コンテンツ提供プラットフォームとデジタルトークンは相性抜群、ヤラれる前にヤレ

今回はコンテンツ提供プラットフォームとトークンについて、IT Engineer 兼 投資家であるこーえんがお送りします。

本noteでは、ブロックチェーン上でトークンを発行する目的、コンテンツ提供プラットフォームとトークンの相性、これを実現するための幾つかの戦略(現在公開されているソリューションが実現できていないことも)。この辺りについて私見を記載します。


本noteの想定読者とメリット

noteを読むと誰にどんないいことがあるのか、ちょっと考えてみましたので参考にしてみてください。

・コンテンツ提供プラットフォームに関連する仕事をしている人。一部で熱狂的な盛り上がりを見せはじめているトークンを使って、現在のビジネスを守り、広げる、きっかけになるかもしれません。どこかのプラットフォーマーがこれを始めると、パイ(顧客)の奪い合い競争が加速すると考えています。あなたの仕事がなくなりませんように・・

・就職活動をしようとしている人。IT業界、またはITを使って小売をしている企業。就職活動でこのnoteの内容をペラペラーと話せたら「お、こいつできるかも・・?!」と思わせれるかもしれません。生涯賃金数億円を獲得するためにどうぞ。(すいません、煽ってるわけではありませんw)

・仮想通貨を使って何か新しいことができないか探している人

・仮想通貨に投資をしていて1日3回はチャートを見てしまうファン、ブロックチェーンに興味がありすぎて本職に手がつかない人、つまり時間とお金が余っている貴族なあなた!

購入いただいた方については、CounterPartyのアドレスを教えていただければ、Bubblesトークンをお渡しします。Bubblesトークンの使い方は決まり次第周知します。

最近私が執筆した記事はこちらになりますので、ご参考にしてください。

トークンエコノミー実験ノート

仮想通貨の魅力や投資方針


トークンを発行する目的って?

先日、私はCounterPartyを利用してビットコインのブロックチェーン上にBUBBLESトークンを発行しました。それに費やした時間はたったの5分です。

# ビットコイン?CounterParty?という方はこれを読んでみてください。
ビットコインとは CounterPartyとは nemとは

CounterParty以外にも、nemではmosaicと呼ばれるトークンを発行することができます。

技術的な説明は省きますが、これらのパブリックなブロックチェーン上のトークンを使うメリットは

・パブリックなデジタルデータのためインターネット環境であればどこからでもアクセスすることができること。

・誰が、どのトークンを、どれだけ持っているか、改ざんすることが現実的に非常に難しいこと。

・コストメリットとして、このシステムを利用する費用がとても安いこと(自分オリジナルトークンも160円で作れちゃいます)。

・そしてトークンと他のトークンと自由に交換することができる。つまり、トークンの需給があればビットコインなどに換金することもできる、ということ。

CounterParty/nemについてはここ数年で出てきた新しい技術ですが、これらの機能で発行するトークンは、現在世のなかで広く普及している「ポイント」として利用することができます。「500円以上お買い上げでポイント1つ、10ポイント貯めると当店限定で50円引きのチケットとして使えますよ。」という、よくあるアレです。

そもそも、ポイントサイト、ポイントカードは、ポイントが流通する経済圏に顧客を囲い込むことが主な目的です。

それをデジタル化したブロックチェーン上のトークンを使って何ができるか。・・・・これはまさにコンテンツ提供者の腕の見せ所です、正解はわかりません。しかし、とあるトークンを欲しい、所有したいためにコンテンツを買う。なんて現象が起こってもおかしくありません。

#note 「トークンエコノミー実験ノート」も関連話題を記載していますので、是非ご覧ください。

例えば、上述した割引の例以外にも、AKB48の握手券セット販売ビジネスにも使えますよね。CDを買ったら握手券トークンを払い出す。握手会場にて、ユーザーのデジタルウォレットからトークンを返却してもらうことで握手会へ進むことができる。トークンは改ざんが非常に困難であり、デジタルデータなので取り扱いがスマートで、主催者側にもメリットはあります。このデータを使って、この顧客は何が好きなのか、などのプロファイリングにも使うことができます。

トークンとは不思議なもので、所有欲が湧いてくるものです。目に見えて、唯一無二で、希少であり、自分がコントロールできる、所有欲が湧いてくるのです。(レアカードを収集して楽しむブロックチェーンのゲームでも、トークンがカードとして利用されています)

他にもファンクラブなどを例に挙げると、ファンクラブに入会している方が月会費を納めるとトークンをあげる、イベントに参加してもらえた方にトークンをあげる、そしてトークンをたくさん持っているファンには、本人とディナーできる!のような、トークンを循環させる使い方もできます。

