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H ZETT Mピアノ独演会2024 三月 ーさいたまプラザノースの陣ー

H ZETT M(以下ゼトさん)のピアノ独演会を観てきましたー!私はSNSで繋がってるみきさん(https://note.com/bluetalk69)がH ZETTRIO(以下ゼトリオ。ゼトさんが所属するピアノトリオ)を推していたので彼らの存在を知りました。そしてたまたま近くでゼトさんの独演会が開催されるということで行ってみることにしたのです。

ちなみにゼトリオはなんと、シングルの60作連続配信というギネス記録を持ってたりもします(現在も記録更新中)。すごい!最近のインタビュー記事があるので載せてみます(写真の青い鼻がゼトさん)。

さて、会場はステラタウン近くにあるプラザノース。初めて行きましたが良いホールでした!客層は子連れのご家族から年配のご夫婦から女性も男性もいろんな年齢の人がいて、ゼトさんの幅広い人気ぶりを伺わせます。ステージ上にはなぜか妖しげな光を放つジュークボックスがグランドピアノの脇に置いてあり、床にはギターで使うようなエフェクターもセットされてます(ちなみに遠目だったので定かじゃないとこもあるかも)。どんな演奏になるんだろう?と思っているうちに公演開始時間に。

定刻通りにふらりとステージに姿を見せたゼトさん、楽譜とPCと小さなキーボードらしきものを持っています。ピアノの演奏者というと私はきっちりスーツの人しか見たことがないように思いますが、ゼトさんは帽子を被ってダボダボなパンツでラフな感じ。公演でゼトさんを見ていてチャップリンのことを思い出しましたが、彼の動きはもちろんのこと、衣装によるところも大きかったのかも?

さて、おもむろにピアノの横にセットしたPCを操作して「サ・イ・タ・マ・プ・ラ・ザ・ノ・ス…」という音を出しつつ、それ合わせてピアノをちょっとずつ弾いていくゼトさん。鍵盤を弾きながらもピアノの上をコンコンと叩いてみたりとかなり前衛的(?)な演奏でスタート。ステージのライティングもおよそおカタいピアノ演奏会のそれではありません。

さらにループマシンにピアノの音を入れてループさせたり、PCの打ち込みの音に合わせて演奏してみたり、立ったまま弾いてみたり、シンセサイザーみたいな音を流してそれに合わせて弾いてみたり、左手で小さなキーボードを弾き&右手ではピアノを弾いてみたりとととにかく自由!(笑)私はピアノを習っていたことがあるのですが、楽譜通りに弾かなくちゃならない窮屈さが嫌で結局やめてしまったんですよね…

私は型通りにちゃんと弾くことも出来なければ、かと言って自由にやっていいよ、と言われたとて自由に演奏するベースの部分の知識は無いので途方にくれてしまう…何かを習ったり学んだりすることは人を自由にするためにあるはずなのに、日本の教育は人を枠にあてはめる(押し込める)ためにあるように思います。その方が管理しやすいからなんだろうけれど…と、自由に楽しそうに演奏しているゼトさんを観ていてそんなことを思いました。

前半、それまでずっと動きだけでパフォーマンスしていたゼトさんが初めてしゃべったのは5曲目の曲紹介の時でした。「次は"青の図鑑"という曲をやります」。ここで私は「あっ!ようやくしゃべった!」と思ったわけですが、この「青の図鑑」という曲はSF映画に流れるような壮大な感じの曲で良かったです。この曲の前にやった曲も秋っぽい感じでこれまた良かった!(ちなみに妖しげなジュークボックスはラジオだったのか、ゼトさんが操作した時にひたすらラジオの周波数を合わせる時みたいな音をさせてました。本当はちゃんとした音が出るのかあれで合っているのか今回しか観てない私にはわかりません(笑)。

休憩をはさんだ後の後半のステージは前半とちょっと変わってジュークボックスやエフェクターなどが下げられ、代わりにピアノの左手にカメラが設置されています(いや、もしかすると最初からあったのかもしれない)。そこで撮っている映像を後ろのスクリーンで流すようになっていました。そして休憩明けはなぜかベルをチリーンと鳴らしつつ登場したゼトさん。今度は傍らに赤くて長いものを持っています。

「あの赤いのなんだ?」と思いましたが謎はすぐ解けました(ちなみに登場の時に使ったベルをまた何かに使うに違いない、と思ってましたが使わなかった!(笑)。休憩明け一曲目にそのぶんぶん振り回すと音が鳴る長くて赤いやつを右手でぶんぶん振り回しつつ、左手は鍵盤を弾くという荒技!(右と左は逆かも?)。ぶんぶん振り回すと音が鳴るやつ、音を合わせるだけでも大変そうなのにすごいな!と思いました。

そのぶんぶん振り回すと音が出るやつをピアノから離れたところで(ピアノ演奏会なのにゼトさんはピアノから離れていることが何回かありました(笑)バットのように持って素振りしたり、ゴルフクラブのように振ったりも。あとはピアノを弾きながらも足がじっとしてないところもあったりして、ゼトさんは身体をずーっと動かしていたい人なのかもなあ〜と思いました。

後半3曲目は打ってかわって寄せては返す波のような、ドビュッシーの「月の光」のようなしっとりした美しい曲…!やたらギャップが激しい(笑)続く5,6曲目は超絶技巧からの〜足を組んで演奏してみたり、片手で弾いてるのに片手だけの音に聴こえなかったり…!凄すぎて首かしげちゃいました。いったいどうなってんだこの人!と。ピアノの音と同時に鍵盤を叩く音やペダルを踏む音も聴こえてきてライブの臨場感も凄かったです。

ということで本編終了。その後アンコールに出てきたゼトさん、それまであまりしゃべりませんでしたが、「さっきバット振ってたのは落合博満の真似」だとか「ゼトリオとかで活発に動いてるのでチェックしてね!」などのMCをしていました。アンコール一曲目はまた立ったまま弾き始めて、途中タバコを吸う真似したり(そこでコアなファンと思われる人たちが一斉に「フー!」みたいな声を出してた)。おもむろに椅子を下げて空気椅子で弾き始めたり(!)、椅子が重くて持ち上げられない、みたいなパントマイム的なのも。いやはや本当にサービス精神旺盛な人だな!と思いました。

そんな楽しい公演もいよいよ最後の曲となりました。ラストに弾いてくれたのはなんというかとても綺麗なメロディで、抒情歌のような懐かしい感じの曲で良かったです。美しい日本の四季とか景色とか、そういうのを思い起こさせるような…。ということでギュッと濃いぃ時間は終わったのでありました。

休憩を除いてトータル1時間半ぐらいの公演だったかな?曲の種類的にもジャズだったり、交響曲っぽかったり、祭り囃子のようだったり、ワルツっぽかったりといろんな要素が入ってて楽しかったです。私はいろんなタイプの音楽が聴けるのが何より好きなので。楽しかったので機会があればまたゼトさんの独演会にもゼトリオのライブにも行ってみたいです!

最後にそんなゼトさんの別の時の独演会の模様をあげてみます。この曲好きです!メロディが美しいし、目にも止まらぬ手の動きの速さも見れます。4分くらいなので是非どうぞ!

https://youtu.be/Hqsozk9_2uQ?si=JyoqgP8WCkmeavPU


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