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僕が「東大女子学生への家賃補助」に賛成する理由

東大が女子学生に家賃補助を出すというニュースが出て、賛否両論いろんな意見がとびかっています。
http://www.asahi.com/articles/ASJCG4WF3JCGUTIL030.html


僕は賛成なのでその理由をまとめました。

1.「地方出身学生を増やすための家賃補助」には賛成

東大に、首都圏の中高一貫校出身の学生が多いことには、本当に強い危機感がある。
そうとう特殊な環境に育ったはずの彼らが、「自分は平均的な日本人だ」と思いながら東大を卒業するという悲劇を少しでも減らすべきです。(僕自身への強い反省を込めて)

地方出身の学生を増やすのには大賛成だとして、家賃補助というやり方には少し不満がある。
本当はもっと安くて、大学に出やすい立地にある寮を増やして欲しい。キャンパス内にドミトリーがあるってのが、東京では難しいのはわかるけど。
(月額11500円、駒場キャンパスまで45分の三鷹寮は、一学年200人程度しか入れない)

2.女子受験生やマイノリティ(性的指向/障がいの有無/エスニシティ/難民など)に対するアファーマティブアクションには賛成


多様性のなかに身をおくことは、学生の学びのモチベーションになるし、活発な議論によって視野を広げることができる。


女子学生が少ないことによる、東大内のジェンダーに関する議論の貧困さは本当に問題。

日本・世界の将来を見据えて、あるべき世界の設計図を描く人材を育てるなら、女子学生や社会人学生、マイノリティの比率を増やすべき。
そのためには、なんらかのアファーマティブアクション(優遇措置)をすべきだと思う。アメリカの多くの大学のように、点数の優遇すらつけてもいい。(すでにある不公平を公平に直すという意味で賛成。その方がより創造的な学び場になるという確信がある)

そもそも試験の点数だけで評価する(最近は推薦もあるけど)制度に限界がある。要領良く受験ゲームをクリアした学生と、勉強ばかりしてきた学生が東大生の大半という現状は、日本のためにも東大生のためにもならない。

3.ただ、家賃補助によって女子受験生が増えるかどうかは分からない

理念には大賛成だけど、実際にこのやり方で地方出身の女子学生が増えるかは、今後きちんと効果測定していく必要がある。

あと「こんな小手先の優遇措置じゃなくて、もっと抜本的な受験制度改革が必要なのでは?」という意見には賛成。

ただ、本気でこれに取り組むには、
受験制度だけじゃなくて、ジェンダーと進学意識に関する問題や、ひいては新卒一括採用、企業内・省庁内のジェンダーのアンバランスにまでメスを入れる必要がある。

これは東大本部だけでできることではない。文科省など国レベルで何とかすべき問題だし、僕たち学生・卒業生が今後も議論し続けなきゃいけない問題だ。


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