抽象的に考えてみると、トークンとはある個人・団体によって提供される価値と交換できるチケットと位置付けることができます。そのため、コンテンツ提供者のクリエイティビティ、発想に応じて、様々なトークンの使用方法が考えられます。

ブロックチェーンのデジタルトークンを使ったサービスを提供している人は現時点でほとんどいませんから、これを使ったユースケースの正解も明らかになっていません。これは「何かやれる」チャンスですし、こんな使い方をしたらどうか?とコンテンツ制作者自信を熱狂させる効果もあります。(私自身、それを感じています)

ちなみに、トークン発行をサポートするzaicaというサービスが、2016/8にテックビューロ社よりリリースされています。興味のある方はコンタクトを取って話を聞いてみると、自分のビジネスに新しい展開が開けるかもしれません。例としてよく取り上げられる、トークンを公演チケットとして利用するという事例は商用サービスとしてすぐに出てくると思います。

そして、本noteのタイトルの通り、私はコンテンツ提供プラットフォームとトークンは相性抜群だと考えています。amebloやnote.muなどのコンテンツ提供プラットフォームに上記のようなトークンが流通し始めると、クリエーターと読者の間での化学反応が起こり、お互いに熱狂する場になってくるのではと予想しています。コンテンツ提供プラットフォームが指向している、ブランド力、コミュニティ力、といったところでハマることが予想されます。


コンテンツ提供のおまけとしてのトークン

コンテンツ提供ビジネスというのは、自分が作成した記事を、他の誰かに有料で販売することです(当然ですね)。

「コンテンツ」は、「あらゆるモノ/サービス」と言い換えることもできますが、ここではWebコンテンツのことを指すことにします。そして、コンテンツ提供をした後に、おまけとしてトークンを発行してみることを考えてみると、プロセスはこんな感じになります。

(1)WEBコンテンツを作成する。(私)

(2)クレジットカードで購入する。(ユーザー)

(3)購入したコンテンツを参照する。(ユーザー)

(4)BUBBLESトークンを発行する。(私)

(5)BUBBLESトークンを受け取る。(ユーザー)

(6)BUBBLESトークンで何かをする。(私、ユーザー)


今回利用しているnote.muのプラットフォームでは、(1)-(3)まではnote.muの機能で実現することができます。皆様が購入していただいたコンテンツ料金の15%が、note.mu側に支払う手数料として天引きされます。また、いわゆる有料ブログ、有料メルマガについても、(1)-(3)を誰でも簡単に始めることができるプラットフォームがいくつかあります。

必ずしもこのようなコンテンツ提供プラットフォームを使う必要はなく、その気になれば、自分で集金を確認して、読者に記事を送付する作業もできます。しかし、有料ブログ、有料メルマガが世の中に出てきた後に、note.mu、amebablogなどの課金プラットフォームが流行ったことにはそれなりの理由があると考えるのが妥当です。サイトのデザイン性、そこでのコミュニティ、課金のお手軽さ、そういったものをユーザーが求めているのではないでしょうか。

(4)-(6)のトークン授受は新しいテクノロジーによるもので、現時点では対応しているコンテンツプラットフォームはありません。全て手動で実施しなければなりません。

ITシステムとして理想的な動作は、ユーザーがコンテンツを購入する(購入ボタンを押す)という動作をトリガーにして、コンテンツ情報の公開とトークン払い出しを自動的にやって欲しいところです。このような仕掛けを入れることで、ビジネス展開上の好機をつかめるか検討の価値は十分あると考えています。


既存のプラットフォーマーがトークン流通を導入するケース

これはチャレンジングな取り組みですが、一般ユーザーへのトークンの浸透具合がまだこれからの段階なので、既存事業者がすぐに導入に乗り出すことはないかなと考えています。既存のプラットフォーマーはそれなりの規模の会社ですし、トークン流通を導入する投資に対する期待リターンも、現時点では定量的に評価できず、投資に至らないかもしれません。

とはいえ現状シェアを取っている事業者は、トークンがBuzzったらすぐに導入するというスタンスでも問題ないかなとも思います。トークンはパブリックチェーンで流通しているため、プラットフォームに依存していません。つまり、私が(あなたが)あるプラットフォームでトークンを発行しても、それを他のプラットフォームで引き続き、同時に使えるのです。

既存のプラットフォーマーの強みとして、自社で保持しているコンテンツ制作者、顧客の情報、およびWebページを参照するトランザクション情報などを自由に組み合わせて、データ分析してマーケティングにフィードバックすることができます。ある条件に合致した場合にあるトークンを払い出すというようなロジックで、コンテンツ制作者、顧客の行動に影響力を与えることができます。

