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さて。そろそろジンくんの声について研究しようか。

まず、最初にこれだけは言わせてくれ。パクチーは経験があるだけの素人だから、ここに書いてあることは「素人が素人なりに一生懸命考えて書いた」noteです。もしも文面がそれっぽく見えても、決して専門性のあるものじゃない。

決して、このnoteに書かれていることを引用して、まるで真実かのように、他人様にシェアしてはいけない!頼む!それだけは宜しく頼みます…!

まずはこのnoteの執筆者について軽く自己紹介致しましょう。わたしは音大の受験勉強のため、中学生から発声を始めました。以降大学まで声楽レッスンを受け、卒業後は舞台の現場などで、わたくしが、なんちゃって発声指導をする立場になることもあった。

わたしの声は小学生の頃から、高音になると不思議に割れる、可哀想な地獄ボイスであった。出したい音のわずか上とわずか下で気持ち悪くハモるのです…。だから、歌は専門ではなかったが、改善したくて、能動的に取り組んではいた。仕事上、通算数十人のトレーナーのボイスレッスンを体験したが、 声質が大きく変化したことはなかった。トレーナーは本当に十人十色だ。同じことを言う人は二人といない。しかし大きな効果のあるレッスンはなかったとも言える。

ところが最近、思い立って、発声練習がしたくなって、急にYouTube動画を見漁った。するとそこで、とある先生の動画に出会いました。わたしがこれまでお会いした先生方の中で、段違いに、際立ってマニアック…!ここまでひとつひとつの筋肉について、構造について、理学的に分析して話す先生にはついぞ出会った事がない。しかし、分かる…言っていることが分かるぞ…!わたしがこれまで出会った先生達から貰って、バラバラのまま持っていたパズルのピースが、初めて嵌った…そうか…そういうことか…!!

理解が深まると、BTSのメンバー達の声、特にジンくんの声の特徴が理解できた気がした。つまりこういうこと…?!

それでは本編に参ろう。

これから書く文章は、動画で学んだパクチーが、自分の体感と音源から聴こえてきたイメージをもとにして、個人的な楽しみとして分析したものです

全て文末に「…ということではないか?と思う」が省略して書かれていると思って下さい。よろしくね!まじに!


声の音色を決める要素

発声にはいくつかの要素があって、その要素を配合する割合で、その人の声の特徴が作られている(「ということではないか?と思う」を脳内で補完して下さいよ!)。

「声の成分」と言ったりもする。
その要素とは大きく言って3つ。

1.ボイスポジション
2.共鳴腔
3.吐息の混ぜる量

これらを意識的に、あるいは無意識で調節して、音色を出している。

ここで注意したいのは、実際にその人の音色を決めるのは、もっと多岐で複雑な要素が、たっぷり、絡んでいる、ということ。優れた芸術は言語で説明出来ないよ!感動する理由は素因数分解出来ないよ!ここで解説するのは、あくまでも意識的にコントロール可能な、万人が共通して持っている、最も分かりやすい要素に関してだけ、説明しています。響きを作るのは骨格だったり、喉の内部構造だったり、体の柔らかさ、メンタルの解放、骨の厚さ、筋肉・脂肪の量、頭蓋骨の形、イメージ、感情、などなど色々あります。感動を作るのは、上手さだけではもちろんない。拙い歌に泣けることもありますね。ハートだよ、ハート。そりゃ言語で説明できねえわ。

と、予防線を張ったところで、3つの要素について順に説明しよう。


1.ボイスポジションとは

WEST BOOK先生によると、気道から送られた空気は、声帯を震わせて、まず口の中のどこかに当たります。その最初に当てる場所によって、響きの種類が変わります(詳しく学びたい方はこちらの動画)。

分かりやすく雑に言うと、喉の奥の方ならオペラのような太い響き。唇に近い方なら、アニメの女性声優のような、高く鋭い響きが出ます。

喉の奥の方を「軟口蓋」、手前の方を「硬口蓋」と言います。

口の中の上側を舌でなぞると、唇に近い方はざらざらして硬い。ある地点より奥は、柔らかくなっています。ポップスのボーカルで一番よく使うのは、硬い部分と柔らかくなる部分の、丁度境目。太い響きも、芯のある響きも、どちらも両方いいバランスで使えるポイントです。そこを「ボイスポジション」と言います。洋楽のボーカリストは、このポジションで歌う人がほとんどのような気がします。

