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「ちょっと太った(痩せた)?」って言っちゃうの、今日からやめようね

久しぶりに会った相手に、ふた言目くらいに、
「ちょっと太った?(やせた?)」
と言われることってないですか。あるいは言っちゃっうことってないですか?
このフレーズ、今までの人生でどれだけ聞いたことか。好きじゃなかった。過去形で書いてるのは、イギリスに住んで7年近く、このフレーズを一切聞かない生活をしているからです。

日本で、「ちょっと太った(痩せた)?」と言われた時、相手に悪気はないのはわかっているから、笑って流すんですけど、聞き流しながらも、薄〜く自己肯定感を削ぎ取られるようで、気持ちがちょっとざわつきました。
あるいは髪の量について「また薄くなったんじゃない?」「どうしたのその頭」なども、わたしは女性なので自分に向けては言われたことはないですが、言われる立場だったらいやだろうなぁ、と想像します。

「ちょっと太った(痩せた)?」も、「薄くなったんじゃない?」も、実はわざわざ言わなくてもいい、相手をハッピーにしない言葉ですよね。

そもそもそんな話は大切じゃないんです。せっかく会えた相手と話したいのはもっと違うことなのに、ざわついた気持ちを元に建て直さなくちゃいけない時間がもったいなく感じます。

だから、そんな言葉は言わなくてもいいんです。
言っちゃってるひと、今日からやめましょ?

人と会った時に挨拶代わりに「太ったね」「痩せたね」と言うこと、日本ではよくあることですけれど、イギリスでは皆無です。イギリスでもある程度親しい友人同士で外見が話題になることがないわけではありませんが、会話のしょっぱなでそういうことをいきなり言うひとを見たことがありません。ましてやオフィシャルな場ではありえません。
ひとと会う前に体型について何か言われる可能性がないので、外出する前、余計なストレスがなくて、本当にうれしいです。

外見でひとを評価するのはもうやめたらいいと思うんですよね。
「かわいいね」「美人ですね」というフレーズについても、それ本当に言わなきゃダメでしょうか?
ドイツ人の夫が20年以上前、日本では多くの日本女性が「可愛い」と言われると喜ぶということに非常に戸惑っていました。ドイツではそんなことを女性に言ったら、そのひとの中身を軽視していると受け取られて軽蔑されるから言わないようにしていたのに、日本では言うと相手が喜ぶことが多いと知り、でも全く言い慣れていないので彼は言わない、言えない。でも言わないと相手を不満にさせるのではないかと苦悩したようです。

また、誰かを紹介されたとき、
「美人ですねぇ」
などと外見のことばかり言うのも、
「じゃ、中身はどうでもいいの?」
となります。
あなたがもし、外見しか褒められなかったら、
「中身はどうでもいいのか」
と不愉快になっていいところです。

イギリスで、だれかを褒めるときは「She is really nice.」や「She's so lovely.」など、肉体的な外見についてではなく、人柄についての表現が多いです。外見について褒めたい時は、服や髪型について、「I like your dress,」や「It looks good on you!」など、「似合いますね」というニュアンスです。ダイレクトに外見のみを褒めるのは下品な感じになるので言いません。

大事なのはその人の人柄。正直さ、誠実さ、困った人を助けるかどうか、社会の理不尽に怒れるかどうか、弱い人の味方になれるかどうか。そういうことのほうが見た目より百万倍も大切なので、外見だけ取り出して褒めるのは失礼なんです。

相手の体の太さとか細さとか毛髪が多いとか少ないとか肌の色が濃いとか薄いとか骨格が大きいとか小さいとか長いとか短いとか、そんなことはぜんぜん大切なことじゃない。だから言葉でも言わない、ということが徹底していると思います。

だから、どう?もうやめちゃいましょう、もうそういうことわざわざ言うのは。もっとお互いハッピーになれる会話を、会ってよかったな、と思える会話はほかにいくらでもありますよね。

2017年6月3日にシンガポールで開かれた「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」で、稲田防衛大臣が、共に女性である2人の大臣に触れ、「見たら分かるように、(私たち3人には)共通点がある。同じ性別で、同じ世代で、全員がグッドルッキング(容姿が良い/美しい)」と、公式なスピーチで発言してしまったことがありました。

稲田朋美防衛相「私たちは容姿が美しい」スピーチは笑えない ハフィントンポスト



そのときの動画(1分20秒〜の部分。我々みんな外見がよい、は1分30秒のところ)



このニュースを読んだ時は心底びっくりしました。列席していた各国代表の方々も唖然としたのではないでしょうか。
日本の社会では外見主義(ルッキズム)が幅を利かせているということをこの大臣は国際社会で露呈してくれました。本当に恥ずかしかった。

いつも何気なく肉体的な外見について言葉に出してしまっているひとは、海外旅行や留学、仕事で海外に滞在する場合にも、ふと言ってしまわないようにほんと気をつけたほうがいいです。
失礼で軽薄なひとだと思われてしまいます。そんなことになったらつまらないでしょう。

外出前に「太ったねって言われたらやだな」とストレスを感じる時間や、ひとと会った時にしばらく嫌な気持ちになる時間をそのひとから奪うことにもなっています。だから、もう、「ちょっと太った(痩せた)?」とか外見のことをぶしつけに言葉に出すの、やめよう、ね?

それではこのへんで。
どうぞよい1日を!

※タイトル画像出典
https://www.123rf.com/photo_79786896_pink-plastic-vegetable-peeler-isolated-on-white.html


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BASIL

母、妻、自分/元地方議員(3期12年)/ガールスカウト、合唱、美術系、環境保護活動育ち/PTA、自殺防止電話相談、UNWomeに参加/2012年〜🇬🇧在住。ツイッターでお話ししたこと+α、イギリス生活のこぼれ話、イギリスの学校のこと、お料理などについて書きます。

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