他社の動向を待つリスクの一つとして、コンテンツ制作者と、プラットフォーマーとの「契約」として、他にトークンを発行しないこと、のような制約を設定するところも出てくるかもしれません。しかし、それをコンテンツ制作者が承認するメリットはあまりなさそうです(大金を払われたら別ですが、そのようなことをする事業者はリスクテイカーとして褒めたいです。勝手にw)。


トークン流通を武器にプラットフォームに参入するケース

スモールスタートでこの方法をとるスタートアップは今後出てきそうです。

さらに、このような新規参入者は既存プラットフォーマーとの差別化として、コンテンツへの決済方法を仮想通貨で実施することをやってくる可能性があります。先行する他のプラットフォーマーへの差別化を全面的に押し出して、話題を独占して、既存のパイを奪っていくことを狙います。

仮想通貨を決済で使う際に注意しなければいけないのは法律面です。仮想通貨に対する資金決済法も来春に改定されますが、法整備が完成されているわけではありません。決済にビットコインを使うことの法的リスクについては資金決済法に詳しい弁護士をつけながら、ビジネス展開におけるリスク検証をしていく必要があります。

仮にスタートアップでこのシステムを構築して集客がうまくいったとします。

経営者の次の判断は、大手の既存プラットフォーマーにBUY OUTするか、自身の手でさらに育てるか、です。逆に言うと、既存プラットフォーマーを必死になって買収交渉をしてくるかもしれませんw市場価値を定量的に測ることは難しいですが、BUYOUTした場合にスタートアップ起業家には大金(億単位)のお金が入ってくる可能性もあります。

現在の仮装通貨決済のサービスについては、noteの後半で触れます。


トークン流通を支える共通APIを提供するケース

現時点で手堅いビジネスです。

コンテンツ提供プラットフォームの仕組みを支えるプラットフォームです。

CounterPartyへのトークン操作、nemへのmosaic操作など、コアな技術の部分をラッピングして、誰でも簡単にトークンを使用したwebサイトを作成できるようなAPIを提供し、その利用料に対して課金をして儲けるビジネスです。

性能、機能に問題がなければ、先行者利益を享受できるところです。その開発会社のAPIが実績を積むほど、それを呼び水にしてさらに利用者が増えるという構造です。

ただし、CounterPartyやnemはオープンソースソフトウェアであるため、本質的にその会社でしか開発できない独占的なものにはなりません。後発企業でよりいけてるAPIを出されてしまうと、やられてしまうリスクもあります。同業が出てこないうちに成功できるかどうかが成否の分かれ目でしょうか。

先行企業のメリットとしてコアな技術を特許で囲うことができれば、特許利用料なども期待出来ると思われます。しかしながら、やはり競合他社との競争力のあるコアな技術にはならないため、他にはない付加価値を生まない限り、いずれコモディティ化してしまうと考えられます。

ちなみにこのあたりのビジネスを展開している企業の中で、世界的にも先を行っていて、日本で有名なところとしては

CounterPartyだとindie square。nemだとテックビューロです。

本日時点ではCounterPartyのトークンに関連するindie squareの方が世の中で使われている印象です。(nemのトークン(mosaic)はさらに高機能なので今後逆転はありえます)


ちなみに結構重要なことなのですが、既存のコンテンツプラットフォームを置き換えてしまうような、ビットコイン2.0系プロジェクトも出てきています(本noteでは割愛します)。ここで記載しているようなトークンの使い方は想定されていませんが、競合の一つとして認識すべきプロジェクトです。

Steem https://steemit.com
 β版の商用サービス提供が開始されています。

Decent https://decent.ch
 これはまだプロダクトができていません。どうなるか全くわかりません。


クレジットカード、ビットコイン、どっちの決済がいい?

コンテンツを購入するときの決済手段は、クレジットカード決済、ビットコイン決済、どちらがいいのでしょうか?

