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雑念だらけ〜はじめての坐禅〜

5月の半ばに、地元の古くからある禅寺にて、坐禅会が開催されているとのことで行ってきました。

※お寺についての記事はこちらをご覧ください。

朝6時から開始とのことで、早起きして向かいます。信号につかまり、予定通り到着とはいかず、5分の遅刻。すでに坐禅は始まっている様子。ソロリソロリと物音を立てないように、道場に入ります。

雲水という修行僧の方が見え、坐禅について伺うと、途中からの入場はできないとのことで、しばらく待つことに。その間雲水さんから、坐禅の組み方をレクチャーしてもらいました。普段は、教えてもらったりはできないようで、遅れたのにちょっとラッキーでした(良い子の皆様は遅刻は厳禁ですよ、、)。

ぼくが参加した坐禅は25分+休憩5分を3セットするというもの。2セット目から合流です。
下調べしとけ!という話ですが、なにも調べずに行ったため、周りの方の動きを見様見真似で始めます。(正しい作法はこちらをご覧ください)

雲水さんに教わった座り方で座布団に座り、足を組みます。ここまではレクチャーしてもらったお陰で難なく進みました。前で手を組み、姿勢を正して、呼吸を整えます。しかし、呼吸がうまく整わない。慣れないことをして緊張してしまったのです。こういう時は無心にならないといけないんだと思うのですが、余計にあれこれと考えてしまいます。

ふと、周りを見渡すと皆さん、とても落ち着いてみえます。なんとも居心地の悪さを感じながら、なんとか呼吸を整えようと試みます。ぼくは相変わらず、鳥のさえずりが聞こえてきたり、隣の人の鼻息が気になります。雑念だらけやないかーと心の中でつぶやいたりと集中できずにいました。

すると、向かいの人が手を合わせてお辞儀したのです。ん?あれはなんだなんだ?と意識がそちらへ向きます。よく見ていると、そのお辞儀した人の後ろに棒(警策きょうさく)を持った人がつき、背中を軽く叩きます。叩かれた人はさらに、深くお辞儀します。すると、バチンッと肩を3回ほど叩いたのです。

あっ、これは一休さんとかで見たやつだ。こうやってやるんだと初めて知りました。イメージでは、居眠りしている人を起こすためにやっていると思ったら、自分から叩かれにいくものだったのです。ぼくは内心、なかなかのドMやないかーいと、心の中でつぶやいていました。

なんやかんやと、坐禅が終わりました。これで休憩かな?と思っていると、今度は立ち上がり、廊下を歩きだします。えっ、歩くの?なんて思いながら前の人についていきます。まるで蟻の行列のように道場の周りをぐるぐると歩きます。

この時もみな、無表情でひたすら歩いています。ときおりトイレで離脱した人がいたと思ったら、また戻ってきました。何周するのかも分からずひたすらに歩いていると、また道場の中に戻っていきました。

再び、坐禅を組みます。さっきのが休憩なのか?と思いながら、また手を組み、呼吸を落ち着けるように意識します。しかし、相変わらず考えごとなんかしているので呼吸が整いません。あかんあかんなんて普段使わない関西弁でつぶやいていると、眠気が襲ってきました。眠い。いつもより早起きした上に、道場周りを歩いたことで疲れて、心地よい眠りの世界へ誘われていきます。

あかんあかん、寝たら叩かれるなんて思っていたときに気がつきました。あっ、棒で叩かれるのは眠気覚ましなんだ!ということで、先ほどの方のマネをして、おそるおそる手を合わせてみます。すると、自然と呼吸が整いました。みぞおちの前で手を合わせたことで、丹田という場所を自然とおさえる形になり呼吸が整ったのです。すると、目が冴えてきました。

あっ、もう痛い思いしなくてもいいじゃん。と思っていたんですが、時すでに遅し。肩をポンポンと軽く叩かれ、肩に緊張が走ります。やむなく、また前の人をマネをして深く頭を下げます。この時、お辞儀をすると自然と腹式呼吸になることに気がつきました。

もう目は覚めたよ、いいよ。でもせっかくだから受けておくか、でもなーなんて思っていた次の瞬間、バチーーーーーン!!!!と肩を叩かれました。痛い!どちらかといえばMかななんて思ってたぼくでも痛い。じんじんと痺れが残る中、ようやっと呼吸が整ったところで座禅の時間が終わりました。

坐禅をしてみたことで、普段から自分がどれだけ"集中"できていなかったかわかりました。ボーッとしてるつもりでも頭の中では考えごとをしていたりします。1日の中に、5分でもなにもかもを放り出して、坐禅なり瞑想で集中する時間を取りたいなと思いました。

おしまい

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