深くて丸みのある響きは、喉側。
するどくエッジがある風なのは、唇側。

BTSのメンバーたちの声を聞いていると、響きの種類で、このように当てているポジションが並んでいるように聴こえました。

見事にきれいにばらけてるんだよ…。
ちなみに曲の中でも、あとアルバム発表の時代によっても、ボイスポジションはそれぞれ微妙に変化しています。j-hopeくんは特によく曲中でポジションが動く。

ジョングクくんの声が、丁度ぴったりボイスポジション。(でもアルバム『MAP OF THE SOUL:7』あたりから唇側に若干ずらしている感じはある)。一番、口の中の空間を、よく響かせ、使っている発声。

Vくんの声は、深い響きが聞こえるのが特徴ですが、メンバーの中で最も口の中の奥の空間を響かせているタイプだと思います。RMくんとどっちが奥か迷いましたが、RMくんはボイスポジションが奥というより、一緒に響く部分が喉の深い部分や胸なので、こういう図になりました。

ジミンくん、SUGAくんは、「硬口蓋」に当てている可能性もあるが、もともとボイスポジションが他のメンバーより手前側に位置している可能性もあるな、という気もしました。口の中の構造的に。

そうです。ジンくんはメンバーの中で、ダントツで位置が手前側です。一般的なボイスポジションより唇側、「硬口蓋」に当てていると思います。鋭く高い響きを作りやすいポジションです。


2.共鳴腔とは

WEST BOOK先生のレッスンで一番目から鱗だったのは、「副鼻腔の共鳴」でした。わたし元々クラシック寄りなので、あんまり意識したことなかったんだよね。副鼻腔?共鳴?なんのこと?

声を出す時、声帯を震わせて発音するわけですが、大きな声を出す時、高い声を出す時、喉の筋肉を締めて出すとすぐに声が枯れてしまします。カラオケに行ったり、スポーツ観戦で応援したりした後、声が枯れたことはありませんか?ボーカリストはそれやっちゃダメなので、喉を締める代わりに、別の機能を利用します。それが、体の内部にある空洞を使って、音を増幅させることです。そして喉の力は抜きます。

最も主力で使われる共鳴腔が、

・口蓋腔
・副鼻腔

です。口蓋腔は、まあ口の中です。
副鼻腔は鼻の奥、上、眉間の方まで、かなり広く複雑な形をしています。この二種類の他には、喉の奥の咽頭腔、頭の骨の頭蓋骨、胸などを使います。あとは全身っちゃ全身…。ボーカルはボディソニックですから。体自体が共鳴体なので、オペラの人はそれで体格がいいのです。

「共鳴腔を共鳴させる」とは、意識して空気を当てる、筋肉を緩める、などをして、腔(体の中の空間構造)の中にある空気を振動させることになります。副鼻腔の断面図は、気持ち悪いので載せません。鼻に水が入った時、キーンとする部分。蓄膿気味になった時、むっちり詰まって重く感じる部分。副鼻腔。骨の中に空いている空洞です。

BTSのメンバーたちは、全員、副鼻腔が超!使えてる…!!!ここ、響きを豊かにするために、またエネルギー効率よく声を出すために、美しい高音を出すために、ミックスボイス(裏声と地声を混ぜた声)を出すために、トレーニングしてやっと出来る人もいます。難しい人もいると思います。

どうぞ、初期のアルバムを聞いてみて下さい…
みんな優れた副鼻腔共鳴マスターです…

7人7様の副鼻腔共鳴…

ようこそ…

ここは副鼻腔レストランですよ…


副鼻腔は広く分布していることを前述しました。これ、どのあたりの副鼻腔によく響かせるかで、音色が変わってきます。あ、これも曲中で、あるいは曲によって、出したいニュアンスに伴って多少変化しますよ。

ジミンくんは前から後ろにかけての副鼻腔を、平面に使ってるイメージ(副鼻腔は鼻の両脇にもある)。ちょっとファズ(ジリジリした音)が入ります。

Vくんはきれいに奥から手前にかけて薄く共鳴が入っている感じ。

ジョングクくんは、中央で縦に力強く響いている感じ。

ジンくんの声はとにかく前。前オンリー。

しかも、とにかく一点、小さなポイントに集めて集中して出しています。何というんでしょうか…おそらく鼻の付け根とか、かなり高い位置に(ちょうど矢印の部分)、小さく、鋭く当てている。そこから縦に広く、前面の副鼻腔に響かせている。

毎回、毎回、同じように、同じポジションに、他の副鼻腔(いっぱいある)に分散せずに、特定の、しかも狭い範囲に、当てている。

これ、すごい技術じゃないか…職人じゃないか…?!

