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本の中のティータイム。魔法がかかったような素晴らしい出来事。

ある日、メアリーは屋敷の庭の中で、壁に囲まれた一角を見つける。そこは亡き伯母が生前大切にしていた庭園だったが、彼女の死後伯父の命令により閉じられていた。しかしメアリーはひょんなことから庭園の鍵と入り口を見つけ、早速侵入する。庭園は荒れ放題だったが、そこの植物が実は生きていることに気付いた彼女は花園を蘇らせようと決心する。
やがて季節は春へ移り、屋敷の周りのムーアにヒースやハリエニシダの花が咲き始める。そしてメアリーと花園を中心に、魔法がかかったような素晴らしい出来事が起こり始める。

ー『秘密の花園』(The Secret Garden)1911年フランシス・ホジゾン・バーネットー

朝起きて楽しみにしている事があります。
コーニッシュウェアのマグカップに熱いコーヒーをいれて、ベランダで朝を過ごすという習慣。小さな庭ですが、マイホームガーデンがあります。

この季節になるとアジサイが見事に咲いてくれます。そしてレモン、オレンジ、柚子の実が少しづつ大きくなってきた頃、ラズベリーやイチゴの実が真っ赤に染まり食べ頃を迎えます。小さな変化ですが、毎日毎日少しずつ移り変るこの庭で過ごすのが毎日の楽しみです。

秘密の花園のメアリーも、巡る季節に初めて出会い心奪われます。ガーデニングを通して、閉ざされていた心の扉がひらいていき、生きる喜びを感じていきます。


秘密の花園


秘密の花園』はフランシス・ホジゾン・バーネットによって1911年に書かれた小説です。バーネットが『秘密の花園』を書くにあたってモデルとした庭園が、ケント州のロルヴェンデン近くにあるグレイト・メイサム・ホールの庭園と言われています。

グレート・メイサム・ホールの壁に囲まれた庭は、子供向けの本の中で最も有名なものの1つである「秘密の花園」のインスピレーションとなりました。著者のフランシス・ホジソン・バーネットは、1898年から1907年までグレート・メイサム・ホールに住んでおり、1721年に建てられた古い壁に囲まれた庭が草が生い茂り、放置されているのを見つけた。[6] 彼女自身の説明では、コマドリの助けを借りて、バーネットはツタの間に隠されたドアを発見し、彼女が何百ものバラを植えた庭の修復を始めました。彼女は庭のガゼボにテーブルと椅子を設置し、その平和と静けさに触発されて、そこで多くの本を書きました。

『ウィキペディア(Wikipedia)』より


『ウィキペディア(Wikipedia)』より


英国の庭


「ガーデン オブ イングランド」と呼ばれる風光明媚なケント州はロンドン中心部から電車で1時間半ほどの場所にあります。
豊かな田園風景と、美しい邸宅がおりなす風景は絵のように美しく、また少し行くと可愛らしい海辺の街が点在しています。チャールズ・ディケンスやダーウィン、チャーチルやサッチャーなどもケント州に住んでいます。
またシャーロックホームズでは修道院屋敷の事件の舞台にもなりました。

『ウィキペディア(Wikipedia)』より


作中ではケント州ではなく、イギリス北部にあるヨークシャー地方の伯父のマナーハウスが舞台となっています。「ガーデン オブ イングランド」と呼ばれるケント州は明るい田園風景が印象的ですが、ヨークシャーは粗々しい田園風景が印象的です。

ヨークシャーにはムーアと呼ばれる荒野が広がります。冷たい雨と薄暗い曇り空の冬は侘しく厳しい荒野は心閉ざしたものには希望を失い生きる気力さえ失ってしまいます。

一変、厳しい冬が終わると、辺り一面侘しく厳しいムーアは草花に覆わます。巡る季節の植物の力強さたくましさに出会い、閉ざされていた心の扉がひらいていき、生きる喜びを感じられます。
四季を通して人生の一陽来復を感じる事ができるヨークシャーの魅力はそこにあるのかもしれません。数々の映画や物語の舞台になっているのも頷けます。

※「一陽来復」は「困難を乗り越えて、良い時期が訪れる」という意味を持っています。この言葉は、希望や前向きな気持ちを表現するのに適しています


『ウィキペディア(Wikipedia)』より


『ウィキペディア(Wikipedia)』より


外で食べるおやつ


物語の主人公メアリーはイギリスの植民地時代のインドで育ち我が侭で威張っているのに、一人じゃ何もできない女の子。また従弟コリンはベッドからほとんど出たことのない生来病弱な男の子。

二人が庭の植物を育てながらどんどん成長していく様子が分かるのに、こんなシーンがあります。

やせっぽっちで全然ごはんが食べれなかったメアリーとコリンは、太陽の下で過ごすよう日が多くなるにつれて自然とお腹がすいて目が覚めるようになります。

何もできなかった彼ら。いつも不満を誰かに八つ当たりしてぶつけるか、自分の殻にこもる事しかできなかった彼らはもういません。

自分の力で庭の植物を育てる事を通して生きる力を取り戻したのです。
力いっぱい心の赴くままに”お気にいりな事”に頭も体もエネルギーをたっぷり使います。

特に庭仕事の合間をぬって、太陽の下で食べるぶどうパンはさぞおいしかったでしょう。


Brocante #307では


太陽の下で食べるごはんにどうしてこんなにも惹かれるのでしょうか?
キャンプやピクニックじゃなくてもいいんです。わざわざお出かけしなくてもいいんです。

お気に入りのマグカップとおいしいパン。これだけ持ってマイホームガーデンで食べるだけでなんとも幸せな気分になれます。自分のお気にいりがあればいつだって心はハッピーです。

ブロカント307でみなさまの幸せな気分に浸れるもの探しのお手伝いになれば幸いです。


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#わたしの習慣



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