。
皆さんは、他言語を聴いたときに、それが英語か別の言語か、すぐに判断できますか? 「ちょっと自信ないかも……」という方は、ぜひ生の英語音声をたくさん聴いてください。ポッドキャストや YouTube などで、音源は選び放題です! ポッドキャストに関する記事もいくつか公開していますので、ぜひそちらも参考になさってください。

「そのときが来たら話せる!」のマインドも大事

言語学習を始めた日が、その言語を話すあなたの0歳の誕生日です。そして、1歳の誕生日を迎える日は人によってバラバラです。というのも、1日に触れる量は人によって大きく異なるからです。ですので、あまり「○ヶ月やっているのに」「○年やっているのに」と考えないほうがいいと思います。

私のスペイン語は、当然まだ0歳です。日数で考えると、すでに5ヶ月を超えていますが、時間に換算すると、これまでレッスンを受けた19時間とそれ以外でスペイン語に触れた約3時間の計22時間です。まだ1日にもなりません。なのでアウトプットができなくて当然。いまはインプットの時期だと考えています。このマインドになってから、少し気が軽くなりました。

言語学習を毎日続けていたら、必ず話せるようになります。ですので、「こんなにやってるのに……」と、あまりネガティブに考えすぎないでください。特に、自分を追い込んで燃え尽き症候群になるタイプの方。また、お仕事やご家庭の都合で、1日の学習時間をあまり確保できない方は、無理なく継続するためにも、そのときが来たら話せるようになる! のマインドで取り組んでみてはいかがでしょうか?

モチベーションを保つ秘訣は?

最後に、言語学習に取り組むモチベーションを保つ秘訣をお話しします。それは、その言語を話す誰かと関わりを持つことです。最近では、技術の進化により AI と会話ができるようになりました。文法の指摘をもらったり、会話のちょっとした練習相手にはうってつけです。ですが、「AI のためにもっと英語を頑張ろう!」と、やる気になる人は、ほとんどいないと思います。
では、近所に住む外国人や、オンラインレッスンの講師が相手だとどうでしょうか? 自然と「今日はあのことを話そう」とか「復習の成果を見てもらいたい」という気持ちになると思います。これが言語学習に取り組むモチベーションに繋がります。実際、Brighture のレッスンを受講されている多くの生徒さんが、講師とのやり取りがモチベーションの1つになっている印象です。
そういう生徒さんを見ていると、やっぱり人と人との繋がりは大事だと感じます。ですので、ぜひ、その言語を話す誰かとの繋がりを作ってください!

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