見出し画像

スーパーファミコンを漂白した話

ある日突然「ジャンク品を修理したい!」という欲望に駆られ、動作未確認のスーパーファミコンをヤフオクで落札した。
本体とコントローラーが結構な黄ばみ方をしており、本来黒かったはずのケーブル類はホコリで白く変色していた。
下の画像は実際のスーファミと、色の比較用に置いてる3DSだ。

汚れと黄ばみが目立つ

動作確認用に入手していたソフトを差し込むと普通に起動し、画面も音声も正常だった。この時点で動作しない場合、コンデンサの交換など色々する必要があったのだが、今回は無かった。ラッキージャンクだ。
とはいえ、見た目があまりよろしくないので分解し、清掃しようという判断に至った。

以下、備忘録兼スーファミを分解したい人に向けた簡単な説明。

分解

スーパーファミコンを分解するには、+でも-でもない特殊なドライバーが必要だ。
まずはamazonで特殊ドライバーセットを購入。後々別のゲーム機を分解する可能性を考慮し、Y字ドライバーもセットになってるやつにした(任天堂のゲーム機はY字ドライバーを使うことが多いらしい)。

スーファミ本体の裏面にある6つのネジ穴にドライバーを差し込み、回す。ネジが硬い。
なんとか下4つのネジは取れたが、問題は上2つだった。
上2つのネジは深い穴の奥にあるのだが、ドライバーがネジ穴より太く、入らなかったのだ。
焦ってホームセンターに行こうか、amazonにドライバーを返品しようかなど考えたが、

ドライバーが太いなら、細くすればいいのではないか。

と閃き、ダイソーに直行してヤスリを購入した。
ドライバーの太くなっている箇所をゴリゴリと削り、ほんのちょっとだけ細くすることに成功した。
そして再チャレンジ。見事ネジ穴にドライバーが収まった…が、ネジが硬い。
ドライバーの持てる部分が少なく、力を入れようにも入れられなかったので、ゴム手袋を着用した。台所掃除とかに使うあれだ。
ゴムの力でドライバーを回す手の力を増強し、あっさりとネジを外すことが出来た。
ちなみに、ゴム手袋は固くて開かないペットボトルのフタにも有効。

そうしてようやくネジが全て外れ、本体が上下に開けるようになった。
いざ、オープン。

普通に使っていたら見ないであろう中身

ホコリやば。
どこからこんなホコリ入るんだろ。背面か。
ハウスダストに弱いので、マスクをして空気清浄機を稼働させながら玄関先で作業をすることにした。

先人様のサイトを見ながら、本体を分解していった。
分解時にカセット差込口のねじの向き、EJECTの裏側の構造(上図真ん中のでかい白いパーツ周辺)は写真に残しておいた方が組立の時スムーズに進められるのでオススメ。
それと、基盤を固定するネジは長いものと短いものの2種類があるので、これも写真に撮っておくのをオススメする(筆者はネジ穴の横に抜いたネジを置いて撮影した)。

毎回写真に撮るのは面倒だけど後々便利

前面にあるコントローラ接続部と本体基盤は薄いパーツで繋がっているため、ここを外す際は慎重に。
画像で見てもよくわからんよという人は、YouTubeで「スーファミ 分解」などと調べると実際に分解している動画が出てくるので、それを参考にするのも手。

コントローラも分解したかったが、汚れたネジ穴にドライバーを突っ込んだことが原因なのか、ネジ穴が一瞬で潰れて分解できなくなった。
しょうがないので、表面の汚れを軽く拭き取る程度に留めておいた。

漂白

近くの薬局では無水エタノールが1600円したが、amazonでは1200円だったのでそっちで購入した。
逆に、ワイドハイターexパワーは薬局で買ったほうが安かった。

ちょうど持っていた透明の大きめのケースにプラのパーツを全部放り込み、ワイドハイター(880ml)を全部流し込み、水でかさ増しした。
このとき、ハイター水の重みでかなりの重量になりビビった。
ケースにフタがついていないので、蒸発防止用にラップで覆い、テープで固定した。
あとはベランダに置き、漂白できるのを待つ…が、これを行ったのは12月。しかも翌日から曇りの予報。夏にやるのが最適らしいが、結論から言えば冬でも時間をかければ出来る。今回は10日間放置したが、完全に漂白するにはもっとやる必要がある。
本体が水に浮いてしまうので、台所に放置してた100均の霧吹きボトルに水を入れて重りにした。
このとき、本体の外側に来る部分が上に来るように配置し、ボタン等は適当に隙間に放り込んだ。

10日後

ハイター漬けにしていたパーツを引き上げ、全て水洗いし乾燥させた。EJECTボタンやRESETボタンの裏の細かいところに水が入り込んでたため、パーツをまとめて窓の近くに置いて1日乾かした。

パーツたち

組み立て

先人たちは口を揃えて「分解したときと逆の順に組み立てるだけ」と言っていたが、それが怖えのよ。もし間違えたりしたら…
ここで、分解時にどこにどのネジを使うのか逐一撮っておいた写真がとても役に立った。
本体上部に取り付ける羽みたいな形のパーツには穴が2つあり、元々外側の穴にネジが刺さっていたためそちらに付けたが、内側の穴に刺さっている場合もあるらしい。ちょっと構造が違うのかも。
本体上部と本体下部を合体させる際は、POWERボタンの中身(下図赤丸)とPOWERボタン自体の両方が下側(電源が切れている状態)になっていることを確認しておくとよい。じゃないとはまらない。

POWERボタン

筆者は本体上部と本体下部が全くはまらず、ここでかなり苦戦した。原因は、本体上部にカセットを差し込んだ状態のまま合体させようとしたからだ。こうすればズレることなく合体できるかなって…
しかし、スーファミのカセットは本体に結構強く差し込む必要があったため、このやり方では力が入らず差し込めなかったのだ。

漂白後の本体が下図。比較用に3DSを置いている。
完全に真っ白になったわけではないが、漂白前と比べて真ん中の「Nintendo SUPER FAMICOM」のパーツと周囲の色の差が軽減している。また、全体的に汚れも無くなっている。

溝も綺麗にした

結局、普通に本体を合体させてからカセットを差し込んだらあっさりいけた。
おそるおそるコンセントを刺し、POWERボタンを押し込むと、POWERランプがけたたましく輝いた。成功だ。
その後3色端子をテレビに接続し、カセットを差し込むことでちゃんと遊ぶことが出来た。ちなみにカセットは現時点で百発百中で起動に成功している。
まあ現在はマリオRPGしか持っていないが。

追記
勘違いされないように言っておくが、筆者は20代前半の大学生で、スーファミが発売された頃には生まれてすらない。
なんか知らんが、幼少期からずっとレトロゲーに魅了されている。
次はゲームボーイでやろうかな…

更に追記
後日スーファミを起動したところ、コントローラーの入力がほとんど反映されず、タイトル画面から進めなくなっていた。
再度分解し、コントローラの接続部と本体の基盤をつなぐケーブルを挿し直すと問題なく動作するようになった。割と深くまで挿す必要があったようだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?