ミッシェル・ガン・エレファント

「だがべつに、ミッシェル以外に多くのロックバンドが登場して盛り上がったわけではない。ミッシェル・ガン・エレファントという一つのバンドの力で、それが起きたのだ。」/山崎洋一郎の「総編集長日記」 https://rockinon.com/blog/yamazaki/208246

人もあろうに山崎洋一郎がこういう言い方をしたことが悲しい。

ミッシェルが「一つのバンドの力で」あのときのロックの熱気を作った――そんなことはない。例えば一体、ブランキー・ジェット・シティはどこへいったのか。

ミッシェルが「シーンと連帯」していたわけではない。確かに彼らの演奏は、孤高といっていいバンドの輝きを放っていた。そのことを言いたいのだとしても、ミッシェルと並走していた「ロック」をなかったことにすることは、むしろ、ミッシェルの音楽を不必要な〝物語〟にしてしまうことだと思う。

ミッシェル・ガン・エレファントのロックは孤高だったが、しかし、断じて孤独ではなかった。彼らの演奏を本気で受け止めた一人として、それは書いておきたい。

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