わたしの妹ちゃんが、かつてパティシエをしていました。そのケーキ屋さんでは数十人の職人さんがいましたが、ショコラを作るのはオーナーシェフただ一人のみで、他の誰にも触らせないのだそうです。繊細な温度管理を寸分違わず、同じ精度で同じ形を生み出すのは、非常に繊細な仕事なのでしょう。

ジンくんは、そうです…わたしは命名したい…

副鼻腔ショコラティエと…!


彼の場合、副鼻腔をよく共鳴させることとは別に、逆に、口蓋腔、口の中の中間から奥にかけてを、ほとんど響かせていないことが特徴です。

これについては後述します。


3.吐息の混ぜる量

これは、もう、読んで字の如しです。基本的には、BTSのメンバーたちは、しっかり声帯を閉じた声、息を混ぜない歌声をメインにしています。

ジミンくんだけは、ある時期から(アルバム『MAP OF THE SOUL : Persona』頃かな…)、デフォルトの声に、薄く息が一定量まざっているかも。

例えば、内緒話は声帯が閉じていません。声帯をきっちり閉じないで隙間をつくると、漏れた息が声に混ざります。

開き具合はコントロールできます。

息がいつでも混ざっていると、手嶋葵さんのような感じの声になります。

意外にもSUGAくんが、もっとも複雑に一音単位でミックス、ミックスしない、を表現に取り入れているような感じがしました。面白い……。

ボーカルチームは、曲想によって、一曲通して息を混ぜる発声で歌う歌もある。ラップチームも含め、メンバーそれぞれとっても美しく、くらっとするくらい魅力的に、きれいに、混ぜるのですが、

ジンくんの特徴は、ここにあるんじゃないでしょうか。

フレーズの終わり。

みなさん、記憶に新しくござんしょう。

진 (Jin) 'The Astronaut' (with Coldplay) @ Coldplay’s Music Of The Spheres Tour in Buenos Aires

【The Astronaut】のラストで、声帯を閉じて、きちっと芯のある声から、ほとんど息だけみたいな声に、ふっと抜きます。これ、結構初期の頃からジンくんの特徴なんですけど、

この時、副鼻腔からも音を抜いてるんです。
つまり、口の中だけに響きを落とす。

フレーズの終わりで、ほとんど息だけになるように音を抜く、というのを、例えばジョングクくんはジンくんとの掛け合いでコピーしたりしていますが、違うんだよ…副鼻腔が違うんだ…。ジンくんだけのカタルシスなんだ、これは…。

と、こうして3つのポイントに絞ってジンくんの声を説明しましたが、つまりそれで、だからどういうことなのか。


ジンくんの声のデザイン

声の音色の3つの要素。

ボイスポジションを奥で取るか。手前で取るか。中心で取るか。

共鳴腔は、どこを使って、どこを使わないか。

息をどれくらい混ぜるか。または混ぜないか。

この配合具合で、音色がさまざまに変わる訳です。例えば、Adoさんは、曲中で、この3つの要素がものすごく変化する特異的なシンガーですが、

ジンくんの場合。彼は、顔の主に、前面で声が響いている。副鼻腔を非常に共鳴させていることを説明しました。

逆に、口内の奥は響かせていない。

わたしは、最初BTSの音楽を聞いた時、ジンくんの声が一番こう…ムズムズする感じ?ちょっと…恥ずかしい感じ?照れる感じ?が、あったんですよ。

彼は、ボイスポジションを手前(硬口蓋)でとっている。かつ副鼻腔に一点で小さく共鳴ポイントを絞っている。

それは、きれいな、少女のような声になります。

少女。口の中の構造自体がまだ大きくなく、響かせられる部分に容積がないので、そこで幼さを感じます。鼻の構造も大きくないので、息を当てる共鳴腔のエリアが小さい。鋭くピュアな響きになる。例えていうなら、ジブリの「さんぽ」とか「君をのせて」とかですかね…。透明で芯のある、濁りのない音。

この、成人男性が少女っぽい声を出すっていうところに、ある種の親密さというか、プライペートな距離感というか、わたしは照れがあったんじゃないのかなあ…。平常で、一般的な社会人的な距離感では聞かれない男性声。

今、曲の中にジンくんの声が聞こえると、反射的にこう…細胞が泡立つ感じ?神経が、眉間の奥が緩む感じ?毛穴がざわっとする感じ?を味わう。

フレーズ終わりで、副鼻腔から口の中だけに空気を落とすことも書きました。これは、歌ではなくて、喋り言葉の時に使うポジションです。で、テンションかけて溜めた息を、吐く。全部吐いちゃう。

溜めた、吐息。

…どゆこと?!

