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謎が謎呼ぶPERMISSION TO DANCE ON STAGE Official Teaser

BTS (방탄소년단) PERMISSION TO DANCE ON STAGE Official Teaser | We’re just getting started

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何かを計画するアジトのよう。壁の絵を見ると、風船計画?

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チーム「白シャツ」。

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ゲートを滑り込んでくるアイテム「ピザ」。

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窓辺に目を引く瓶入りのオレンジ色のお菓子。

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蛍光灯のメモにはどんなことが書いてあるのだろう。

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ライター…?このアイテムは何か秘密があるのだろうか。

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風船計画の風船がたくさん。

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アジトにあったのと同じお菓子がここにも。

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「AFTERSHOCK」

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ここのジンくんの演技が好き。クローゼットの前にあのピザの箱が。

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これは…何かのスイッチでしょうか。このスイッチを押すと、世界のあちこちでダンスが始まって、紫色の風船がたくさん現れるしかけが作動するのでしょうか…?

はい!

というわけで、気になったことだけを並べてみただけで、何かの謎を解く気もなく、全く解ける気もしないです…あっ!タイトルが釣りみたいですね!ごめんなさい…。でも普通のコンサートだと思ってたけど、こんなに色んな仕掛けを隠したドラマを用意してくれるんだなあ…感動…。映像の色もカット割も編集も、キレキレですてきでした。メンバーみんなのコンセプトの理解と表現の深さがすごい…泣く…宇宙…。

ところで。

「Permission to Dance」つながりで、前から気になっていたことが一件。ご存知「Permission to Dance」のプラクティス動画。

わたくし、BTS以外のK-POPアイドルを、意図的にあまり見ないようにしているのです。ハマると怖いから。ところが、そうさんのこのnote、

がすごく面白くて、読んで「これは絶対聴きたい…!!」と思った。

リード曲「Sticker」は、聴いてみたらばそうさんの書き表している通りにすごく良かったし、アルバム全体もそうさんの書いていた通り良かった。そして「Sticker」のダンスプラクティス動画まで見始めた時、ふとある疑問が湧いて、NCTさんを始め、いくつかのK-POPグループのプラクティス動画を見てみたのだった。

わたしは初めて「Permission to Dance」のプラクティス動画が公開されたのを見た時、「この動画、色々異色だなー」と思っていました。

それが他のグループのプラクテイス動画を見たことで、改めて、比較して、はっきりと、「異色だ」ということが再確認された。

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まず、異色の和やかさ。

出だしから全編通して必死感みたいのがないのね。

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異色の革靴。

かなり破壊力あると思うけどどうだろ。ジミンくんがどんな靴でも踊れるのは存じていますが。

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異色の服のセレクト。

革靴はジミンくんだけだったけど、ジミンくんのデニムも「デニム?」と思ったし、ジンくんやJ-HOPEくんの襟付きシャツ、Vくんに至ってはネクタイ&スラックス、ジョングクくんもRMくんも汗かいたら脇に染みそうだし、練習服っぽいのはSUGAくんだけで、皆このままお出かけにも行けそうなチョイス。本当にその服で練習しているの?それとも様々な衣装で収録することを想定したリハーサルも兼ねているのだろうか…。いや、Vくんのネクタイについてはそう思った。けど他のチームのプラクティス動画を見た後にここに戻ると、際立って異色感を放つのがこのネクタイである。

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異色の素の笑い。

「盆踊り」とわたしが心の中で呼んでいる振り付けからの、向き合って肩をとんとんするところ。特にジンくんと向かい合う人はジンくんと共に満面で笑っちゃってる確率が高いんだけど、本当に面白いんだろう。和やかすぎる。

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Kindnessフォロー。

前を向いたまま後ろに下がるジミンくんが若干下手に寄ってしまい、J-HOPEくんが優しく立ち位置を誘導する、その優しすぎる手付き。記録用映像なのに、スムーズに定位置まで行けなかったことで逆に、より美味しい見所が生まれてしまっている。

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異色のポーズのゆるさ。

これが天下のBTSの決めポーズである。ダンスとして成立するかどうかのシビアなカッコよさを求めて、「どやァ」っと決めるんでなく、「こんな感じでえやろ」の、この瞬間の等身大の彼らの気分がそのまま反映されたポーズ。楽しんでる。足のぴょこんと上がっているのが可愛いすぎるジンくん。そう、この動画、プラクティス動画を名乗りながら、「ダンスを踊るBTS」のドキュメンタリー的要素の方がより多く映り込んでいるのである、そこも異色である。

とにかく、なんか、とにかく、多幸感があるのだ。プラクティス動画なのに多幸感。インタビューでも何人かのメンバーが語っていたが、この曲は、自分自身が音楽を楽しんでいることろを通して表現すると語っていた、「ああ、ただありのままの自分を見せればいいんだ(J-HOPE)」、何かこう、コンセプチュアルに作られた世界観で、それぞれがディティールを表現するという在り方でなく、とはいえ、プラクティス動画だったとしても、ここに立つ人がこれ程までそれぞれのその人自身であったことが、かつてあっただろうか?「等身大」で「和やか」。これこそが、他の動画に見つけられなった最大の異色さのおおもとで、そしてそのことが、こんなにも、どうしてか、幸せな気持ちにしてくれる…。

