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「Betty(Get Money)」ヤング・グレイヴィー

今年私はアメリカの音楽チャートを『ベストヒットUSA』(BS朝日、金曜24:00~)で毎週チェックしています。高校生の頃にひたすらラジオでアメリカのヒットチャート番組を聴き続けていた私ですが、いったい何が楽しくて毎週そんなに聴いていたんだろう(-ω- ?)と大人になってからその当時の自分のことを思い返すたびに謎でした。

しかし、今年一年ベストヒットUSAをテレビで観たりラジオでチェックしてみて「何これ、めちゃくちゃ楽しいじゃん!Σ( ゚Д゚)」と再認識。ひとつわかったのは、こういうヒットチャートものは毎週チェックしなければ面白くない、ということ。1週ならまだしも、2,3週間あけたらよくわからなくなってしまうと思います。私がチャート番組を聴かなくなったのは、大学に入ってバイトやらなんやらで家で過ごすことが減り、毎週のチェックが出来なくなって面白さが半減してしまったからなんだろう、と気付きました。

てことでベストヒットUSAのランキングをチェックしていると、やはり若いミュージシャンが人気で(もちろんベテラン勢も顔を出すけど)、そこは日本も同じかな、と思います。でも、USチャートでは良い曲であればデビューしたてのミュージシャンが日本みたいに事務所の力とか関係なく、名だたるミュージシャンたちの曲をおさえながら一位を取る、みたいなことがあるわけで、その辺がとっても好感持てるなあと(Nicky Youreの「Sunroof」とか)。

そんな風に番組を楽しんでいたある日、とある曲がチャートに入ってきてびっくり仰天しました。それが今回取り上げるヤング・グレイヴィーの曲「Betty(Get Money)」。35年くらい前にバリッバリのアイドルという感じでヒットチャートを賑わせたリック・アストリーというシンガーがいるのですが、ヤング・グレイヴィーは彼の大ヒット曲のサビ部にチャラいラップを大いにかぶせて曲にしてしまったのですΣ( ゚Д゚)

その元歌というのがこれです。「Never Gonna Give You Up」。

とりわけリック・アストリーを好きだった覚えはないけど、キャッチーなので曲は好きでした。あとこの曲とか。

(しかし80年代のMVはだいたいダサい…)

と、話は変わりますが私はバイト禁止・帰宅途中の寄り道禁止というとても厳しい高校に通っていました(髪の毛染めただけで退学になった子もいた)。学校が遠かったので部活も週1に活動するクラブに入ってたくらいで楽しみは家でラジオを聴くことでした。さらにおこづかいもあまりもらえなかったので、自分でレコードを買うこともなかなか出来ず…その時は悲しかったけど、今思い返せばどうやらそのおかげで音に関する記憶力が良くなったようなのです。

どういうことかというと、ラジオでかかっているその曲を聴いてる間に脳内再生出来るぐらいまでに叩き込むわけです。こないだポリスのベストアルバムを買ったんだけど、イントロが流れてきた時に「あっ、この曲は"DE DO DO DO,DE DA DA DA"だ!」とわかりました。ポリスの音源は持ってないので曲をその時の記憶だけで覚えてたのだと思います。歴史の偉人の名前とか年号とかは一切覚えられないけど音の記憶だけは良いのです、たぶん。

なので当時よくラジオでかかっていた音楽は私の脳内の引き出しのどこかに入っていると思われ、時折どこかで出会い直して急に記憶が甦る、ということがあります。ティアーズ・フォー・フィアーズに関してもそうでした。リック・アストリーも音源は持っておらず、今回ヤング・グレイヴィーがこうやって息を吹き込んでくれたことでまたリック・アストリーの曲に改めて出会い直せた感があります。

とは言えこのヤング・グレイヴィーの曲は結構やってることがひどく(笑)、元歌は愛の歌なのに俺は金儲けしか頭にないぜ、みたいな歌にしちゃってるんですね。リック・アストリーや元歌のプロデューサーのストック・エイトキン・ウォーターマンはどう思っているんだろう…と思うのですが、これはこれでアリだというのがアメリカの音楽シーンの懐って深いなあ~と思います。

ということでお待たせしました!長いこと引っ張ってきましたが、いよいよその曲「Betty(Get Money)」をどぞ。

小林克也さんの解説によれば、途中女の子たちのコーラスが入ってヤング・グレイヴィーのことを茶化すのですが、そこがどうやらTikTokに引っ掛かってバズった模様。人気の出方にも時代を感じます。

ということで、リアルタイムで「Never Gonna Give You Up」を聴いていた私が今回こうしてこういう曲をまた現在進行形で知れた、ということがなんとも面白い出来事でした。


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