もう、どういうこと!!?

非日常な距離感の合わせ技に、ぞくっとするんでしょうな。

かつ、ジンくんの場合は、口を大きく開けることで、口蓋の手前の部分、歯の内側あたりは、すごく音を響かせるのに使っています。縦に使ってる。

喉を閉めて、手前を開ける。

成人男性の響きのふくよかさは、この口を開けた響きが作っていると思います。

副鼻腔とは、普段の生活では、感情によって連動して動くそうです。お風呂に入って「じんわ〜」としたり、美味しいものを食べて「きゅ〜〜」となったり。ゆるんだり、温まったり、かなり感情の根底の部分で変化する部位であるらしい。

だから彼が副鼻腔を、きれいに響かせて音楽を作っていると考えると…さもありなん!そこは心情のコアな部分に連動しているのだよ!

ちなみに、彼のボイスポジションは、わたしが知ってる特徴的な男声で言えば、B'zの稲葉さんとか、L'Arc~en~CielのHYDEさんとか、くらいの、かなり攻めた硬口蓋ポジションを、ジンくんは取ってると思います。けれど音色が似ていないのは、ジンくんが「喉の中央より奥を響かせない」「副鼻腔の一点にしか当てていない」という、かなり特徴的な発声をしているから。

いやー…声が、
若えわけだよ。

試しに、舌で喉を塞いで、
上の前歯の内側辺りに息を当てる様にして声を出してみましょう。

それでアニメ声っぽい声が出るはずです。

その声を、鼻の付け根の辺りに、全部通す!
通しながら声を出す!
かつ口を大きく開ける!

これでちょっとジンくんの発声に近くなります。


ジンくんの音色の遍歴

とはいえ、最初から今のボイスポジションだった訳ではない。彼は初期、もっと標準的なボイスポジション寄り、硬口蓋と軟口蓋の境目あたりに当てていた。そして今よりも口蓋の喉側の方も共鳴させていた。

わたしが何度も「使っていない」と書いている口蓋の中より奥の部分も、彼は全く使っていない訳ではない。喉の奥を開けて後ろの方まで共鳴させると、【Spine Breaker】のジンくんになります。うん。すげえ…まじ…最高です。

また、全然違った声のデザインをしている楽曲に【Boy in Luv】がある。エッジボイスっていうのかな?ガリガリした声(3分10秒〜)。多分もうやらないと思う…。これも今より奥側を共鳴させてます。Vくんもジンくんも、もっと後になってこの曲を再演する時は、エッジは薄めにしていますね。今はきれいに聞かせる曲がメインだから、多分他の曲に支障が出るんだと思う。

あとは【We are bulletproof PT.2】。口の中の響きを縦に使うジンくんにあっては、横につぶしたこの曲の響きは、ジンくんにとって例外的な発声になりました(2分14秒〜)。副鼻腔共鳴をあまり使っていません。今見ると超!カワイイ!ですね…。


1.【I love you(cover)】期

やはり初期の頃は、ボーカルトレーニングのおかげなのか、ちゃんとボイスポジションを使おうという意識があるような感じがします。【Mom(cover)】も同じ頃だと思います。今と大分違いますね。口の中がよく響いています。っつうか…ドラマメイクがむちゃくちゃ上手すぎる。さすが演技科…。【Awake】はこっちかな…。

2.【Autumn Outside the Post Office(cover)】期

ほら!分かりますか!少しボイスポジションが前に来ましたよ!響きの種類がちょっと変わったの分かりますか。この頃、彼の副鼻腔の共鳴が一旦の完成を見ていると、わたしは認識します。もう、なんていうの、ちょうど、ちょうどジンくんの鼻の形に、ちょうどぴったり、ぴったり合った共鳴…と言えるのではないか…。

3.【Moon】期

何とジンくん、素晴らしく完成されたかに見えたボイスポジションを、【MAP OF THE SOUL:7】で、さらに前に持ってきています。サリサリした音が聞こえますかね?