「PERMISSION TO DANCE ON STAGE Official Teaser」で、ジンくんはジンくんらしくゲームをしていたように、それぞれ、自分の役を自分が演じているように見える感じがある。

わたしは時々、「Love Yourself」のネクストステージは何だろう?と思うことがある。そして彼らの中に、確立された一瞬、その片鱗を見ることがあり、それを言葉にするならば、「その人そのものでいる」という感じと近い。

「Love Yourself」の難しさのひとつに、クソみたいなこの世界の中で、どこを取っても取るに足りない、代わりの効くものとしか扱われず、紙切れ一枚程度で価値が証明される薄い存在、そんな自分の何をもって「Love Yourself」が可能なの?というのがあるとしたら、

そんな「世界」の側に証明してもらうのをもうやめようよ、「世界」は別に正しいことを言ってない、正しく存在していない、社会の仕組みのどこにも正義はない、義もなければ愛もない、TVも政治家も誰も正しいことを言ってない、学校も教科書も何も正しいことを教えていない、正しいものなど、どこにも書かれていない、どこにも人々を導く、たったひとつの、正しい指標なんて、存在していない、

だから、自分の心が囁く、ごまかせない、抗えない言葉だけが、自分の世界のたった一つ、唯一の正しい答えだ。自分の心が言うこと、そちらの方に自分をコンバートする。「世界」の側じゃなく、自分が「自分」に真からアウトフィットした時、自分にとって「世界」は様相を変える。意味が変わる。まったく景色は描き変わる。「AFTERSHOCK」。自分にとって意味があると「思わされて」きたものが、一旦、ほとんど全て無価値になる。重要だと「思わされて」きたけれど、だけどおかしいな、なんか違和感がある、かつて持っていた違和感の方を今度は頼りに、灰になった世界から輝くものを取り返していく。新しく世界を書き換える。

その新しい世界に立っている自分は、「自分」だ。頭の先から爪の先まで、自分が設定した自分で出来ている。他人が与えた価値でなく。

この時、「自分」の設定が、非「Love Yourself」的で、非自己肯定的人物なのだったら、「自分」はそのようにしか立ち現れない。そのことをイメージしていただくことが出来るだろうか。どす黒い感情も、光り輝く感情も、心の中に置かれ、ある目的のためにきちんと分量を計算されて組み込まれている。どちらの側に基準を置いて自分を設定するか、これは他人にいじれない。

わたしが持つ黒い感情のタンク、発動させるスイッチ、燃料を注げば24時間休まず稼働させることも出来るだろう。

でもしない。タンクが、これくらいの大きなタンクがあることも知っている。スイッチがあるのも知っている。光り輝く感情の方をより高純度で循環させられるように、自分の選ぶ日常がその在り方でつつが無く送れるように、黒い感情のタンクを抱えながら生きる。わたしが黒い感情の大きなタンクを抱え、そのスイッチを持っていることが、善きことでも悪しきことでもない、ただそのもの、そのままで「わたし」、素晴らしいものでも、つまらないものでもなく、ただニュートラルに存在している、「そのもの」。

それがこの世界を生きる豊かさなのだという気がする。

 ヤクシャは言った。「勇士よ、おまえは私の問いに正しく答えた。次に人間について語れ。また、あらゆる富を有する人間とは何か」。

 ユディシュティラは答えた。「清らかな行為の名声は天と地に届く。その名声のある限り、人間と呼ばれる。好ましいことと好ましくないことが等しく、幸福と不幸も等しく、過去と未来も等しい、それがあらゆる富を有する人間である」。

『マハーバーラタ入門 インド神話の世界』沖田瑞穂:著

BTSのメンバーたちは、これまで数々、アイドルとして、人として、デメリットになりうる要素を開示してきた。ファンが「それでもいいよ、それでも全然いいんだよ」と繰り返し言うことと、本人たちがその自分を受け入れていくことの相乗で、どんどん「長所」と「短所」が融合して、新しいその人の様相を形作り始めているように見える。それがぞくぞくするほど美しい。泣きたくなるほど、笑いたくなるほど、唯一無二なのだ。

外側の世界に順応するために、自分の質を「長所」「短所」とカテゴリしている間は、その人の人格はナッペ(クリームをヘラでケーキに撫で付けること)された、社会の一部として齟齬なく組み込めるように規格された、製品のようなものだと言えるかもしれない。それが社会の大多数で、だからこそこの仕組みは回っているのだが……んーーー!!!わたしはぞくぞくする方の世界に、一歩足を踏み入れ始めているらしい。

それが「Permission to Dance」のプラクティス動画でわたしが感じた多幸感とリンクしていて、いるようだ、「長所」と「短所」が融合された、二元論を超えたバージョンの人格。仕事、とか、プライベート、とか、本音、とか建前、とか、都市、とか、自然、とか、人間、とか、動物、とか、境目がなくなってその人の「心の声」の中心点に向かって集約された在り方。いつでも、「その人そのものでいる」。深く。広く。


んー。やっぱりぞくぞくする。


それでは、またね!



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