お犬さま現る。


飼い主さんがいなくなり、行き場をなくし
転々としていたワンさん。

あれよ、あれよと言う間に我が家にやって来た。

大型犬のロットワイヤー。

飼いそうな流れになって来たので、前情報として
ロットワイヤーの動画を見たり、情報を探る。

出てくるワードは、

ロッドワイヤー怖い。

危険犬種。

など、身震いする情報に恐怖とワクワクの糸が
頭の中で絡まって解けないでいた。

ワンさんの写真も見ていたので、
まるでお見合いでもするかのような気持ちで
いざご対面。


大興奮した黒づくめの筋肉隆々の牛みたいな
ワンさんが抱きついてきた。

獣のような迫力に、圧倒され恐怖が勝ってしまった。。

こ わ か っ た 。

これが第一印象。

怖さは、私の過去のデータから来るものだった。

私の生まれて街は、極めてのら犬が多く小学校の
登下校には、追いかけ回すのら犬にいかに合わないよう
気づかれないよう、息を潜め通っていた。

学校へあと一歩という所にドーベルマンを2匹飼っている
家もあり毎日が恐怖の大冒険だった。

放課後、知らない人には付いていかない、
に付け加え犬と目を合わさぬように。が
付け加えられるほど、のら犬大国だった。

包帯を巻いた子をたまに見かける。
犬に噛まれてるのだ。


登校班への参加は1年生の半ばで脱落し、ひとりで
通っていたので、怖いね。と言い合える仲間もおらず、
そそくさと息を潜め40分の道のりを歩き通った。

ある日、ランドセルにクジで当たった大当たりと
いわんばかりの拳サイズの特大の鈴を付け、意気揚々と
歩いていたら、前方、後方から唸り声。。
犬が戦闘モードでスタンバイしている。

カランカランと特大の鈴の音が、心とは裏腹に
おびき寄せていたのだ。

恐怖でダッシュをするが、走るほどに揺れる特大の
鈴の音はヒートアップし、興奮した犬がバスケのディフェンス
のように行く手を阻み追いかけてくる・・・。

幸い、ゴミ捨て場に気を取られたのら犬は
私の鈴より、食料の元へと去っていった。

歩く度にカランカランとなる鈴はここにいるよ!
と自らのアピール材料となってしまった。
特大の鈴をランドセルに付け、一等当たりました。と
見せびらかした罸があったのだろう。


犬をワンちゃんと呼び可愛いと思ったのは、
東京に来て初めて思ったこと。


電池で動く犬のおもちゃみたいなワンちゃんを
散歩してる人を見たときは、あれまー可愛いと
目を丸くした。

のら犬もいないし、みんなお家の中で飼われてるもんね。


そんなこんなで、ワンさんへのいろんな気持ちを
抱えながら初めての犬ライフが始まります。