これ…ほとんど、鼻の中なんじゃないか?

んなわけないか…?でも…。

そしてかつ、これまでも小さいスポットに当てていた鼻腔共鳴を、そこに、ものすごい勢いで、強い息をぶつけている…。狭いポイントに、固く強く太い息をぶち当てて、シャリシャリとしたファズを、ノイズを、ファンキーなサウンドを作ってる…!【Moon】はライブで王子(よね?)の演出でしたけど、「ファンキー&ファンキー!!」なんですよ。なんと。この歌の声は。

わたしの言いたかったB'zの稲葉さんみがお分かりになったでしょうか。しかし彼の声の品が、ちょいワルの方じゃなくて品があるのは、口を縦に大きく使って響かせるからだと思います。

4.【BE】期

ここで、一旦前に出たボイスポジションが、また奥側に戻ります。まあ、アルバムのトーンとか、時代背景とかもあるのかなあ。2期から3期にかけて発展したシャリ味は、【Moon】でマックス開花するんですが、以降そのシャリ味は、曲の部分で自在に生かされているものの、ボイスポジションは、【Moon】のようではないですね。貴重でしたね…。

おまけ

【Super Tuna】は、標準的なボイスポジションにやや近いと思います。きれにエッジ(がなり)が入ってますね…!感涙

この曲は聞いての通り、大分違う声のデザインがされています。通常より喉の奥を開く発声。通常よりさらに閉じる発声(「パルタッパルタッ」とか)。いつも使わない2種類の声で主に構成されています。いい…。いいですね…。


声の色、それ以外の要素

今回はジンくんの大きな特徴の一つ、歌っている時のメインの声に対する「息の混ぜ方」については、触れませんでした。息、声じゃないからね。一定して安定して混ぜるのには、腹筋、肺活量、喉の締め具合をコントロールする筋肉の自在性、という身体的な機能が自由になっている必要がある。

ちゅうか、センスな!

これは声の特徴と言うよりは、音楽的、音楽性の範疇だと考えました。

あとは「裏声」「地声」もあるんじゃないか、というお声もあるかもしれません。基本的には、裏声と地声で、響かせる部位が変わっちゃダメなんですよ。「あ、裏声になった」「地声になった」と、明らかに聞こえては良くない。音色に変化がまるでない様に、つながって移行するのが良いのです。

あえて「裏声」にしたり、「地声」で胸声(胸の方に響きを落とす)を使ったりするのは、「効果」で、表現したいものを表現するための演出、色彩の一部なので、本質的な「声質」を語る会では、扱わなくていい要素だと思いました。

それでは最後に。

ジンくんの副鼻腔共鳴の特徴がよくわかる動画を貼ってお別れしよう。お送りするのは、死んでも君だよ。

Vくんとジンくんが二人、同じメロディーを掛け合うので、響きの違い、そこに集中して聴いてみて下さい。二人の特徴がひじょ〜〜〜によく分かる音源だと思います。Vくんは頭蓋骨の中にふわんと音が響いている感じがしませんか。ジンくんの声になると、その部分が閉じる感じがしませんか。

Vくんが使っている口腔共鳴(口の中を響かせる)は、大きな声を発声するのに非常に有利です。天然の増幅装置です。この増幅装置に特化した歌い方が、オペラなどのファルセットの発声になります。天然のマイク。

対して、ジンくんはそこを使わないので、音の大きさ、響きの大きさでは不利なのです。分からないけど、普段の歌声は、おそらくVくんの方が声量があるんじゃないだろうか。

ジンくんはその代わりに、鼻周りの鼻腔、副鼻腔を非常によく使うことで、音量を大きく、響きの強さをカバーしています。

うん。要約すると、この曲のジンくんの説明につきるかもしんない。

この声がジンくんは基本にあって、そこにさまざまな音色を作る要素が、曲に合わせて、曲の雰囲気に合わせて、変化を加えている。と言えるのではないか。

…ということではないか?と思う。


これで今回のnoteを終わります。

いやー。ジンくんの歌いっぱい聴けて、わたしは超!楽しかったでした。

「全然違うわ、何言ってるのこの人!」と思われる方は、是非、自説をお書き頂いて、わたしに紹介下さい。拝読して、勉強させて頂きます。


それでは、また!




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