中国でウルトラマンの玩具を展開していた「福万(福萬)」とは?バンダイとの関係や商品展開について解説
現在、中国ではウルトラマンの人気が大爆発しています。日本にないおもちゃやカード、日用品、お菓子などが展開されているだけでなく、上海や鄭州など4つの街にはテーマパークまで誕生しています。
ではいったい、だれがウルトラマンを中国市場で売り始めたのでしょうか?ここでは、90年代にウルトラマンの商品を扱った「福万(福萬)」という会社について紹介します
中野ブロードウェイに暮らしていると、ときおり海外向けのウルトラマングッズに遭遇します。これらもその一例で、パッケージの言語から中国向けとわかります。ただ、これだけでは中国本土なのか、香港や台湾なのか、いまいちわかりません。パッケージを頼りに調べてみます。
まずはウルトラヒーローシリーズと思われるウルトラセブン。この箱右下のマーク、見覚えがありますよね。そう!バンダイの旧マークにそっくり。どうやらバンダイとつながりがあるようです。「BANDAI」とあるべきとろに「FUMAN」と記載されています。いったい何なのでしょうか。
箱の背面を確認したところ、製造メーカーは「中国福万(福建)玩具有限公司」とあります。この名前を頼りに、中国のWeb世界で調べてみましょう!
中国版Twitterの微博や、中国検索大手の百度などで検索してみると、なんと95年のカタログを発見しました。漢字は「福萬」ですが、「福万」と同義のようです。中国の有識者の方から画像を引用させていただきます。表紙には堂々たるウルトラマンのお姿。彼らの主力商品だったことが伺えます。
一説にはウルトラマンの中国進出は1994年とされており、このカタログは95年ですから矛盾しない内容となっています。
カタログの裏表紙にも目を通します。どうやら、会社の沿革が記載されているようです。わからないなりに、漢字を読んでみます。百度翻訳なども使って理解を進めます。
ふむふむ、どうやらFUMANは1985年に、日本のバンダイと香港、中国本土の資本で成立した合弁会社ようです。福建省にあるバンダイ(万代)の関係会社だから、「福万」! なるほど命名もシンプルなものでした。このころからバンダイの中国進出が始まったようですね。
ちなみに、この功績からか、バンダイの創始者である山科直治さんは福州市の名誉市民となっているとのことです。
カタログには、ウルトラマンの商品が4シリーズが掲載されています。ウルトラヒーローシリーズ、ウルトラ怪獣シリーズ、プラモデルの「The 特撮 Collection」に加えて、右ページ下に、可愛らしい、のしのし人形のようなシリーズが見られます。これはなに?
この可愛らしい玩具のパッケージがこちら。これらはプラモデルで、バンダイの日本国内向け商品ではみたことがないように思います。おそらく福万のオリジナル。つまり、現在の大人気にいたるまでの、中国におけるウルトラマングッズの「始祖」といっても過言ではないでしょう。
以上のように、福万はバンダイなどの資本による合弁会社で、福建省を拠点としたメーカーだったことがわかりました。
残念ながら、この企業がいまどうなっているかはわかりませんでした。現在、バンダイは「中国バンダイ」と呼ばれる現地法人を展開しているので、福万はもう存在しないのかも… しかしながら、この福万がウルトラマングッズの販売を始めたのはほぼ間違いありません。千里の道も一歩から。現在の繁栄の礎となった福万には、感謝してもしきれません。
長くなってしまったので、各商品については別途お伝えさせてください。よろしくお願いいたします。
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