まず、

クレジットカードであれば、カードを持っている人は非常に簡単に決済することができます。クレジットカードを作れない未成年の場合は、カード発行を親にお願いしないといけないので、ハードルがあります。

ビットコインであれば、ウォレットを作成するのは、パソコン操作に慣れている人であれば30分くらいでできちゃいます。ビットコインの取得は、通常取引所を使って購入しますが、それに必要な口座開設はオンラインでできちゃいます。ただし、ビットコインを購入するために自分の銀行から送金する必要があるので、着金するまでのタイムラグが発生します。(インターネットバンキングであれば、時間帯によって数時間で着金します)ただし、未成年の場合だとクレジットカードと同じようなハードルはあります。

あとはビットコインを買うことができるATMもありますが、そんなものが近所にある人はほとんどいないと思います。そしてわざわざビットコインATMへ行こうと思いますかね・・個人的にはいないのではと。客寄せパンダ的にビットコインATMを設置しているのだと思われますが、引き寄せられるのはどんな人でしょうか(コアなビットコイナー?いや、逆にコアな人は興味ないか・・)

次に、

クレジットカード決済と、ビットコイン決済では、使用する際の心理的なハードルが異なります。私の経験上の話ですが、同意する方は多いのではないでしょうか。(是非ご自身でお試しください)

コンテンツをクレジットカードで購入する場合、どうしてきもこのコンテンツは1000円の価値があるのか?と日常生活で円で消費するものと比較をしてしまいます。

一方で、私がビットコインを使った時の実感ですが、驚くほどお金の感覚がなくなってしまうのです。

1000円は0.016 BTCです(2016/8月レート)。小数点になってしまう分、小さい数字に見えてきませんか。(私には見えてきますw)

(現実の話題ではありませんが)

「スマホのこのケースかっこいいな、値段は0.016 BTCか。。」

「あれ、今って1BTCが6万円くらいだっけ?」

「だとすると0.016 BTCか。っていくらだ?うーん、だいたい1000円くらいかな?」

「1000円くらいだったら、この前のBTC上昇で儲かったしいいか!」

みたいな心理です。

日本円を使うよりも、仮想通貨は単位がわかりにくく、また価格上昇効果もあるので、消費者を油断させる効果が多少なりあると思います。少なくとも私に何かを売る場合にはビットコイン建てで提示してもらえると、思いもよらないものを、高い価格で購入するかもしれません。本当ですw


ビットコイン決済の方法は?(2016/8)

仮想通貨の法的な位置付けが未確定であることが大手の事業者は動きづらいというのも理由としてあるのかなと想像できますが、現時点では、コンテンツ提供プラットフォームで仮想通貨決済できるところは国内ではありません。(ここやってるよ!とご存知の方は是非教えてください。noteに反映します)。

仮想通貨で決済をする単機能はcoincheckが提供していますが、自前で店舗・ECサイトを持っている方向けとなっています。こちらを使用すれば、お客様がビットコインで支払い、それの対価としてコンテンツを提供することができます。決済手数料はcoincheck経由の売り上げ1%となっており、クレジットカードを利用した場合の手数料の1/3-1/5であるとサイト上で記載されています。

決済とは違いますが、ビットコインを気軽に送金する仕組みとして、ウェブ上での「チップ」を実現している機能があります。まずはcloudtipです。

こちらは、非常に面白いインタフェースです。

自身のブログ、サイトを持っている方に向けた機能ですが、cloudtipでは上記のようなバナーを簡単に作成することができます。よく見てみると、缶コーヒーや、生ビールなどを選択することができます。これは選択した金額に応じたビットコインを、読者からコンテンツ作成者にチップとして送ることができます。

実際にチップを送る場合には、読者がビットコインを保有していて、スマートフォンにビットコインウォレットをインストールしている必要があります。ビットコインウォレットから上記QRコードを読み取って簡単に送信することができます。

cloudtip以外にもindie squareが提供している寄付用チップバーナーもあります。



こちらは、100円、500円、1000円といった固定金額を選ぶか、自身で任意の金額を指定することができます。こちらもcloudtip同様にQRコードを表示して、ビットコインウォレットから送信することができます。

cloud tipの方がindie squareよりも後発ですが、後発なだけあって「缶コーヒーを送る」など面白い仕掛けを展開してきていい感じに切磋琢磨をしてくれています。

ちなみにどちらのサービスでも、誰からもらったかという点については送信元アドレスがわかるため、後で把握することができます。お礼として自分オリジナルトークンを返却することにも使えます。


最後に

最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。

本noteを読んだ感想、是非お待ちしています。私に書いて欲しいテーマがあれば合わせてお気軽にお知らせください。

大手メディアは広告事業による収入があるため読者に無償で記事を提供することができます。ここは個人によるメディアのため、コンテンツ単位で課金とさせていただきました。

noteを購入いただいた方は、あなたのCounterPartyのアドレスを私までご連絡いただければ、BUBBLESトークンを無料送付させていただきます。CounterPartyアドレスの作り方は検索すれば出てきますが、それでもわからない方はTwitter(@cohen_tky)で私に聞いてみてください!

まずははじめてみませんか?

よろしくお願いします:)



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