見出し画像

あのたび -カントーのツアー-

 ホーチミンの安宿街周辺からカントーへ行くにはまずミエンタイバスターミナルへ行き、そこでソクチャン行きに乗って途中で降りろと言われる。言葉があまり通じない中で、乗り継ぎとか途中下車とかは難しい。
 チケットは買ったがバスはなかなか出発しない。明らかに乗員人数以上の人と荷物をぎゅうぎゅうに載せて、もう乗れないだろうというくらいで出発する。アジアではよくある光景だ。

 このバスは、搭載している重量のままバスごと大船に乗り込みそのままメコン川を渡るというなかなか刺激的な経験ができた。船が沈まないのが不思議なくらいだ。メコン川を渡った所がおそらくカントーという街だろうと降車する。2003年当時はスマホがなくGoogle MAPも見ることができないので自分がどこにいるのかわからない。右も左もわからないので1万DのバイクタクシーでHotel31(?)に連れて行ってもらう。

 がこれが良かったのか悪かったのか、バイタクと宿がぐるになっているというのはよくあること。ダブルの部屋が一泊5$で安いのだがツアーも契約しろという。カントーに来たらこれを見るべきだとオーナーに力説され35$も払わされた。まあでもそんな機会でもなければただ街を歩いて食べて寝て移動するだけで終わるのでそれもよい経験か。

 思ったよりも盛り沢山なツアー内容で結果としてはそれなりに満足した。

 まず到着したその夜にメコン川をクルーズしながら日の入りを見る。残念ながら雲が多くてきれいな夕焼けを見ることはできなかった。そのまま暗くなったらホタルが見えるというスポットへ行く。こちらは真っ暗な中でチラチラと光り輝く虫たちが幻想的でキレイだった。そのままどこか居酒屋的な所へ連れて行かれ酒をしこたま飲まされた。がこれは不味かった。

 翌朝は暗いうちに起こされて再びボートで日の出を拝まされた。こちらは雲がなくキレイに見れた。そのまま朝食に連れて行かれるが、これまた不味かった。それからカントーの一番の見所である水上マーケットを眺める。さらにミニ動植物園へ連れて行ってもらい、サルやオウムやコウモリやそれほど珍しい動物がいたわけではないがそれなりに楽しめた。最後にランチに連れて行ってもらった。チキンライス+マンゴージュースは平均的な味だった。こちらはお金を払わされて35000D。外国人価格だ。昼食後にハンモックで昼寝。宇宙のようで最初は気持ちいいいが、背中に綱がくい込んで痛くて長くは寝ていられない。

 乗り物に乗って連れ回されるためこちらに自由はなく、ツアー内容はだいたいレストランとかお土産屋と結託しているということが多い。そしてちょっとぼったくってくる価格となる。まあ仕方のないことだ。ただ飯が不味いのだけは勘弁してほしい。

 ツアー後、宿に戻ったが早起きして歩き回ったので疲れて夜も食べないまま朝まで寝てしまった。翌朝チェックアウトし国境の町チャウドックへ向かった。

ベトナムルート

(つづく)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?